タイ・バンコクの生活で絶対に“忘れてはならない”
害虫&虫除け対策【2024年最新!】

 

年間の平均気温は29℃。高温多湿なモンスーン気候で一年中暑い日が続くタイ。寒さが苦手な人にとっては住みやすい環境ですが、これは生き物にとっても生きやすい環境ということ。

なかでも人の生活圏にあらゆる場所で出没して、不快感や健康被害などの良からぬ影響を及ぼす「害虫」は驚くほど逞しい。凄い生命力と繁殖力を合わせ持つ害虫は、タイ生活を脅かす存在です。

その「害虫」と言っても見た目や病害もさまざま。蚊が媒介となって発症する「デング熱」をはじめ、命に関わる恐ろしい感染症もあります。そのため気候と衛生環境も日本とは異なるタイの害虫対策を心得て、安心・快適な生活環境を整えましょう。

【ご注意】 殺虫剤はタイに来てから購入を◎

日本国内でも多種多様の殺虫剤や虫除けが販売されていますが、蚊やゴキブリなども生態や薬剤への耐性が日本とは異なるため、タイではタイで販売されている薬剤を使用してください。

また、飛行機には薬剤のスプレー缶を持ち込むことが禁止されているため(機内手荷物も預け荷物も)、日本からはスプレー缶を一切持ってくることができないので注意してください。

蚊が媒介となる「デング熱」には最大の注意を!
感染者数は2023年に比べて3倍増!

家族みんなで要警戒
ヤブ蚊【発生シーズン:通年】

現在タイの保健省疾病予防局が常に注意喚起しているのが、熱帯病としてタイ全土で警戒されている「デング熱(DENGUE/BREAK BONE FEVER)」。この感染症はタイだけでなく、世界的に急激な増加傾向です。世界人口の40%で、25億人以上に感染リスクがあるといいます。

タイでは2023年に入ってからのデング熱の猛威は特にすごく、保健省がさらに強化して警戒中。2023年の6月中旬までで合計1万9503人の感染が確認されており、17人が死亡しています。雨季に入ってから感染者数が急増していて、2022年の同時期に感染した数は4.2倍にもなっているようです。2024年の2月には再び保健省が警鐘を鳴らしてますが、南部と中部に住む5〜14歳の子どもに多くの感染者が確認されています。

デング熱はヤブ蚊(主にネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)がデングウイルスを媒介することにより起こる感染症のひとつで、タイでは毎年数十万人が感染。そのうちの100人ほどが命を落としている危険な感染症です。

ボウフラと呼ばれる蚊の幼虫は5〜9月にかけての雨季に発生しやすく、水辺やゴルフ場などでは特に要注意。屋外でのアクティビティには長袖を着用して、虫除けを携帯するといった蚊除け対策は必須です。

そのほか一般的なタイの集合住宅には網戸が基本無いため、家の中に侵入しやすいので注意してください。低層階に住んでいる場合は、蚊取り線香や蚊帳(タイ語で蚊はユン、蚊帳はムン・ガン・ユン)を用いるなどの工夫を講じましょう。デング熱は刺されないことが唯一の予防法です。

 
 

デング熱の症状とは?

  • 2〜7日間の高熱が出る
  • 体の関節が痛くなる
  • 顔が赤くなる
  • 体に小さい赤い斑点が出る
  • 吐き気や嘔吐を繰り返す
  • 腹痛を伴い食欲不振となる

※熱が下がった後でも中毒症になる可能性があるため、上記の症状が現れた場合は直ぐに医療機関の診断を受けてください。

 

お薦めの対策グッズ

オアシス 蚊よけスプレー

持ち運びも簡単で便利な蚊よけスプレー。薄いケース型のスプレーなので、バッグやポケットに入れて携帯できます。効果は最大5時間で、ラベンダーオイルの天然抽出物使用で刺激がありません。防腐剤フリーで、子どもに使っても安心。

@www.earth-th.com

オアシス 蚊よけローション

使いやすく持ち運びに便利な100% 天然成分の蚊よけローション。ベタつかず、皮膚に塗った後はサラサラした感触になります。使って安心なパラベンとシリコンが不使用で、アルコールフリー。蚊よけ効果は最長7時間。

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EARTH蚊取り線香

蚊取り線香は蚊除けの代表的存在。EARTHからはラベンダーなど自然な香りが数種類用意されており、煙が少ない「LOW SMOKE」タイプも販売されています。ヤブ蚊をはじめとした全般の蚊よけに効果があり、蚊取り線香一巻きで約7時間の持続効果です。

