スタッフは、この1年で1.5倍の増員に。「年末にはライン増設の計画もあるため、タイ人マネージャーの育成が急務」と田伏社長(前列中央)

スタッフは、この1年で1.5倍の増員に。「年末にはライン増設の計画もあるため、タイ人マネージャーの育成が急務」と田伏社長(前列中央)

高い無孔性ダイカスト鋳造技術
304工業団地で製造ライン増強

自動車から農機具、船外機などに搭載されるエンジン。過酷な条件下でも変わらずに稼働させるため、部品類には高い耐久性と精度が求められる。2007年にタイ進出を果たしたアクロ(タイランド)。質の高い無孔性ダイカスト鋳造技術で、急激にシェアを伸ばす注目企業だ。

エンジンが動力を生み出すために最も重要とされる部品の一つが、エンジン内部にあるピストン。素材であるアルミダイカストなどの鋳造を担っているのが、アクロ(タイランド)だ。和歌山県にある本社のアクロナイネンは、日本で初めてダイカストによる小型エンジン用ピストンを開発した、ダイカスト製造におけるリーディングカンパニー。中国にも拠点を持ち、上海勝僖汽車配件有限公司、湖州勝僖電子科技有限公司の2社がある。
急激な加速、減速を繰り返しながらも、安定的に駆動を続けるピストン。強度や硬度から来る耐久性は、ほかの部品とは比較にならないほどの高い水準が求められ、最終的に性能の優劣を決すると言っても過言ではない。ゆえに品質面を高める製造技術が必要となる。それが無孔性ダイカスト法(PF法)だ。
溶解したアルミニウムなどの原料に空気が混じり込むことからできる気孔(鋳巣)。表面上は美しく見えても、切断面を比較してみれば、あちこちに空気の穴が散在するといったケースは少なくない。気孔があれば自ずと強度は低下し、熱にも弱くなる。結果的に、耐久性にも著しい影響が出てしまうのだが、これを一気に解決したのがPF法だった。
まずは、ダイカスト原料に含まれる空気を活性ガス(酸素)に置換。これを、アルミニウムなどの原料と反応させる。すると、一時的に装置内に減圧の状態が生まれ、気孔の少ないダイカストが得られる。同社では、5年前からこの鋳造技術を用いて、タイでの製造を行っている。その品質は折り紙付き。
構内に配置するダイカストマシンは計8台。各々に溶解炉を個別に取り付けており、別々の材料を溶解しながら同時に鋳造していくことが可能で、これが少ロットにも量産にも、どちらにも対応できる同社の強みとなっている。
品質保証のための各種検査機器の配備も完璧だ。主に材料分析機、三次元測定器、引っ張り試験機(万能測定機)など。いずれも日本から取り寄せた、高性能の検査機器である。年内にはX線検査装置の導入を予定している。
現在取り扱う自動車関連の製品を手堅く抑えながら、将来的には噴霧機、草刈機、チェーンソーなどといった小型汎用エンジンを搭載する農機具全般の市場にも拡大していきたいとしている。

  • ダイカスト製品はタイ国内市場向けが80%。代理店などは通さず直販によって、顔の見える営業を行っている

  • 将来的には、インドネシアや米国などの市場への輸出も視野に入れる。「5年後の売上高倍増を目指しています」と田伏社長は話す

COMPANY PROFILE

会社名 ACRO (THAILAND) CO., LTD.
ロゴ
代表者 田伏忠千代
事業内容 アルミダイカスト製ピストン等の製造•販売
設立年 2007年
TEL 037-481-087
住所 448 Moo 7, 304 Industrial Park, Srimahaphote, Prachinburi 25140
本社 和歌山県
URL http://w-ksk.co.jp/

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