三菱電機アジア

タイの成長の歩みは止まりません

代表 萩原 稔

《プロフィール》 1956年生まれ。東京都出身。80年早稲田大学卒業、同年三菱電機入社、82〜95年にかけて中東の電力事業に従事。この間、クウェート、イラク、イラン駐在。2004年インドネシア現地法人社長、09年中部支社副支社長、10年神奈川支社長、13年三菱電機アジア代表兼三菱電機アジア(シンガポール・タイランド)社長。
 

「タイの成長の歩みは、止まりません」

―三菱電機アジア代表の仕事とは?
 管轄範囲は、シンガポールを中心に、西はインド、東はオーストラリアまで9ヵ国、28拠点に及びます。1年の半分くらいはシンガポール以外にいますね。  なかでも、タイはASEAN域内でも規模が大きく、エアコンや冷蔵庫などの家電やファクトリーオートメーション(FA)関連機器、エレベーター・エスカレーターなどの昇降機、自動車用部品を製造・販売しており、三菱電機グループとして11社があります。シンガポールがアジアの地域統括拠点の位置づけですが、三菱電機アジア(タイランド)は、タイ国内に点在するグループ企業のタイにおける地域統括の役割を担っています。



重要拠点であるタイでのメイン事業は?

 一概にひとつには絞れません。三菱電機グループでは、事業軸以外に地域軸として、日本以外の世界を米州、欧州、中国、台湾、アジアの5つに分けて管理しています。そのなかで、アジア地域に属するタイは、グループ会社内取引を含めれば合計売上は5000億規模、アジア地域(日本、中国、台湾を除く)の7割を占める規模です。 エアコンなどの空調家電や自動車用部品、昇降機に関してはタイに大きな工場があり、グローバル生産拠点として海外に輸出もしています。また、生産・輸出だけでなくタイ国内での販売にも注力していますね。



今年のタイ国内市場は、政情混乱の影響で消費マインドが低下しているといいます

 仰るとおりですが、回復の兆しを感じています。また、輸出は非常に伸びており、おかげさまで生産工場はフル稼働状態です。



具体的な輸出先・製品を教えてください

 アジア域だけでなく、一部の製品では世界に輸出しています。家庭用・業務用エアコン、冷蔵庫、扇風機といった白物家電から、昇降機、カーナビ部品など多種に渡ります。昨年には、FA機器販売代理店を買収し、新たにFA機器の販売会社も設立しました。FA関連では、工場もあり、コンプレッサー、配電制御、モーターなども輸出しています。FAに力を注ぐのは、タイが一大産業集積国であり、高い市場価値があるからです。



タイは、一大生産・販売拠点というわけですね

 中間所得層の増加による市場価値も、年々高まっています。一般家庭のエアコン普及率もそれほど高くはなく、今後も魅力ある市場です。

また、タイは家電といったコンシューマー向け製品のみならず、インフラ事業、企業(工場)の設備投資など、有望事業は多岐にわたります。生産はしていませんが、タイ企業のエコ・コスト意識の高まりを受け、LED照明事業(販売)も開始しました。



海外畑と聞きました

 直近では、名古屋と横浜で支社を経験しましたが、その他は本社と海外駐在です。海外希望で入社したこともあり、振り返れば、ハイリスクでハードシップの高い国ばかりの駐在経験でした。 入社5年目に赴任したクウェートは最初の駐在国であり、生涯忘れられません。また、イラン・イラク戦争時の真っ只中のイラク出張では、イラン軍機が飛んできて防空壕に逃げ込んだこともありました。さらには、90年の湾岸危機の時には、イラクの水力発電所の復旧工事を手掛けるなど、危険と背中合わせの仕事もありました。三菱電機での34年間のうち、11年半が海外暮らしです。



海外でのマネージメントでの苦労などはありますか?

 色々な国で仕事をさせてもらっていますが、大事なのは、一体感をもって取り組む姿勢を貫くことでしょうか。常に社員の顔をみて、声をかけ、肩を叩いて、コミュニケーションを図るようにしています。

中東地域に比べると、東南アジアの人々は、明るく理解を求めやすいですよ。特にアジア地域は経済発展も著しく、皆が前に向いている点で、最高の舞台だと思っています。



休まる日はないですね

 カバーエリアが多く、週末が移動日だったりするので、体調維持を心がけています。青汁を飲んだり、ゴルフではカートを使わずに少しでも歩くなど健康面に気を遣っています。グループ拠点を回ることは重要です。私の場合は「自分の目で見て判断する」という信念をもとに実行しています。

インドネシア時代も東西約5000キロの国土に点在する拠点に足繁に通いました。シンガポールから比較的近いタイは、日帰り出張圏内ですね。



当分、歩みは止まりませんね

 来年も、東南アジアにはタイを中心にダイナミックな展開を期待しています。弊社事業もまだまだ成長過程ですが、積極的に事業展開を図っていくつもりです。


 

編集後記
他社を凌ぐ成長ぶりを見せる三菱電機。快走を支える要因には、東南アジアを中心とする新興国での事業拡大がある。同地域を統括する萩原氏は、西はインド、東はオーストラリアまで9ヵ国を管轄。なかでもタイは、三菱電機の成長を支える重要拠点。昨年は、躍進の原動力の一つであるFA分野の販売代理店の買収、現地の人材育成・活用に注力するなど、足場固めに余念がなかった。信念に「自分の目で見て判断する」を掲げる同氏の目に、タイの将来はどう映っているのかに注目したい。(北川 宏)

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