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電気蚊除け

コンセントに接続して使う煙の出ない屋内用電気蚊除けです。日本でも以前からよく使われているプレートタイプの他に、液体薬を使用するリキッドタイプがあります。

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虫よけリング

子どもの外遊びや水辺のレジャーにぴったりなのが、日本でも愛用者が多いKINCHOの「KAORI RING」。忌避効果の高い虫よけ香料を配合し、殺虫成分は不使用。お洒落なアクセサリー感覚で身に着けられ、最大12時間効果が続きます。

©www.kincho.co.jp/th

蚊取りラケット

タイ人の家庭に必ず1つは常備されていると言われるのが、蚊やハエを電気のパワーで撃退するラケット。スイッチをいれ、テニスのように虫を目掛けてラケットを振ると、バチッと金属ネットに電気が走る仕組みになっています。BIG−CやLOTUSといったローカルのスーパーなどで購入(100〜150B)できる他、リサイクルショップでも見つけられるはず。日本の家族や友人へ手土産にも喜ばれているようです。

 

もしも、デング熱にかかったら

バンコクに住む日本人の間でも増加傾向にあるデング熱。デングウイルスには1〜4型の4種類があり、1度かかった型には再感染しないものの、他の型に感染すると重症化するリスクが高くなると言われています。一般的には3〜7日の潜伏期間を経て、2〜4割が発症。発熱や頭痛などの諸症状がみられる場合は、かかりつけの内科を受診しましょう。

 

こんな害虫に要注意!
蚊が媒介となる「デング熱」には気をつけて!
ゴルフやレジャーの際には「蟻」にも注意!
対策グッズの紹介も

水と食料が潤沢にあり、気温や湿度も快適そのもの。そんな住人にとって居心地の良い「住まい」は、残念ながら害虫にとっても絶好の「巣みか」でもあるのです。
家の中に「入れない」「増やさない」「刺されない」の三原則を忘れず、日頃から予防と対策を心掛けましょう。

また、自然を生かした観光スポットやゴルフなど、アウトドアでのレジャーに興じる機会も多いのがタイでの暮らし。そこには蚊や蟻などの「厄介者」が多いので要注意。基本は「刺されない」対策をしておくことです!

家族みんなで要警戒
ダニ【発生シーズン:通年】

不衛生にしている室内はもちろんですが、毎日掃除を欠かさない清潔感あふれる室内でもしっかりと住み着いているのがダニ。

ダニは体調が約0.1mmととても小さいので姿は見えないため、実は室内の様々な場所にいます。ファブリック製のソファーやベッドはダニにとって格好の隠れ家です。座った時やベッドに入った時になんとなく痒いような感覚がしたらそれはきっとダニのせい。室内に蚊はいないはずなのに何かに刺されたような跡があればそれもダニのせいでしょう。

また、ペットを飼っている家庭は要注意です。ダニには多くの種類があり、人を刺すものとペットを刺すものとは種類が異なります。ペットに着くダニは人を刺さないことが多いと言われていますが、その死骸や糞が問題。人のアレルギーの原因になったり、人を刺すダニの餌になったりして繁殖の原因になります。

目に見えないダニとはいえ、駆除することをおすすめします。

お薦めの対策グッズ

ダニ取りシート

「ダニ獲りシート」は日本発の製品。専用粘着シートと餌のセットでダニの捕獲に効果があります。薬品を使っていないので安心・安全です。ダニの不安がある場所に設置してください。効果の持続期間は最大3カ月。

「ダニよけシート」は天然エキスでダニを寄せ付けません。ダニからの保護効果が最大6か月持続。真菌の繁殖も抑え、緑茶エキス配合で悪臭を除去します。軽量で使いやすく化学薬品を含まないので、子どもやペットが居ても安心です。

@www.earth-th.com

 

ゴキブリ【発生シーズン:通年】

タイでよく見られるのが、ワモンゴキブリと呼ばれる外来種です。茶褐色で光沢があり、体長は5cm程度。1匹のメスが生涯に産む幼虫の数は700匹以上とも言われ、非常に繁殖力が強いという特徴があります。
前述のような住環境に加え、荷物に付着した卵の繁殖や排水口からの侵入なども見られ、雨季のピークには目を覆いたくなる光景を繰り広げることも……。また、汚染された食品を口にすると嘔吐・下痢などを誘発してしまうため、日頃の徹底した予防対策はもちろん、万が一に備えて殺虫剤の常備を強くお薦めします。

