タイ・オリックス・リーシング

オンリーワンの企業を目指す

社長 大澤 稔

《プロフィール》 1958年生まれ、東京都出身。1988年オリエントリース(現オリックス)入社、国内営業、社長室を経て、1997年ORIX Polska(ポーランド)駐在、2003年ORIX Australia 駐在、2011年よりThai ORIX Leasing 駐在、現在に至る。
 

「憧れられる“オンリーワン”の企業を目指します」

―御社と言えば、事業領域の広さが有名ですが、タイでのメイン事業は?

 正直、日本でのオリックスは一言で表せられない会社ですね。タイでは、外資企業への規制もあり、リースと割賦販売の2つがメイン事業です。最近、測定器のレンタルも始めました。ちなみに、当社はリースのパイオニアを自負しており、日本では約50年、東南アジアでも約40年の歴史があります。

タイでは、産業機械、特に自動車産業向けの工作機械をメインに、自動車リースを11年前からはじめています。割合は機械リース6割、自動車リースが4割といった具合ですね。 現在、自動車の保有台数は1万1000台超で、タイ国内では大手2社の一角を占めています。機械リースと合わせるとそれなりの事業規模となりますね。それでも、タイの国力からみれば、マーケットの潜在需要はまだまだあると思います。



業績はいかがですか?

 前期は、大変好調な業績で推移しました。今年に入ってから、タイ経済全体は、メディアでも報道されている通り、成長スピードに減速感があります。 ただ、今は足踏みしているといった状態ではないでしょうか。実際、東南アジアで自動車産業がこれだけ集積している国はなく、潜在的なパワーもあり、今後も堅調に成長していくと期待しています。



現在の顧客ターゲットと顧客内シェアを教えてください

 当社はBtoB(企業間取引)がメインですね。相手企業の国籍は問いません。元々、タイに進出した当時は日系企業も少なく、自ずと顧客ターゲットは、地元のタイ企業に限定されました。今でも機械リースのお客様の9割くらいが非日系企業ですし、自動車リースでも、日系企業は3割程度だと思います。 そもそもオリックスという会社は、普段から日本企業という意識は薄いんですよ。もちろん、日本企業としての誇りはあります。 ただ、トップからは常々、「世界でビジネスをする上で、日本のやり方で通じると思うな。いかに現地の優秀な人材とともに商売をするかを考えろ!」と言われてきました。ですから、当社では日本人が海外拠点のトップを担うよりも、ローカルの人材が経営者となることが求められます。近い将来、タイ人のトップを据えることが経営目標のひとつでもあります。



現地化が進んでいるということですね

 個人的に現地化という言葉は好きではありません。会社にとって、適材適所の人材を配置できることがベストであって、我々、駐在員の使命はそうした人材を育てることです。タイのマーケットであれば、その国を最も知るタイ人が職責を担う方がベターで、マネージメントも同じです。人も文化も違う場所に、日本をそのまま持ち込んでも上手くはいきません。だからと言って、悪い意味でタイのやり方に慣れてもだめです。バランスを保つために、日本やオリックスのやり方を理解できるタイ人を育てることが大切です。



タイは海外赴任3ヵ国目だと聞きました

 タイの前は、ポーランドに4年半、オーストラリアに5年駐在していました。その後、日本の本社勤務をはさみ、2011年の2月からタイに赴任し、約2年半が経ちました。タイに来てホッとしたのは、スタッフと会話する際に上を向かなくて済むことです。その前は、とにかく背の高い人が多くて、タイに来て同じ目線で話をできることがうれしかったですね(笑)。 国の印象としても、社会・経済全体が大きく発展しつつあり、まさに「三丁目の夕日」。日本が失いつつある、前向きな息吹を肌で感じます。



今後の目標を聞かせてください

 当社は、2010年にタイ・オリックス・リーシングとオリックス・オート・リーシングのタイ子会社2社が合併して生まれました。すると、合併後の歪というべきか、スタッフが互いに旧社名を使い分け業務をするわけです。赴任後は、合併による効率化を図りながら、どう組織を一本化していくことが課題でした。 今後は、業界内で大手の一角といわれる立ち位置から事業規模のみならず、収益性、カスタマーサービスといったすべての面で、オリックスグループが目指す“オンリーワン”となることが目標です。

他にも、トップとしての役割は、220人のスタッフ皆が、プライドを持って働ける会社を作り上げることです。タイ人スタッフに聞くと、サイアム・セメントといった有名タイ企業や、日系でもトヨタやホンダなどで働くことがステータスでもあるようです。そうであれば「我々もそういった憧れの企業になろうよ」と気概をみなぎらせています。 とはいえ、まだまだ道半ばに過ぎません。まずは目の前のやるべきことを着実にクリアして行き、一歩でも目標に近づけていきます。

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