NTT DATA(Thailand)

タイでの基盤は整い、攻勢に出る

President & CEO 松岡 靖

《プロフィール》 1967年生まれ。東京都品川区出身。1990年立教大学理学部卒業、同年NTTデータ通信(現NTTDATA)入社、2010年本社EIT事業部統括部長、11年NTT DATA(Thailand)President&CEO 現在に至る。
 

「基盤は整いました。あとは攻勢に出るだけです」

―タイでのメイン事業は
 弊社は、ICT(情報通信技術)製造企業なので、お客様が困っていることをICTテクノロジーで解決することがメイン事業となります。つまりは、高度化する事業をICTによって効率化するサポートです。



日本では官公庁主体の多くのビッグプロジェクトに参画しているようですが、タイではどうですか

 タイでは、事業の高度化が進む大手企業を中心に受注しています。

例えば、これまでタイでは事業を拡大する際、人手(人員増)によって賄ってきましたが、昨今は人件費も上がり、いかに効率良く生産性を高めることが課題となっています。そこで、それまで人で賄ってきた事務処理や生産管理の部分にICTを導入し、事業の効率化を図りたいと考える企業が増えてきたというわけです。

ご存知の通り、タイの経済発展は目覚ましく、おかげさまで、2011年の洪水後も毎年対前年比増で規模を拡大させています。着実に事業拡大が望めるのは、やはり新興国ならではですね。



政情不安などで、経済成長が鈍化しつつあるとも言われています

 それほど影響は出ていないですね。外資の進出(投資)も減っていませんし、成長基調は続いています。今年も目標数値を前年度増に設定していますが、第一四半期(1月〜3月)を終えて、順調に推移しています。



今後も人件費は下がることがないと思います。企業の生産性向上は至上命題となってくるわけです

 機会損失をなくせば、生産性は飛躍的に上がります。日本では見積、受注、生産、納品の過程で、取引先とのやり取りは迅速に行うのが当然です。

ところが、タイでは見積の回答や納期の遅延が多々あり、他社へ発注されるといった機会損失を発生させています。ICTを使い損失を防げば、より効率的な事業運営が成せるというわけです



赴任3年目と聞きました

 2011年の着任後から取り組んでいるのが3+1(スリープラスワン)です。コンピテンシー(ソリューション)、メソドロジー(方法論)、ヒューマンの3つに、それらを上手く運用するためのコミュニケーション(+1)を高めてきました。まず、ソリューションですが、生産管理を効率化させる製造業向けテンプレート「M-series(シリーズ)」を立ち上げました。メソドロジーは、日本のものをローカライズさせて定着させています。やはり、最も難しいのがヒューマン(人材育成)でした。

基本的なホウレンソウ(報告・連絡・相談)から、問題解決に向けた対策に対して、いかに本質を見極め、時間をかけて分析するかなど、技術的なことよりも“考え方=姿勢”を教えています。昨年、すべてのプロジェクトをオンタイムで成功させることができ、「ようやく、3+1が回り始めた」と実感することができました。



順調というわけですね

 そんなことはありません。初の海外勤務で、最初は英語もまったくできず、業務上の英語でのメールも四苦八苦しながら処理していたくらいです。

ただ、社内の公募制を利用し、自らここのポジション(海外赴任)を望んだので、無我夢中で努力しました。英語に関しては1年で、業務に支障をきたさないほど上達しました。人間、放り込まれれば、がむしゃらに努力するようです。



もう少し堅い企業イメージを持っていました

 私自身もそうでしたが、コミットした社員の希望は必ず満たしてくれるんです。

現在、2人のタイ人スタッフが日本(本社)で働いています。NTTデータ(タイランド)として初めての試みです。その2人も「日本で働きたい」という希望を持っていました。気概に満ちた人材にチャンスを与えてくれるのが弊社の特徴です。



自己を高め、組織力(基盤)が整った今年は、飛躍の年というわけですね

 やり甲斐という点では、最高の環境です。社内の準備は整いましたから、後は攻勢に出るだけです。タイ国内でもいくつかの関連会社があり、M&Aによる戦力補強も行いました。

現在、タイのNTTグループだけで約1000人規模になります。アライアンスやコラボレーションでビッグプロジェクトを手がけることもできるはずです。また、ベトナムやミャンマーといったASEAN地域にもタイと同様のグループ会社が存在します。企業のグローバル化が進むなかで、あらゆるニーズに対応できる組織形成ができつつあり、タイにある弊社が同地域のグループを牽引できればと考えています。


 

編集後記 NTTデータは、言わずと知れた、日本を代表する情報通信コングロマリット「NTTグループ」の中核企業。一見、元国営企業で、国際競争力に欠けるイメージを持たれがちだが、実際は違う。新興国・先進国を含む世界展開と、数々のM&Aを仕掛ける積極ぶりからは、前述のイメージは皆無。数年前、同社は「グローバルトップ5のIT企業を目指す」と打ち立てた。攻めの姿勢は、期待の新興市場に公募制度(松岡氏)による、適材適所な人材投入を実践する点からも本気度が伺える。(北川 宏)

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