国際協力銀行

日本企業を支える軸、インフラ投融資拡充

バンコク駐在員事務所 首席駐在員 宮﨑 慎也

《プロフィール》
1997年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。同年日本輸出入銀行(現株式会社国際協力銀行)入社。1997年アジア部、2002年米州部、06年財務部、11年人事室を経て、14年12月から現職。


 

―タイでの役割を教えてください
当初は、日本政府が100%出資する政策金融機関、日本輸出入銀行として、1950年に発足しました。主に日本企業の輸出入に対する融資を行ってきましたが、時代のニーズに対応して、日本企業の海外投資に対する融資や途上国政府に対する経済協力的な融資も行ってきました。
1999年に国際協力銀行(JBIC)として発足し、その後の政策金融機関の組織再編を経て、現在に至ります。JBICは現在海外拠点が16ヵ所あり、その中でもタイは最も古く、1955年に初めてタイ向けに融資を行ったことを皮切りに、57年に駐在員事務所を構えました。これまで、タイの政府・金融機関・地場企業・日系企業向けに、累計で約2500件、約2兆7400億円の融資を行っています。

―日本企業への融資も行っているのですか?
日本企業による、海外インフラプロジェクトへの事業参画、外資企業に対するM&A 、日本の資源権益を確保するエネルギー資源開発など、さまざまな日本企業の案件に対する融資実績があります。また、最近では日本の中堅・中小企業の海外進出支援も積極的に行っております。

―タイの経済状況は、必ずしも調子がいいとはいえません
仰るとおりですね。ただ、タイ政府は、短期的には内需拡大を行い、中長期的には産業の構造転換を図ろうと、現在さまざまな施策を打ち出しています。当然、トップクラスの投資国である日本への期待も大きいと思います。進出済の日系企業は、こういった施策やタイ経済の先行きも踏まえつつ、今後の事業戦略を考えていくのではないでしょうか。
また、今年末にはASEAN経済共同体(AEC)の発足を控え、関税撤廃、通関手続きの簡素化などが図られることで、ASEANのヒト・モノ・カネ・サービスが自由に行き交う時代が訪れようとしています。
タイは陸ASEAN・メコン経済圏の中心的存在ですが、今後日系企業がAECというフィールドでタイを軸にどう展開していくかという点も、日系企業のタイでの事業戦略を考える上で、重要な要素となってくるのではないかと思います。現在、タイ政府は、積極的に大型のインフラ事業を計画していますが、特に首都圏の鉄道事業は日本企業にとって参画する機会の多い分野ではないかと思います。

―タイに赴任して、約1年と聞きました
2014年12月末からの赴任です。入社してからずっと東京本社勤務です。入社して数年間は、中国や南米向けの融資を担当していましたが、その後は審査・財務・人事の仕事をしていました。海外に赴任するのであれば、活気溢れるアジア地域を希望していたので、今回ようやくそれが実現しました。

―現地国でのトップという立場について
管轄国ではJBICの代表です。責任の重さを感じながら、日々仕事に取り組んでいます。当事務所では、タイ・ミャンマー・ラオス・カンボジアの4ヵ国を少ない陣容で担当しています。最近では日系企業の進出が続くミャンマーへの出張がとても増えていますね。業務経験の豊富な駐在員や優秀なローカルスタッフに支えられ、頑張っています。

―休日の過ごし方は
赴任してからは、ミャンマーへの出張が多く、平日不在にすることが多いので、土日は家族と過ごしています。とはいえ、タイでのビジネスシーンにゴルフはつきもの。タイに来て初めてクラブを握りましたが、とにかく周囲に迷惑をかけずにラウンドできるよう、現在練習に励んでいます。

―宮﨑氏にとって、JBICとは?
「日本企業を支える」という軸がブレず、それでいて時代のニーズに対応できる柔軟性が強みではないでしょうか。今後、アジアでのインフラ投資の機会が増えていく中、仕事の幅を広げられるチャンスだと日々楽しんでいます。


 

編集後記
タイでは、長距離鉄道整備計画(一部は日本が受注)のほか、都市鉄道や高速道路など、インフラ整備が目白押し。報道では、財務省が来年度の概算要求で、JBIC向けの投融資資金として1兆3千億円を求める方針で、安倍首相が推し進めるアジア向けインフラ輸出への援護射撃。これは、今年度の当初計画の1.7倍僧。宮﨑氏にとって、大義名分を得る中での赴任は、やりがいそのものだろう。同氏の業務が忙しくなることこそ、日系企業の海外進出増の証そのものになる。(北川 宏)

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