PM2.5による大気汚染状況がわかる便利なアプリ
大気汚染から身を守るために知っておきたい!
【2023〜2024年版!】

ここ数年、バンコクをはじめタイ国内では「PM2.5(微小粒子状物質)」による深刻な大気汚染が問題となっています。

そんな時に便利なのがPM2.5の濃度がわかるスマートフォンアプリ。このアプリを使えば、毎日の大気汚染状況をリアルタイムで確認することができるのでアプリをダウンロードしておくと安心です。

また、PM2.5の濃度がひどい日は、高機能な防じんマスクを着用したり、外出を控えるなどの対策をして、自分の健康を守り安心・安全なタイ生活を送りましょう。

PM2.5とは

PM2.5は大気中に浮遊している直径2.5マイクロメートル(1マイクロメートルは1mmの1000分の1)以下の小さな粒子「微小粒子状物質」のこと。人の髪の毛の直径が約70マイクロメートルなので、その小ささが分かります。

成分は炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、ナトリウム、アルミニウムなど。PM2.5は粒子が非常に細かいため、吸い込んでしまうと気管支や肺の奥まで入りやすく、喘息や気管支炎などの呼吸器系の疾患への影響のほか、肺がんのリスクの上昇や循環器系への影響も懸念されています。


発生原因

©Pixabay

PM2.5の発生源としては、人為的原因や自然由来のもの、または他の汚染物質などから発生するとされています。

  • 自動車の排気ガス
  • 燃焼(物を燃やす、野焼きなど)
  • 気体の化学反応(二酸化硫黄、窒素酸化物、揮発性有機化合物)

どのくらいの濃度で体に悪影響が出るの?

世界保健機関(WHO)をはじめ世界各国では、それぞれPM2.5が一定の基準値を超えると健康に害を与えるレベルと認定しています。


タイが定めるPM2.5環境基準値

タイ:37.5µg/㎥

PM2.5の分布が多い時期のバンコク都内の数値レベルは、1日平均で「100µg/㎥」近くまで達することもあるので注意が必要です。


PM2.5による症状の一例

※個人によって症状は異なります。
※症状がひどい場合は病院の診察を受診してください。

短期的な影響

  • 目:かゆみ、目の充血、まぶたの腫れ、異物感、めやに、流涙など
  • 鼻:鼻水、鼻づまり、くしゃみ
  • 喉:かゆみ、腫れ、声がかれるなど
  • 肌・皮膚:かゆみ、赤み、発疹、じんましんなど
  • 神経・脳:頭痛、頭重感、疲労感、不安感など
  • 呼吸器:咳、痰、喘息、息切れ、呼吸困難、上気道炎など

長期的な影響

  • 呼吸器疾患(気管支炎、喘息、肺炎、気腫など)
  • 肺組織障害
  • 脳卒中
  • 心臓発作

特に注意すべき人

タイでは大気汚染に対してしっかりとした対策を取らなければ、健康被害や病気へのリスクが高まるおそれがあります。また、次の方はより影響を受けやすい可能性があるので普段から健康管理を心がけましょう。

  • 乳幼児
  • 妊婦
  • 高齢者
  • 呼吸器疾患のある方
  • 基礎疾患のある方

分布のひどい時期・AQI(大気質指数)

2023年6月に適用が開始されたタイのPM2.5環境基準値は「1年の平均値が15μg/㎥以下(1立法メートルあたり15マイクログラム以下)」であり、1日の平均値が37.5μg/㎥以下(1立法メートルあたり37.5マイクログラム以下)であること」とされています。

バンコクとその周辺県では、主に10〜4月にPM2.5が発生。特に乾季にあたる12〜2月は大気環境基準を大幅に超過する傾向があり、ひどい時は上空が真っ白になります。

PM2.5が空を覆い、かすんでいるタイの上空


AQI(大気質指数)

大気汚染の程度を0〜500の指数で示す指標。指標が高いほど大気の汚染はひどく、健康に影響を与える可能性も高くなります。

0〜50

良い(Good)

51〜100

普通(Moderate)

101〜150

敏感な人の健康によくない(Unhelthy for Sensitive Groups)

151〜200

健康によくない(Unhelthy)

201〜300

極めて健康によくない(Very Unhelthy)

301〜500

危険(Hazardous)


