ロヒンギャ事件に有罪判決

タイ最大の人身売買。タイ元高官に50年の懲役

 


2年前、タイ南部のソンクラー県ケオ山中で発見された難民キャンプ場と大量の遺体。タイ元高官らが関わり、世界中から注目を集めた“ロヒンギャ事件”の裁判が7月19日、バンコク都内の刑事裁判所で行われた。被告人はタイ元高官を含む102人。うち62人に有罪判決が下された。

ロヒンギャ族は、もともとミャンマーに住むイスラム教徒の少数民族だった。だが、仏教徒が国の9割を占めるミャンマー政府は同族を迫害し、1982年に国籍までも剥奪。そんな同族を狙ったのが、人身売買を生業とする密航業者だった。以降、タイに逃亡を図る難民もいたが、そもそもタイは難民条約に加盟しておらず、難民を受け入れる法律もない。同族が逃亡して来ても、不法入国者として拒否せざるをえないのが現状だ。

この事件の中心人物とされるのが、2人。当時サトゥーン県地方自治体の市長だったパッチュバン被告と、タイ王国国内治安維持部隊(ISOC)の第4管区元司令官だったマナット被告だ。パッチュバン被告は、サトゥーン県に密航された同族をキャンプ場に連行、かつ死亡した同族らを埋めるよう指示するなど同キャンプ場の統括者だった。一方、マナット被告は警察が発見した同族らを、法律に則り国外追放するふりをしてキャンプ場に連行。取引額はひとり8〜10万バーツと言われ、総額1,485万バーツを受け取っていた。最終的に、パッチュバン被告は懲役50年という被告人の中でもっとも重い刑罰を科され、マナット被告もそれに次ぐ懲役25年となった。

アメリカ国務省の人身売買に関する年次報告書によると、2014年のタイは「Tier3(基準を満たさず努力不足)」と認定。15年から現在までは「Tier2 WatchList(基準は満たさないが努力は中級、被害者多数、前年より改善が見られないまたは次年以降の改善を約束しない)」と警鐘を鳴らされている。氷山の一角に過ぎない今回の事件だが、改善への契機となることを期待したい。

 

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