首都バンコクの新たな顔

暫定首相「行政・経済は停滞させない」と首都トップを一新

 

どんな時であれ、プラユット暫定首相は国家の船頭としての手を緩めない。
18日、タイの最高意思決定機関である国家平和秩序維持評議会(NCPO)は、同評議会議長(プラユット暫定首相)が強権(暫定憲法44条)を発動させ、スクムパン・バンコク都知事を罷免したと発表。代わりにアサウィン副知事を知事に昇格させる人事を発令した。ご存知の通り、スクムパン氏をめぐっては、約4000万バーツを投じて開催したイルミネーション・イベントに絡んだ請負業者との癒着やその他の汚職疑惑が指摘され、NCPOは8月に知事の職務を一時停止させていた。
国家が悲しみにくれている中での断行に驚いた人も多いだろう。だが、同暫定首相は国王の崩御後、国民に対し「国政は停滞させない」との約束を着実に遂行しているに過ぎない。国家戦略をタイ全土で着実に進めるには、国からの指示を実行する地方自治のリーダーの存在は欠かすことはできず、ましてタイの首都の針路を決める“船長”の存在は大きい。
副知事から昇格したアサウィン新知事は、元警察官僚で階級は大将。現役時代は、民主党のステープ元副首相や同党のアピシット元首相に仕え、現政権では、新憲法草案を審議した国家改革評議会(NRC)の経済担当(メンバー)として選出される御仁だ。スクムパン都政では、都内の屋台規制や戦勝記念塔(ビクトリーモニュメント)周辺のロットゥー(ミニバン)乗り場の移転のほか、公共有地が違法占拠されていた住宅問題の解決など、日本人も良く知る都政策を担当、実行してきた人物である。
最近では、前知事が8月に停職に追い込まれた際、他の副知事が尻込みする中、「誰も承認しないのであれば、俺がする。責任も持つ」と2017年度の都予算執行にサインしたというエピソードがある。
仮に、同氏が承認しなければ、都の予算執行は滞り、都政の停滞により、あらゆる行政サービスに影響を及ぼしたかもしれない。都知事昇格は、政策実行能力と決断力(リーダーシップ)を買われてかはわからない。直接選挙の首長ではないにせよ、世界に冠たる都市・バンコクのトップとしての本懐を果たしてほしい。

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