 

お薦めの対策グッズ

噴射型殺虫剤

「ARS JET GOLD」(写真左)は不快な害虫を退治したり部屋への侵入を防ぐため、家庭に1本用意しておくことがオススメ。蚊、アリ、ゴキブリ、ハエ、ダニ、ノミ、這う小さな害虫の駆除に効果的な3つの有効成分を配合しています。ゴキブリに対する残留作用は4週間持続。

「ARS JET TERMITE」(写真右)はシロアリ、アリ、ゴキブリなどに効果的な配合をした殺虫剤です。ステンレス製のロングノズルは耐久性に優れ、隙間にもしっかりと浸透します。シロアリに対する効き目は最大10週間持続。

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置き型駆除剤

エサでゴキブリをおびき寄せ、粘着シートで仕留める駆除剤。タイでは「HOY HOY TRAP-A-ROACH」(写真左)などが有名です。コンパクトな容器で狭い台所や洗面台の隙間にも置ける手軽さがあるものの、最後に死骸を処分しなければならないことはお忘れなく。

同じ仕掛けのネズミ用が「ARS RAT GLUE HOUSE」(写真右)。リサイクルしたプラスチック容器を使用しているので、屋外に仕掛けることもできます。

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ゴルフの際にも要警戒
蟻【発生シーズン:通年】

すごい小さな隙間からも侵入して、人知れず大量発生してしまうのが南米発の外来種・ヒアリです。噛まれるとチクッとした痛みがあり、強い痒みや腫れに、アレルギーを引き起こすこともあります。一般的な対策としてはゴキブリと同様で、お菓子や甘い食べ物を出しっぱなしにせず室内を清潔に保ち、見つけたら駆除剤を使ってください。侵入経路を塗材で塞いでしまうのも一策です。

また、自然の中で生活している蟻にも要注意。特にゴルフ場やビーチに生えている樹木にいる大型のマンゴー蟻(赤い体に強い顎を持つ)は、噛まれると痛いばかりではなくアレルギーやショックなどが重症化することもあるので警戒する必要があります。

 

お薦めの対策グッズ

アリの巣コロリ

“巣ごと全滅・蟻退治”でお馴染みの「アリの巣コロリ」が、タイでも1個50Bほどで購入可能。蟻の通りそうな場所に置いておくだけで、働き蟻・女王蟻・幼虫に効果を発揮します。蟻以外には効かないのでご注意を。

©www.earth-th.com
ハーブスプレー

化学薬剤を使いたくない自然派には、タイ政府推進の「OTOP(一村一品運動)」製品として、中部サムットサコーン県で作られるハーブスプレー「EVICT(イヴィック)」がお薦め。ウコンやコブミカンなど数種のハーブから抽出した天然成分を濃縮し、蟻や虫除け効果を発揮します。全国のOTOPストアの他、オンラインショップで購入可能。250ml入り265B。

©www.evictant.com

 
 

シロアリ【発生シーズン:通年】

見つけてしまったが最後、素人の手ではどうすることもできないシロアリは、バンコク都心の建物でもたびたび取り沙汰されます。築浅物件なら安心かと言えばそうでもなく、高層階でもシロアリ被害に遭ってしまうことがあるのだとか。天井や壁から軋む音がしたら、それがシロアリ発生のサインかもしれません。いずれにせよ、駆除業者の手配が必要になるので、物件のオーナーもしくは仲介した不動産会社に相談するほかありません。
 
 
 

ネズミ【発生シーズン:通年】

バンコク都心部でも、飲食店の多いエリアやゴミが放置された歩道などで度々目撃される、いわゆるドブネズミ。大きなものでは体長30cmにもなり、すばしっこいのが特徴です。雨季にかけてよく繁殖しますが、稀にコンドミニアムやアパート内に侵入してしまうことも……。噛まれると狂犬病を発症するリスクがある他、タイでは年間2000人弱が発症するというレプトスピラ症の恐れもあるため、こちらも自力で対処せず、物件の管理事務所を頼るのがベターです。

 

こぼれ話
実は“お邪魔虫”じゃない「ヤモリ」

外壁に張り付いて「キィ〜」と鳴いていたかと思えば、ドアの隙間をするりとすり抜けて室内に入り込む厄介なタイのヤモリ、その名も“チンチョ”。ただし、「ヤモリ=家守」と書くように、実は虫除けの意味ではとてもありがたい存在。人知れず、小さな虫やゴキブリを捕食してくれているのです。それでも“ビジュアルが無理”“絶対に見たくない……”という方は、市販の忌避剤をお試しあれ。ヤモリが香りを嫌うタマネギを薄く切って室内に吊るす、ニンニクと水を合わせたスプレーを振りかけるといった“ニオイ攻撃”で撃退するのもお薦めです。


「ヤモリ」を寄せ付けないスプレー剤なら!