対策・予防

  • 「IQAir AirVisual」「Air4Thai」などのアプリを使ってAQIを確認する
  • 医療用や産業用の高性能な防じんマスク(N95)を着用する(微粒子捕集効果の高いフィルターを使っているため、PM2.5の吸入を減らす効果がある)
  • 不要不急の外出は控える(難しい場合はPM2.5の濃度が低い時間帯に外出する、長時間の外出や外での運動を避けるなど)
  • うがい、手洗い、着用していた服はすぐに着替えて洗濯する、顔や露出していた肌は洗い流す
  • 家の中に外気が入らないようにする(ドアや窓はすぐに閉めるなど)
  • 洗濯物にもPM2.5は付着するので外干しは控える
  • 空気清浄機を使う


PM2.5のAQI(大気質指数)が分かるアプリ

スマホさえあれば、その日の大気汚染状況をリアルタイムで確認できる便利なスマホアプリ。今回は在タイ日本人やタイ人の利用率の高い「IQAir Air Visual」と「Air4Thai」のほか、日本語に対応しているアプリを紹介します。会員登録せずにアプリをダウンロードするだけで使えるので、ぜひ使ってみましょう。


IQAir Air Visual(日本語対応のアプリ)

世界100カ国以上の都市別に大気汚染状況がわかるモニタリングアプリ。大気質と気象データをリアルタイムに予報するだけでなく、72時間先の大気質指数や大気汚染と天気予報に基づき7日間予報をしてくれる。測定可能な汚染物質は「PM2.5」「オゾン」など計6種類。
※会員登録は不要、以下アイコンからアプリをダウンロードすれば使用可

iOSアプリAndroidアプリ

アプリの特徴

  • 世界100カ国50,000以上の都市に対応
  • 自分の住んでいる国、地域に設定できる
  • 設定した地域の数値はリアルタイムで更新、3時間ごとの数値も表示される
  • 屋内空気質と屋外大気質の比較を表示


過去の大気汚染推移をグラフ(1時間・1日)で見ることができる



「地図」のマークを押すと世界各国の大気質指数をリアルタイムで確認できる



「露出」のマークを押すと今日の露出度(自宅・職場・屋外)の数値がわかる



世界各国の大気質指数の順位をリアルタイムで更新・表示



体調管理アドバイス(その日の数値により内容は変わる)



アプリの詳細

アプリ
IQAir Air Visual(日本語対応のアプリ)

会員登録は不要、下記アイコンからアプリをダウンロード。

iOSアプリAndroidアプリ
WEBサイト https://www.iqair.com/th-en/
対応言語

対応言語:日本語、英語、タイ語ほか17カ国語に対応




Air4Thai

タイ国内(各エリア)のAQI(大気質指数)をリアルタイムで確認できる。測定可能な汚染物質は「PM2.5」、「PM10」「オゾン」など6種類。
※会員登録は不要、以下アイコンからアプリをダウンロードすれば使用可

iOSアプリAndroidアプリ

アプリの特徴

  • タイ国内のみの表示
  • 大気汚染レポートが「6種類の大気汚染報告」もしくは「PM2.5のみ」の選択が可能。選択後に変更したい場合は、Home>メニュー(左上の三本線)>Change Reporting Modeから変更できます。


「MAP」から(指定したエリアの)大気質指数が確認できる。



「LIST」から確認したいエリア(バンコク、タイ北部、タイ東部、タイ東北部、タイ中部、タイ南部)を選択できる。



AQI(大気質指数)はリアルタイムで更新。
毎日、色で表示される(青=Very Good、緑=Good、黄色=Moderate、オレンジ=Unhelthy、赤=Very Unhelthy)



24時間のAQI指数の変化を表示


アプリの詳細

アプリ
Air4Thai

会員登録は不要、下記アイコンからアプリをダウンロード。

iOSアプリAndroidアプリ
WEBサイト http://air4thai.pcd.go.th/webV3/#/Home
対応言語

タイ語、英語




Air Matters(日本語対応のアプリ)

アプリ
Air Matters(日本語対応のアプリ)

世界180カ国以上の大気汚染情報をリアルタイムで更新・表示。5日間分の予報や大気質指数によって、その日の過ごし方や健康に関するアドバイスが表示される。測定可能な汚染物質は「PM2.5」のほか「オゾン」「二酸化窒素」など5種類。

※会員登録は不要、以下よりアプリをダウンロードすれば使用可能。

iOSアプリAndroidアプリ
対応言語

日本語、英語、タイ語ほか34カ国語に対応




Real-time Air Quality Index(日本語対応のWEBサイト)

概要

バンコクの大気質指数がリアルタイムで確認できる。

測定地はバンコク、ラヨーン、チェンマイ、チェンライの4エリア。測定可能な汚染物質は「PM2.5」のほか「PM10」「オゾン」など6種類。

※スマホ、PCから閲覧可能

WEB https://aqicn.org/city/bangkok/jp/
対応言語

日本語、英語ほか10カ国語対応




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