日通ロジスティクス タイランド

世界日通アジア編として、
新生タイ日通グループに期待してください
マネージングダイレクター 田沢 一裕

《プロフィール》
たざわ かずひろ
■茨城県出身。1986年入社。国内勤務(東京・横浜)と海外勤務を繰り返し、現在に至る。 国内では、主に海運事業の営業を担当。
■愛読書:リラックスしながら、ハラハラできるミステリー、サスペンス、コメディなど。
■愛用の靴:Church’s
■休日の過ごし方:ゴルフ、読書

 


 

昨年は、社名変更という大きな節目でしたね
おかげさまで、日本通運は、全世界42ヵ国、647拠点のグローバルネットワークに広がり、“世界日通”を掲げるまでに成長しました。
ご存知の通り、昨年は、8事業体で構成するタイ日本通運グループの中核企業であるタイ日本通運倉庫が、16年10月3日に「日通ロジスティクス タイランド(日通ロジタイ)」へと社名を変更。従来、事業会社間で重複していた事業を一本化、営業窓口はワンストップに、オペレーション部門の再編成を行いました。

 

具体的な違いを教えてください
これまで重複事業が多かったタイ日通は、航空貨物、引っ越し、小口貨物とし、日通ロジタイが海運、倉庫・ロジスティクス、自動車事業(特にクロスボーダー)を担当します。多少重複する部分もありますが、徐々に住み分けを図っていきます。とはいえ、問い合わせはどちらで受けてもきちんと対応できるワンストップサービスで提供しますので、安心してください。
今後は、ASEAN経済共同体(AEC)の発足を経て進む、製造業の分業、いわゆるASEAN域内でのサプライチェーン網が進みます。そこで、タイ国内にある倉庫(17カ所)や拠点(24カ所)のほか、域内クロスボーダーに適した場所に拠点数を増やし、お客様の面展開に備えていきます。

 

AECで陸ASEANの物流増が期待されています
前述した通り、AEC発足により陸ASEAN、とりわけCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)での製造業の分業が進めば、SS7000(上海〜シンガポール間、約7000km)をはじめとした、都市の頭文字と距離を冠とした越境輸送サービスを面展開する弊社には、一日の長があると自負しています。

 

すでに、タイ〜ラオス〜ベトナム(ハノイ)やタイ〜カンボジア〜ベトナム(ホーチミン)では、積み替え無しで相互乗り入れができるライセンス取得など、先行投資を進めてきました。それと、国際輸送は、もしもの対応力が顧客からの信頼力につながります。その点、事故や遅延が発生した際は、トラックやドライバーを自社で抱える強み(自前主義)が発揮されるでしょう。

 

ただ、AECで注目される陸ASEANでつながる経済回廊の物流ネットーワーク網も、実際の物流量はまだまだなのが現状です。メインは、タイ対マレーシア間の陸送物流で、月間40フィートコンテナで700本動いています。ホアヒンとバンコクを結ぶ道路で、弊社のトレーラーを見ない日はないと思います。

 

一方で、クロスボーダー輸送では、国ごとに通関手続きなどに違いがあります。つまり、ただ単に荷物を運ぶことは誰にでもできますが、確実に安全に、荷を届けることができるかが重要なのです。国境では、担当者によって、オペレーションが全く異なり、立ち往生することもしばしば起きます。弊社では、アジア、ASEANの物流網を構築、サービスを展開しています。蓄積されたノウハウが最大の武器かもしれません。
真の“顧客第一主義”を貫くには、アクシデントの際にどう対応するかにによります。信頼を勝ち得るには、まさに実績と経験を積むことが最短ルートなのです。

 

タイへの赴任は2度目と伺いました
前回は、1997〜2003年まででした。今回は、昨年5月からの赴任です。最初のミッションはトップとして、社名変更に伴い行われた独資化をいかにスムーズに進めるかの旗振り役でした。
十数年ぶりのタイは、物価や住居費の値上がり、人件費の高騰など目を見張る国の発展ぶりに驚きました。同時に、会社組織のオペレーションも、倉庫(拠点)や車両数など、事業と組織規模も拡大し、複雑化(成長)している点に喜びを感じました。それ以上に、前回の赴任時のスタッフが中核メンバーに成長していたため、赴任後すぐに溶け込め、仕事のやりやすさの点では楽させてもらっています。

 

海外畑でもあるそうですね
若い頃にドイツ・ミュンヘンへの海外研修も入れると、オーストリア・ウイーン、イギリス、前回のタイを含めると10年以上の海外経験があります。今回は、タイ日通グループのスムーズな再編がミッションです。今後も、事業及び人員の再編が進むでしょうから、やりがいはあります。今年は、さらなる飛躍を目指し、尽力するのみです。


 

編集後記
昨年は、ASEAN物流元年と言わんばかりに、AEC域内クロスボーダー輸送のニュースが飛び交った。タイ日通グループの協力のもと、経済回廊取材を敢行できたことをまずは御礼申し上げたい。アジアに巨大物流網を展開していることは知っていた。そして、16年12月、日本では 「世界日通、第二章。ASIA」と題した新テレビCMの放送が開始された。まさに、今年は新時代の幕開けだ。田沢氏が言う“やりがい”の意味を感じ取れる取材だった。(北)。

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