駐在員なら、絶対に知っておきたいISOの基礎知識

 


ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称で、ISOの主な活動は国際的に通用するISO規格を制定することだ
 
何らかの製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしよう」という国際的な基準で、その種類は多く5万種類ほど存在する。また、製品ではなく、組織の品質向上活動や環境活動を管理するための仕組み(マネジメントシステム)についてもISO規格が制定されていて、ここではISOが策定したマネジメントシステムに関する規格について取り上げていく。


 

ISOの基礎知識

主なISO及びマネジメントシステムの種類と目的

「国際間の取引をスムーズにするために共通の基準を決める」。そのような目的を持って定められたISOには、番号によって多くの種類があり、そのうちの「マネジメントシステム」規格は、いわゆる「組織の仕組み」を指す。このISOマネジメントシステムは「うまくいく仕組み」を構築する上で不可欠だ。

 

日本企業がタイでISOを取得するべき理由とは

文書一つを例にとってみても、タイ人と日本人の間には理解度に差があり、例えば技術関連文書にしても、タイ特有の書き方に適応した翻訳でないと理解されないことが多い。そこで、お互いの「理解のための根拠」として重要な役目を担うのがISOだとされている。日本でのやり方をそのままタイに持ち込み、なんとなくやり過ごしていくのではなく、しっかりとタイに根付き理想の事業を展開していく。ISO認証取得は、そのような場面において日本企業と日本人経営者のアドバンテージになり得るツールだと言えるだろう。
 
 

ISO取得をタイ人に任せきりにするのはNG

「ここはタイだからタイ人主体で」「事情をよくわかっているタイ人に自由にやらせたい」。ISOを取得する場合に、日本人は口出ししない方がいいとする経営者も多い。
 

しかし、タイ人に任せきりで体裁だけを整えていくというのは費用の無駄。組織が前進するための方向性などはもちろん経営者が主体となって決めていくことが大切だ。日本人が積極的にコミットし、現状を把握していくことでISOの価値が発揮され、事業を正しい方向へ導けると言える。内部監査などを通じて、経営方針に基づいて活動できているか、目標は管理されているか、コスト削減は出来ているかなどを随時把握する。経営者自らがこのような組織の方針に参加するための重要なツールの一つがISOなのだ。
 
 

ISO認証は3年間を1サイクルとして持続していく

ISOは認証取得したらそのままでいいかというとそうではない。3年間の有効期限があり、ISOのマネジメントシステムを継続的に活用するにはきちんと運用できているかを審査する必要がある。
 
ISO認証は、まず取得から1年後と2年後に「維持審査」があり、この時点で持続的に動いているかをチェック。さらに3年目には「更新審査」が行われる。つまり、ISO認証は3年更新になっていて、3年間を1サイクルとしながら繰り返して維持していくことになる。この1サイクルの間に実施される「定期審査」や「更新審査」もとより、自社内で行う内部監査も重要な項目だ。監査を通じて修正すべき点が見つかれば是正し、予防が必要となれば予防処置が必要になってくる。
 
以上のことから、ISO認証は取得時にだけコストがかかると思われがちだが、定期的な更新に伴ってコストが発生することも知っておかなければならない。
 

 

ISO認証マネジメントシステムの代表例

【ISO9001】品質マネジメントシステム

組織が方針・目標を定めてそれを達成するための認証で、あらゆる組織に適用可能な一番基本のシステム。サービス業や行政分野での認証取得が進んできていて、BOI認定企業なら2年以内に取得必須。
 

【ISO14001】環境マネジメントシステム

「持続可能な発展」をテーマに、組織の環境パフォーマンスの向上に役立つ規格。特にサプライチェーンの中で要求されることが多く、ライフサイクルを考えた環境負荷の低減と順守義務をベースにしている。
 

【ISO45001】労働安全衛生マネジメントシステム

作業の危険源の特定から災害リスクの低減を目的として、ISO9001の品質及びISO14001の環境に続く組織における社会的責任をカバーする労働安全衛生規格。
 

【IATF16949】自動車産業向け品質マネジメントシステム

世界の自動車メーカーが共同で開発。フランス、米国、ドイツ、イタリアの自動車メーカー、部品貿易協会のフォーラムなどが品質システム要求整合化のために活動しているIATF(International Automotive Task Force)によって作成された自動車産業用品質マネジメントシステム。自動車部品を生産する組織はそのサプライチェーンを通して取得が迫られる規格だ。
 

