Vol.1 初めての妊娠〜日本で産むか、タイで産むか〜

タイには、高水準の医療と設備をはじめ、日本人が安心して妊娠・出産・育児できる環境が整っています。
この手記はバンコクで二度妊娠し、バムルンラード病院において二度出産した私の経験に基づいた、タイにおける妊娠出産のエピソードです。

妊娠出産は十人十色で、一つとして同じケースはありません。
新型コロナの状況などによって変わっていることもあると思います。
私が妊娠して出産した当時の主観的なお話にはなりますが、少しでもご参考になれば幸いです。
今回は主に、私がタイで初めて妊娠した時、タイで出産すると決意した理由をお伝えします。

初めての妊娠・出産はタイで


一人目の妊娠発覚は、2018年秋。主人の駐在帯同でバンコクにきてから半年が経った頃でした。病院での健康診断の血液検査で妊娠の反応があり、そのまま同病院の産婦人科に案内され、初めての妊婦検診へ…。胎児の心拍を聞かせてもらった時にやっと、「ああ、命を授かったのだ」と、ほろっと涙がこぼれたことと、その時に微笑んでくれたドクターの顔を鮮明に覚えています。

妊娠が分かり、まず考えたのはやはり「日本で産むか、タイで産むか」 ということ。ただでさえ、初めての妊娠出産はわからないことだらけ。それを住んで間もない海外ですることに、一切迷いがないわけではありませんでしたが、割と早い段階で「タイで産もう」 と決意しました。
それは出産に立ち会いたい主人の希望と、私自身が不安よりも興味と海外出産を経験してみたいという気持ちが勝ったからです。

ここで産みたい!と思えるタイの病院


私がタイで産みたいと思えた一番の理由は、タイの病院設備や医療レベルの高さにありました。
私が出産したバムルンラード病院はロビーや診察室、病室などの、各設備はまるでホテルのように手入れが行き届いた綺麗な空間で、日本では限られた病院でしか整っていない4DエコーやLDR室(陣痛から産後の回復まで一貫して過ごす部屋)、NICU(新生児集中治療室)が当然のごとく揃っています。

医療面における大きな特徴は、無痛分娩、自然分娩、そして帝王切開まで、希望の出産方法を選択できることでしょう。
日本では何らかの事情がない限り帝王切開を選びませんが、タイでは占いを非常に大切にしていて、出産も占いで吉とされる日時を選ぶ風習があるため、計画分娩ができる帝王切開が一般的なのです。
そのためドクターの帝王切開の腕も良いのですが、出産中の有事には分娩を帝王切開に切り替えるのも早いと聞きます。

また日本では無痛分娩を選択できる病院が限られており、なおかつ人気が高いため、予約も取りづらいと言われています。
そうなると無痛分娩を希望する場合は、早い段階から病院を選定して予約しなければいけません。

一方こちらの病院だと、バースプランは出産直前まで変更できるほど対応力があります。
バースプランは、妊娠7~8ヶ月の健診時に日本語で記載された記入用紙をもらい、日本語で記入して、次の健診でドクターに提出。
その後、通訳を介して内容を伝えてすり合わせを行います。


余談ですが、私の二人目の出産時は、夫に長女の世話を頼む必要があり、夫の仕事が休みの日に出産したく、無痛分娩での計画出産、もしくは帝王切開での計画出産を検討しました。
結果的に緊急入院、無痛分娩となったのですが、実際の出産については別の機会に詳しく…。
緊急入院で無痛分娩が叶ったのも麻酔科が24時間体制で稼働しているからで、こちらにも病院の対応力が示されています。
病院は日本人へのサポートも厚く、健診や医師・スタッフの説明等には日本語通訳が立ち会ってくれ、コミュニケーションに不安はありません(出産の瞬間は通訳の立ち会いはありませんが、前後の説明には通訳が都度LDR室に来てくれました)。
日本人向けの産前の親子教室や産後の育児セミナーなども病院が開催してくれるのもありがたかったです。
シャトルバスサービスもあるし、タクシーも安価なので通院しやすく、自宅からほど近いところにこのような国際基準の病院があるなんて、とても恵まれた環境だったと思います。

産後の生活を考える


もちろん、タイでの出産、というより海外での出産には考えなければならない面もあります。
出産・退院後の生活について。ここが海外出産をするかどうかの一番の分かれ道でしょう。
特に現在の新型コロナ禍において、海外にいながら夫以外の家族の協力を得ることは非常に難しいです。
そればかりか、日本の家族にいつ会えるのかもわかりません。

私も妊娠期を通じて体調が安定せず、喜びと同じくらい大きな不安も常に付きまとっていましたが、夫やタイで出会った友人、そして画面越しの日本の家族や友人にどれだけ助けられたことか…
妊娠・出産・育児はわからないこと、思い通りにならないことばかりで、誰かを頼りたいこともたくさんあります。

家事と育児の両立がうまくいかないことももちろんです。
赤ちゃんはかわいいけれど、何をしても泣き止んでくれずこちらも泣きたくなることだってあります。
産後は情緒不安定になりがちで、そんな時にそばに頼れる存在がいるかどうか、孤独な気持ちにならないかどうかは、メンタルケアにおいて非常に重要でしょう。

タイにおいては、ありがたいことにメイドさんやベビーシッターに依頼して、家事や育児の負担を軽減することも可能です。
私も妊娠を機に、ベビーシッターも可能なメイドさんを紹介してもらいました。
このメイドさんに出会っていなければ、間違いなく二度目の出産をタイでしようとは思えなかったでしょう。

家族のサポートは何にも代えられませんが、妊婦や子どもには特に優しいタイ人の温かさ。
それらに支えられながら送る産後の生活はとても良いものです。

マッサージ大国タイならではの産後の楽しみもあります。ユーファイ(ハーブの力で身体を温めながらハンドマッサージを施す療法)と呼ばれる民間療法の産後ケアは要チェックです。実際に私もお願いしましたが、1日6時間前後の施術を3日間(5日間、7日間のプランもあります)受けて、至福のリフレッシュタイムとなりました。
デトックス効果があり、母乳の出も良くなり、妊娠期から頑張ってきた自分の身体がリセットされていく感覚がなんとも心地良いのです。
ユーファイやマッサージは、タイだと安価で受けられるのが嬉しいポイントだと感じています。

最後に

人生最大のイベントの一つともいえる、妊娠出産。
いろいろな選択肢がある中で、迷うこともたくさんありますが、大切なのは妊婦自身の身体と心の安定ではないでしょうか。
不安な点は自分の目で見て確かめながら、誰かに教えてもらいながら、一番安心できる場所、安心できる方法で妊娠期を過ごし、出産に臨んでほしいと思います。

YUMEKO

在タイ5年目webライター。バンコクで2度の妊娠・出産を経験。アート・トリップ・ファッションと、「日常+カルチャー」をモットーに、ママも子どもも楽しい育児メソッドを模索中。ライフワークは、素敵なホテル・カフェ巡り。大の甘党、アフタヌーンティーが好き。

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