従業員教育は事業の要。「見本を見せ、マネージャーに理解させて、部下に伝えてもらうのが鉄則」(白石社長)

従業員教育は事業の要。「見本を見せ、マネージャーに理解させて、部下に伝えてもらうのが鉄則」(白石社長)

お客様と共に歩んだ20年
幾度の危機乗り越え事業拡大

プラスチック成形を得意とする白石工業は昨年、タイ進出二十周年を迎えた。この間、市場は通貨危機、香港返還から始まった中国の台頭、内政混乱、大洪水など大きな危機に見舞われ続けた。幾度もの困難を乗り越えて事業の拡大に至った背景について、話を聞いた。

東部チョンブリー県アマタナコン工業団地に現地法人を設立したのは1995年のこと。当時、日系を中心に製造業のタイ進出が相次いでおり、東京都内でプラスチック成形業を営んでいた同社も家電向け部品製造を手がける取引先の求めに応じて進出を決断した。
ところが、2年後にいきなり危機は訪れた。97年7月、タイ政府は米ドルとの実質的なリンクを意味するドルペッグ制を廃止、管理フロート制への移行を宣言(通貨危機の発生)。これにより金融機関を始め、企業各社は一斉に資金繰りに行き詰まるようになり次々と破綻、投資を引き上げていった。親会社の白石工業社内でも撤退が検討されたが、「投資してしまった以上、何としても継続を」という意見が多く、続行が決定。しかし、道行く先は不透明で、数年は苦労に見舞われた。
タイならではの生産現場での難しさがこれに追い打ちをかけた。日本では当たり前の三現主義(現場、現物、現実という「3つの現」を重視する生産現場の管理方法)が通じない。「どうして、それが必要なのですか?」。何度、紙に書いて説明してもわかってもらえない。「自分で確認するしかないと考えるようになり、サンプル探しなども自身でこなしました」と語る白石栄吉社長。在庫数の不一致、不良品の流出などというのは、もはや日常茶飯事だった。そんなとき、知人から「寺で修行をしてみないか」との誘いを受けた。縁あって東北部ローイエット県の寺院で一週間、修行する機会に恵まれた。世俗から隔離された中でタイを知ろうと夢中で臨んだ。「お寺の修業を通して、自分がタイ人のことを十分理解していなかったことに気づきました。日本のやり方を押し付けるだけではうまくいかないのだと」(白石社長)。
現在は、家電、自動車を扱う日系メーカーからの注文に応えている。小回りの効いた、顧客の立場に立ったサービスが評価され、通貨危機回復後からの売上高は2倍以上に。従業員数も200人にまで増加した。「自動車業界は順調に回復しており、今後も基幹産業であることは変わりません。自動車は技術面も管理面も高いレベルを求められるので、我々はこれからも挑戦し続けていかなければなりません」。

  • 3年前から、タイ事業に加わった息子の太祐氏(右)。現在は3次元CADによる製品設計を行い、事業を強力にサポートする

  • タイ法人は現在、売上高ベースでプラスチック成形が8割、金型製造販売が2割ほどの内訳。当分はこの傾向が続くと見ている

COMPANY PROFILE

会社名 SHIRAISHI(THAILAND)CO., LTD.
ロゴ
代表者 白石栄吉
事業内容 熱硬化、熱可塑プラスチック成形、金型製造
設立年 1995年
TEL 038-214-072〜3
住所 700/70 Moo 6, Amata Nakorn Industrial Estate, Donhuaroh, Chonburi 20000
本社 東京都
URL http://www.shiraishi.co.th/

この記事をSNSでシェア!

一番上へ戻る