【ISO10002】苦情対応マネジメントシステム

顧客苦情をシステムで対応するマネジメントシステム。最近はソーシャルメディアの発達で悪い情報等が瞬時に伝わってしまうので、このシステムを利用して備える。
 

【R2】(Responsible Recycling:リサイクル認証)

電気・電子機器のリサイクル事業における環境、労働安全及びセキュリティに関する規格が認証可能になり「責任あるリサイクリング、R2」として発行された。
 

【AS9100】航空宇宙産業向け規格

航空宇宙産業向けの規格。ボーイング社やゼネラルエレクトリック社の航空機エンジン等航空機の部品を生産する組織には認証取得は必須。
 

【ISO13485】医療機器の品質マネジメントシステム

医療機器産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格。日本を含む世界各国の医療機器に関する規制において、品質管理手法のベースとして採用されている。対象となる組織は、医療機器・体外診断用医薬品のライフサイクル(設計・開発、製造、保管、配送、据付け、附帯サービスなど)に関与している組織など。対象となる製品としては、各国で指定されている医療機器および体外診断用医薬品(埋込み医療機器を含む)や、これらの製品に組み込まれる部品・材料・素材など。
 

【GMP HACCP】適正製造規範

食品を製造・加工・包装する組織がまず適用しなければならない基本規格。GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造規範)、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害要因分析重要管理点)の管理を中心にシステムを構築する。肌につける、口につける化粧品ではISO22716として化粧品GMPが発行される。
 

【FSSC22000】食品安全システム

大手食品メーカーや小売との取引条件となるケースが増えている食品安全規格であるISO 22000を、追加要求事項で補強した食品安全マネジメントシステムに関する国際規格。GFSI(Global Food Safety Initiative)によってベンチマーク規格の一つとして承認されている。包括的なサプライヤー管理を目指す食品メーカーにはこのスキームが要求される。

タイでも確実に広がる認証取得の流れ
ISOを知っておくべき必要性

 
近年、組織は事業を通じて利益を追求するだけではなく、顧客の要求を満たす品質を安定供給できる体制を整えているか、環境配慮は行き届いているか、情報セキュリティは万全かなど、多岐にわたる会社の在り方を問われるようになってきた。
 
こうした課題を解決する有効手段として世界的に注目されているのが、品質マネジメントシステム(ISO9001)や環境マネジメントシステム(ISO14001)をはじめとしたマネジメントシステムの国際規格なのである。
 
そんな流れはタイでも広がっていて、今やISO認証がないと新規取引に参入できない場合もあるので注意が必要だ。また、事業継続マネジメントシステムや社会的責任に関する規格(ISO26000)への関心も高まり、マネジメントシステム審査登録制度 (第三者認証制度) はますます重要性を増していると言える。
 

 

ISO取得のプロセス

 


1. ISO取得の目的を定める

例えば製造業なら「モノづくりの手順」「顧客対応に関するルール」などに関して、「自社ではこうする!」といった目標を定める。また、ISO認証取得には、種類によって6ヶ月〜12ヶ月を要する。


2. ISO審査登録機関に依頼

ISOの規格をベースに構築した仕組みを審査するのがISO審査登録機関。審査会社や登録会社などとも呼ばれるが、正確な名称は「ISO審査登録機関」となる。そのような専門の審査登録機関と契約し、目的を達成するための仕組みを構築。組織・経営、人材、設備、製造、営業、支援業務などをまとめてISO審査登録機関が確認する。


3. 認証登録審査

ISO審査登録機関が認証登録審査を行う。規格に沿ってシステムが構築されているかを「ステージ1審査」 「ステージ2審査」 を通じて審査。不適合であれば是正していく。是正した内容が認められるとISO審査登録機関から認証登録推薦され、認定機関による判定を待つ。


4. 登録の推薦・判定

タイではISO認定機関となるNAC(National Accreditation Council)がISO認証登録の可否を判定する。
【認定機関とは】
認定機関とは、ISO(国際標準化機構)及びIEC(国際電機標準会議)で決められた基準およびガイダンスに基づき、そのISO審査登録機関が審査登録を行える能力があるのか審査する機関。合格した機関には認定書を授与し審査の許可を与える。1カ国に1機関存在し、その国におけるISO認証制度の頂点に位置する。


5. 登録証の発行

認証の授与が決定後、登録証を発行。

豊富な実績と経験を持ち、すべて日本語で対応
ISO認証取得・更新を任せる
審査登録機関ならこちらへ!

この記事をSNSでシェア!

PAGE TOP