PANASONIC FACTORY SOLUTIONS INTEGRATION SYSTEMS (THAILAND)「提案力を左右するのは場数」 近藤 成彦

「提案力を左右するのは場数」

《プロフィール》
マネージングダイレクター
近藤 成彦
こんどう なるひこ
■東京都出身。松下電器産業(現パナソニック)へ入社後、ファクトリーオートメーションの営業に従事し、2014年1月よりタイへ赴任。18年10月より現職。
■座右の銘:朝の来ない夜はない
■尊敬する人:山本五十六
■趣味:ウォーキング
■休日の過ごし方:バンコクを散歩
■バンコク行きつけの店:ちょっと静かなSHAKARIKI432゛
■よく見るウェブサイト:特になし


スマート化とは具体的に何を

一口に「工場のスマート化」と言っても、実際に何をするかは目的や環境によってさまざまです。真っ先に思い浮かぶのは、機械やロボットによるオートメーション化かもしれません。一方、生産数量やロス率といった数値を手書きで管理している企業に対し、データをウェブ上で記帳・保存する仕組みを作るのもスマート化と言えるんです。いわゆるIT化ですね。

 

さらに歩みを進めると、生産設備のIoT化に至ります。生産データを自動で抽出・保存できれば、工場の生産状況をリアルタイムで把握できます。重要なのは、データがすぐに経営者や管理職に共有される点です。これまでは会議や日報などで把握していたので、課題抽出から経営判断までにタイムラグがありました。製造業の競争が激化している現在、マネジメント層がいかにスピーディーに状況把握と経営判断を行うかで、企業の命運が大きく分かれるでしょう。

 

貴社の強みは

生産現場への理解が深いことだと自負しています。我々はグループでファクトリーオートメーション(FA)用の電子部品実装機や溶接機の販売も手掛けており、数多くの工場に足を運び、現場を実際の目で見てきました。この場数が今に活きています。なぜなら、工場スマート化に向けたアプローチは無数にあり、顧客自身も迷っていることが多いため、ソリューションを提供する側から何をすべきか提案する必要があるためです。当社が工場全体や経営などの課題解決支援を手掛けるようになったのは数年前から。従来のハードウェア販売だけでは顧客の要望に応えきれなくなり、ライン管理システムやオペレーション・マネジメントといったソフトウェアの導入や運用にまで事業範囲を広げました。

 

システムは自前のものではなく、必要に応じてさまざまなパートナー企業の製品を活用しています。ソフトを販売するのが我々の目的ではなく、顧客にとって最適なシステムを提案できるというのが当社の強みと言えるかもしれません。

 

足元の引き合いはいかがですか

欧米や中国と比べると、まだまだ東南アジアの工場はスマート化が進んでいません。人件費が上昇しているとは言え、まだまだ諸外国に比べると低水準で、工場スマート化に対する費用対効果が出しにくいためです。ただ、実はこの1〜2年でスマート化ソリューションを求める顧客が増えてきています。人件費は今後も上がるでしょうし、IoT化による工場の効率運営への関心が高まっているようです。来年あたりから、大きな需要期が来るのではないかと考えています。

 

今後の展望は

中国や台湾企業が中国からタイに移管する流れもあり、今後案件は増えると予想しています。当社も優秀なソリューションエンジニアを増やし、この需要に応える必要があります。また、カンボジアやミャンマー、ラオスといったタイ周辺諸国への工場新設も今後加速化する可能性があります。こういった国々でもお役に立てるように準備を進めているところです。人件費が安い国なのでスマート化の需要が薄いと思われるかもしれませんが、技術力など未知数な部分が多く、スマート化により製品品質を安定させたいという声もあります。

 

仕事上で心掛けていることは

いちばん大切なのは、いかに顧客の声を聞き、真摯に対応するかでしょう。私は松下電器産業に入社してから長い間、FA関連機器の営業畑を歩んできました。現場を知らないと課題は見えないということを痛感する毎日でしたね。トラブルが原因で3日間ほどクライアントの工場に泊まり込みで対応した苦い思い出もあります。

 

ただ、そのおかげで本当に多くの場数が踏めました。6年前にタイに赴任し、1年ほど前に現在の役職に就きました。立場が違えどやるべきことは同じです。引き続き、しっかりと顧客の要望に応え、知名度と実績を着実に積み上げることで「スマートファクトリーと言えばパナソニック」と言ってもらえる存在になれればと思っています。

 

スマート化ソリューションを実際に体感できるショールームをマッカサン駅近くに設置

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