彼女の決意と、これからのBNK48

大学進学に向けての受験勉強が加速する高校3年の夏。美織さんは、BNK48のオーディションに応募した。それが人生を大きく左右することになるとは……当時の彼女は知る由もなかった。

おおくぼ みおり
1998年生まれ。茨城県出身。2009年、親の仕事の関係で来タイ。特技は歌。好きな食べ物はせんべい。三姉妹の末っ子。BNK48第1期生。

 

彼女の決意と、これからのBNK48

2016年12月、最終合格者の発表で彼女の名前が呼ばれた。「受かっちゃった……」。当時の気持ちを、彼女は率直にこう振り返る。「驚きとうれしさとともに沸き上がってきたのは、『進路はどうしよう』という不安でした」。 そもそも彼女が応募したきっかけは、アイドルや芸能界への憧れではなく、“好奇心”。たとえ一次審査を通過したとしても、受験が控えているため二次審査には進まないと決めていた。しかし、通過を知った両親に「どうせ最終的には受からないから記念に受けてきなよ(笑)」と薦められ、審査会場に向かったのだそう。

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負けたくない。受かりたい

けれど審査が進むにつれて沸いてきたのは、「負けたくない。受かりたい」という合格への情熱。審査途中では、唯一踊れるというソーラン節をぶっつけ本番で披露。体当たりで挑み、アイドルの権利を手に入れた。ただ、契約書にサインをするまでの期間は、人生で一番悩んだ時期だと彼女は言う。両親からは「やりたいようにやりなさい」と判断は委ねられていた。では、最終的な決め手は……? 「もし断ったら、数年後にBNK48の姿を見た時に絶対に後悔すると思ったんです。後悔したくないから、今はBNK48に全力で取り組もうと決めました」。

 

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悔しくて、号泣・・・

そんな彼女を待ち受けていたのは、容赦なく続くタイ語の歌詞。初めての合格者レッスン当日、与えられた曲が歌えず、その場で号泣したという。タイに8年(当時)も住んでいるのに、歌が一番の特技なのに、全然唄えない……と。 「何回やっても唄えない自分が悔しくて、大泣きしちゃったんです。そんな私に、出会ってすぐのメンバーが『大丈夫だよ』と声をかけてくれて、とても励まされました。選抜メンバーの16人に入っていたので、もうやるしかないと思って。次の日からとにかく必死に、タイ語の歌詞にアルファベット読みのふりがなを書いて、耳からも目からも歌詞を覚えていきました」。  少しずつメンバーとのタイ語でのコミュニケーションも増え、メンバーには「美織、タイ人みたいだね(笑)」と言われることもあるのだとか。彼女は、「みんなから受け入れられているようで素直にうれしい」と、笑顔を見せる。  そうしてあっという間にBNK48としての活動は8カ月が経過。偶然から始まった彼女のアイドル人生だが、その胸には熱い想いが芽生え始めていた―――。

 

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BNK48を知ってほしい

現在、タイにいるBNK48ファンの約8割はAKB48ファンからの流れだと、マネージャーのタムさんは冷静に分析し、彼女自身もそれは十分に理解している。 「そうした人たちを、私たちの力で本物のBNK48ファンにできるかどうかが勝負だと思います。そしてこれからは、AKB48が入り口ではなく、純粋にBNK48を知って、好きになってもらえるようになりたい。BNK48として、もっと高いレベルを目指していきたいです」。  最近、一部のメンバーとBNK48の今後について話す機会があったのだそう。他のメンバーも自分と同じ考えを持ち、グループのことを真剣に考えていたのがうれしかったと彼女は言う。「私が貢献できるのは、日本の人たちにBNK48の良さを発信することだと思うので、まずはタイでの活動の場を増やして、タイ在住のみなさんにアピールできたらと思います」。  美織さんのチャレンジは、まだ始まったばかりだ。

 

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What’s BNK48?

どんなグループなの?
1357名の応募者から選ばれた30人(12〜22歳)が所属。2017年2月メジャーデビュー。3月からは「BNK48 SENPAI」、7月からは「BNK48 SHOW」がチャンネル3で放送中。

これからの予定は?
8月8日に発売したデビューシングル「会いたかった(タイ語版)」に続き、9月には新曲をリリース予定。 9月1〜3日は、サイアムパラゴンで開かれるJAPAN EXPOにも登場!

どこで活動しているの?
☆毎日:エムクオーティエ1階「デジタルスタジオ」で18:00からライブ配信を実施中。 またライブ配信アプリ「Voov(ブーブ)」では日替わりでメンバーが登場! ☆週末:The Mall各店舗でライブ(1日2回)を実施(メンバーは16名)。

 

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contact@bnk48.com

 

取材・文 山形 美郷

 

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