“ミィ” 泰のビジネスを学ぶ BNK48大久保美織の挑戦【第60回】

ミィ:ついにEECも最終回、長かったぁ〜。

長谷場:最初の「①特別業種奨励地区」はEECi※1、EECd※2に加えて、以前説明したウタパオ空港周辺をEECa※3とする3つのエリアを指します。EECaは航空機や航空宇宙関連の産業集積を目指します。

ミィ:宇宙なんて、ロマンですねー。

長谷場:例えばEECdで「データセンター」や「高付加価値ソフトウェアの開発」といったその地区の目的に合った事業を行う場合、タイ投資委員会(BOI)からもらえる通常の法人税の免税期間に「4年間の法人税免税」が追加されます。また、「企業アプリケーションの開発」など事業によっては「2年間の法人税免税+5年間の法人税率半減」を追加される場合があります。

ミィ:へぇ〜。ではデータセンターをEECiで行う場合はどうなんですか?

長谷場:残念ながら、その場合はEECiとして追加で法人税の免税をもらえません。目的と異なるからです。ただし、EECiとEECdはイノベーションとデジタルということなので、対象とする分野が被っています。このため、例えば「組み込みソフトウェア開発」や「ソフトウェアの開発」といった分野であればEECiとEECdのどちらで行っても追加で「4年間の法人税免税」をもらえます。

ミィ:イェイ!

長谷場:次に「②ターゲット産業奨励地区」については地図をご覧ください。ここにある21カ所の工業団地をEEC事務局がリストアップしています。これらの工業団地で対象となる事業を行う場合、1〜2年の法人税免税または5年間の法人税率半減の追加をもらうことができます。

ミィ:エンジニアリング・デザインサービスなら?

長谷場:2年間の法人税免税ですね。最後の
「③EEC内でBOIの投資奨励を受けている工業団地・工業地区」では1年間の法人税免税または3年間の法人税率半減の追加になります。
先ほど、EECiでデータセンターは“EECiとして追加で法人税の免税をもらえない”と説明しましたが、実はこちらの対象となり「3年間の法人税率半減」が追加になります。

ミィ:うーん。EECdでデータセンターを行うと「4年間の法人税免税」なのに、あまり甘くないアメですね・・・。

長谷場:それがタイ政府の狙いなんです。「同じことをするのであれば、より有利な条件をもらえるところに企業は行くだろう。その結果、目指している都市開発ができる」と。

ミィ:免税で企業をコントロールするわけですね。

長谷場:ただし、これらの追加の法人税免税をもらおうとすると、2017年末までのように単にEEC内で事業を行えばいいのではなく、2018年からは条件が付けられました。

ミィ:え〜、また後付。どんな条件ですか?

長谷場:以前、クラスター政策というのがありましたが、その時と同じように「プロジェクトにかかわる従業員の10パーセント以上(または50人以上)の実習生を受け入れなければならない」または「従業員の5パーセント以上(または25人以上)の実習生を受け入れなければならない」といった条件が付けられているんです。

ミィ:人材育成して欲しいですからね。

長谷場:さて、これでEECについては終了!

ミィ:17回、ありがとうございました。

長谷場:次回からはタイで日系企業がビジネスをする際に必要な話題を解説していきます。

 

事の依頼や取材申し込みなど、お問い合わせは日本語で : contact@bnk48.com

この記事をSNSでシェア!

一番上へ戻る