「ARS LIZARD REPELLENT SPRAY」なら、天然ペパーミントオイル抽出物を配合した薬剤で「ヤモリ」を寄せ付けません。スプレーの効果は最大6週間持続。狭い場所にも噴射しやすいロングノズル付きの便利な2 in 1キャップ。

@www.earth-th.com

 

 

忌避効果のあるタイハーブを上手に取り入れる

ハーブ大国・タイならではの植物の恵みを使って、家庭でも手軽に虫除け対策をすることができます。
サシェとしてティーパックに入れて玄関や窓際などに置くことで、忌避効果を期待できます(虫除けのため殺傷効果はなし)

また、お気に入りの香りやハーブを組み合わせて虫除けスプレーを作ることも。
小さな子どもやペットがいる家庭など、市販品に頼りたくない場合にオススメです。

バジル

香りの成分に鎮静作用、殺菌・抗菌作用もある万能タイプ。蚊やハエが嫌う成分が含まれています。

レモングラス

スーパーで簡単に手に入る、レモンに似た香りのイネ科のハーブ。特に蚊に対して効果があります。

ペパーミント

清涼感のある、少し強い香りが特徴。虫が嫌う成分「メントール」を多く含んでいます。

ライム

虫の嫌いな柑橘系の香りを放ち、中でもマラリア原虫を媒介するハマダラカを寄せ付けない効果があります。(バンコクなど都市部にはマラリアの感染リスクはありません)

ユーカリ

アロマオイルや虫除けスプレーにも使われ、強い殺菌効果・抗炎症作用を期待できます。お湯を張ったカップにオイルを数滴垂らして部屋に常備しておけば、嬉しいリフレッシュ効果も。

タイ・バンコクの住まいと害虫事情
コンドミニアム高層階ではハチの巣に注意

前述のような気候条件に加え、不動産の建築品質、家庭ゴミの分別に関する意識の希薄さなどさまざまな要因が相まって、いわゆる高級物件や高層階でも害虫に遭遇するリスクがあります。とりわけ目撃頻度が高いのはゴキブリです。

家庭でできる対策としては、台所や洗面所といった水回りを清潔に保つ、引っ越しに使ったダンボールはすぐに処分する、エサとなる食べ物を室内に置きっぱなしにしない、ゴキブリが嫌う市販の虫除け(忌避剤)を活用する、などが挙げられますが、タイ生活の必需品であるエアコンの室外機やホースなど侵入経路も多く、まさに“神出鬼没”状態。一度出てしまったら、プロに駆除を依頼するのもひとつの手です。

また、高層階は高層階なりの心配の種も。というのも近年、コンドミニアムの高層階にハチの巣を作る例が増えています。これは日本のタワーマンションでも事例が多く、ちょっとした社会問題にもなっています。もし、バルコニーなどでハチの巣を発見したら、自分では手を出さずにプロに依頼するのがベター。気をつけてください。

在タイ日本人が暮らすコンドミニアムやアパートと呼ばれる賃貸住宅では、1〜2カ月に一度のペースで、専門業者による害虫駆除(ペストコントロール)が行われているのが一般的。駆除には人体やペットに影響の少ない薬剤が使用され、ロビーや通路といった共有エリアの他、各居住室内にも散布可能(費用は無料)。管理事務所で申し込みをできるところがほとんどなので、上手に活用するとよいでしょう。

 

覚えておくと便利なタイ語フレーズ

殺虫剤スプレーはありますか?

มีสเปรย์ฆ่าแมลงไหม(คะ/ครับ?)
ミー・スプレー・カーマレン・マイ・(カ/カップ)?
【殺虫剤=สเปรย์ฆ่าแมลง(カーマレン)】

蚊帳を売っていますか?

มีมุ้งกันยุงขายไหม(คะ/ครับ?)
ミー・ムン・ガン・ユン・カーイ・マイ(カ/カップ)?
【蚊帳=มุ้งกันยุง(ムン・ガン・ユン)】

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