サハ東急コーポレーション

街づくりのDNAを発揮 日本品質の住宅をタイでも
社長 鳥羽 明門 

《プロフィール》
とば・あきと

■1962年生まれ。1987年東京急行電鉄入社。米国の関連会社社長などを経て、2014年、サハ東急社長、15年からは東京急行電鉄の国際事業部プロジェクト企画部統括部長も兼務
■よく見るウェブサイト:日経電子版、TED Talks
■シラチャの行きつけのお店日本亭J-PARK店、Grand Seaside (タイ料理)
■座右の銘:一隅を照らす
■休日の過ごし方:読書、犬の散歩、たまにゴルフ


 

電鉄会社は典型的な内需型産業ですが、御社は海外への進出を推進しています  
日本は人口減時代に入っています。東急沿線の人口も将来的には減っていく可能性が高く、住宅開発などで沿線に住民を呼び込み、運賃収入の増加を図ってきた、これまでの私鉄のビジネスモデルも変わらざるをえません。そこで当社は沿線や日本の枠にとらわれず、外需を取り込むため、経済発展が著しく、人口も増えている東南アジア進出を模索してきました。当社が沿線で培い、得意とする住宅開発など街づくりを海外で行うことにしたのです。すでにベトナム・ホーチミン郊外で分譲マンション開発の実績があります。

 

タイへの進出を決めた理由は何でしょう 
ベトナムのみならず、東南アジア全体の成長性に着目していたので、他の進出先も探していました。ハード以外にビジネス環境も含めたソフト面でのインフラが整っていること、今後も発展が見込めること、東急百貨店や東急建設といったグループ会社がすでに進出しているタイでの機会をうかがっていました。

 

タイでは賃貸住宅を開発していますが、経緯を聞かせてください  
バンコク郊外での事業を模索していました。そうしたところ、サハグループがシラチャにある自社所有の土地でサービスアパートの開発を行おうとしているとの情報を聞き、東急電鉄がプランを出すことに。その内容が評価されまして、東急電鉄が45%を出資しサハグループとの合弁会社「サハ東急」を設立、共に賃貸住宅の開発・運営を行うことになったのです。

 

シラチャは日系企業が多数進出しています
そうです。そこで日本人をターゲットとした賃貸住宅を開発することにしました。サハグループはシラチャに多くの土地を持っています。商業施設の「J―PARK」はサハグループの開発ですし、日本人学校の土地も元々サハグループが寄付をした土地です。当社物件「ハーモニック レジデンス シラチャ」の立地ですが、その日本人学校に隣接し、J―PARKのほかゴルフ練習場やフットサルコートなどを備える「bscセンター」も近くにあります。3241号線と7号線が交差する交通の結節点で、工業団地への通勤もシラチャ中心市街地ほど渋滞に悩まされません。また、約6km離れている中心市街地へもシャトルバスを運行しています。

 

物件の概要はいかがでしょう
総戸数は180戸。2LDK〜3LDK、2階建てのメゾネットでファミリー向けです。5・5haの敷地で、公園や遊歩道も整備。安全面は3mの塀で囲い、セキュリティゲートを設け、自動車と歩行者の動線を分ける歩車分離も徹底しています。フィットネスやプール、日本語デスクを設けたクラブハウスもあります。

 

「日本品質」を訴求されたそうですね
はい。私が所属する東急電鉄の国際事業部だけでなく、住宅関連部署にも協力を仰ぎました。施工は日本で「セキスイハイム」のブランド名で住宅を施工・販売している積水化学工業のタイ現地法人です。鉄骨のボックスに、工場で外壁や住宅設備をほぼすべて取り付けるユニット工法により、工期は当初より半年以上短くなりました。日本人になじみの深いLIXILの高耐久ドアやキッチンも採用しています。玄関はタイル張りで、ここで靴を脱ぎ、室内にあがる様式で、1階は風呂・トイレ別とするなど、日本と変わらない生活を送れるようにしました。一方で2階にユニットバスを設け、寝室からシャワーを浴びられるようにするなど、暑いタイの実情に合わせた工夫もしています。おかげさまで日本人ファミリーに好評です。。

 

今後については
今回の開発はほぼ計画通りにいきましたし、サハグループとの信頼関係も構築することができました。まずはシラチャでほかの開発を目指すことになりますが、いずれはバンコクにも進出したいですし、賃貸のみではなく分譲住宅の開発も行いたい。東急電鉄は電鉄会社ですが、祖業は東京・田園調布の開発です。日本で、沿線で培ってきた開発のDNAをタイでも発揮し、住生活の向上に寄与していきます。

 

海外での勤務が多いそうですね
米国には4回赴任しています。サンフランシスコとサンディエゴではホテルやオフィスの開発・運営、ハワイは別荘やホテル、ゴルフ場などリゾート施設の管理を手がけていました。これからも積極的に新興国の成長を東急電鉄の成長につなげていく所存です。

 


 

編集後記
奇しくも筆者は日本で東急電鉄の取材を数年にわたって行っており、東京・渋谷や二子玉川といった近年の大型開発をつぶさに観察していた。また高齢化が進む、横浜・たまプラーザでの住み替え支援など、同社がかつて開発した住宅地の再生の取り組みも見ている。街づくりの際だけでなく、造った後も発展の工夫を怠らない同社。住宅需要がまだまだ旺盛なタイにおいて、同社の手腕の発揮に今後も注目していきたい。(斯)

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