山陰合同銀行「あらゆる場所で化学反応の誘発が使命です」

「あらゆる場所で化学反応の誘発が使命です」

《プロフィール》
バンコク駐在員事務所長 山田 裕介
やまだ ゆうすけ
■1975年生まれ。島根県出身。98年大学卒業後、山陰合同銀行入行。島根、鳥取、広島、兵庫の勤務を経て、2015年から現職。
■座右の銘:笑う門には福来る
■愛読書:坂の上の雲
■尊敬する人物:父親
■趣味:ゴルフ、ジョギング、ムエタイ、スキューバダイビング
■バンコクの行きつけの店:ゆう奈、ひな家、KABUKI118
■愛用の腕時計:ガーミン235J
■社用車;フォーチュナー


島根・鳥取の2県にまたがっていますね
主要エリアは鳥取を入れた2県です。現在は、さらに、広島、岡山、兵庫の3県に加え、大阪 と東京でも店舗展開しています。国内で力を注ぐのが1対1のビジネスマッチングです。広域的な店舗ネットワークを生かして山陰の良質な一次産品や製造技術などを山陽、兵庫、大阪のお取引先へご紹介する動きを各地で展開しています。あらゆる可能性を模索する中で生まれる化学反応を誘発するのが役目です。

 

海外でも取引先の支援を
仰るとおりです。現在、中国・大連、上海に次いでタイ・バンコクに事務所を構えています。タイにおけるミッションは、国内の顧客に対する現地の情報収集に加え、進出済顧客の支援ですね。加えて、訪日タイ人の誘客、つまりはインバウンド展開を進める上での現地の窓口的役割です。鳥取は、ゲゲゲの鬼太郎やコナンといった人気漫画の作家の故郷としてアニメコンテンツを売り出し、島根においては、松江城や出雲大社といった歴史文化を全面に押し出すことで、訪日タイ人において、大きな成果が出ています。

 

昨年、開設5周年と伺いました
おかげさまで、2013年10月に開設から丸5周年を迎えました。昨年12月に開いた 「お客様交流会」では、約100人の方にご参加いただきました。私は15年から2代目所長を務めています。振り返れば、赴任時は日系企業の進出ラッシュも落ち着き、逆に不景気の波が押し寄せる直前でした。3年が経過し、現在は自動車を中心にタイからの輸出が好調で、国内消費も高まっています。多くの製造業(顧客)の皆様が景気回復を感じているという話を伺っています。大型進出は減りましたが、市場価値が高まったことで非製造業の進出は続いていますし、設備増強や販路拡大に舵を切る既出企業も多く、18年は全般的に好調な 一年でした。

 

進出の中身が変わったと
そうですね。国内市場がシュリンクしつつある日本の地方で多く見られるのが、経営者の高齢化とその子どもである担い手が都会志向で地元から離れてしまうことで起きる事業継承の問題です。これでは、いくら安定的に運営している企業でも、将来象は描けないでしょう。だからこそ、海外展開が求められているのです。成功例だと、創業明治17年の中村茶舗(お茶屋)が挙げられます。同社も同じような悩みを抱えていましたが、危機感を抱いた経営者が海外への販路開拓へ舵を切り、今では、大手百貨店での販売以外にも、多くの流通ルートを手に入れ、原材料を提供しているほどです。こうした海外での成功は、次世代の担い手(子ども)の意識を変え、今では営業の中核を担うまでに成長したそうです。こうした波及効果は、国内でも現れ、海外展開に必要な優秀な人材が集い、さらにはプロパー社員の成長にもつながるという、まさに化学反応が起こっているそうです。

 

家族にも化学反応が起きたと
そうですね。入行後は広島や大阪を含めた地方の支店勤務が長かったので、自ずと子どもは転校を余儀なくされました。今回は初の海外勤務でしたので、心配は尽きませんでしたが、そこは世界一大きな日本人学校(在校生は2500人以上)です。つまりは世界一、多くの友達ができる学校でもあります。日本全国から集まった友達との付き合いや、JETRO、JICA、トヨタ自動車の工場見学など、日本の地方に住んでいたのでは絶対に会えない人や経験をすることになります。国際都市バンコクは、住んでいるだけで国際感覚が得られるんです。これも化学反応ですね。家族を連れてきて、本当に良かったです。

 

個人的には、事務所の管轄がASEAN全域ともあり、周辺国への出張(情報収集)から、新たな視点の気付きや、視野を広げることで見えていた世界感が大きく変わり、知見の幅の広がりと深みが増し、お客様を支援する上での武器と鎧に磨きがかかったことはお約束できますよ。

 

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