国民投票・裏ニュース

新憲法草案の賛否を問う国民投票が実施
今回はその裏で起きたニュースを紹介する

 

8月7日、新しい憲法草案の是非を問う国民投票がタイ全土で実施。10日に国民投票の最終集計結果が発表され、賛成61・35%、反対38・65%で、草案は正式に承認されたのはP9のワイズアイでお伝えした通り。
今回は、メディアをにぎわせた国民投票にまつわる“裏ニュース”をお送りする。
ニュースサイト「Now26」によると、7月14日、タイ北部のチェンマイ県で、国民投票を中傷する手紙約2000通が発見された。差出人不明のその手紙には宛名がなく、送付住所のみ。「もし新憲法草案が承認されれば、30バーツで病院治療を受けられる権利を失う。投票前に、メリット、デメリットを自分でしっかりと考えるべきだ」といった内容が書かれていた。
同様の手紙は、ラムパーン県でも3000通ほど見つかった。中には新憲法草案の事実と違うことが書かれているものもあり、警察は捜査を開始。封筒に残された指紋により、同県内に住む33歳の男性を逮捕した。同男性は手紙を封筒に入れたことは認めたが、内容は自分が書いたものではないと主張している。
23日には、東北部シーサケート県の道路沿いに新憲法草案に反対する旗が何本も立てられていると話題に。同県の選挙委員会が調査したところ、その旗は「ガーノー」というコーヒーブランドのもので、県内で行われる同社主催のセミナー参加者に向け、会場への道案内目的で旗を立てていたと判明。「ガーノー」はタイ語で「No Vote(投票するな)」という意味もあるため、勘違いされてしまった……。
また、8月2日に行われたタイ選挙委員会事務局の記者会見では、同委員会のソムチャイ氏が、投票日に使用される新しい投票箱を国民に公開。「不正が起きないように、透明で、かつ丈夫な投票箱にした」と話し、丈夫さを証明するために数度、床に投げ落としたところ、4回目に壊れてしまうハプニングが発生した。同氏は「実際は、こんなに壊れるまで使わないから大丈夫」と苦しい言い訳。それを聞いたプラユット暫定首相が思わず苦笑したという。
シリアスな情報が連日流されるなかで、“古き良き”タイらしいニュースにどこか安心してしまう。

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