WiSE単独インタビュー シュートボクシングの絶対女王 RENA

8月12日。シュートボクシング(SB)のパイオニアであり、多くのメディアから引っ張りだこのRENAが「しゃかりき432”」主催のエキシビションマッチに登場した。そんな舞台の当日、ワイズ独占インタビューを敢行。最強女王の原点は? そして強さの秘訣は?

RENA・レーナ

1991年生まれ。大阪府出身。シュートボクサー兼総合格闘家。2003年にSBを始め、06年リングデビュー。15年総合格闘技デビュー。現SB世界女子フライ級王者。シーザージム所属。身長160cm。体重50kg

WEB SITE
https://rena-official.amebaownd.com

 

「今年でデビュー10周年。勝負の年だと思っています」

タイは初めてですか?

  5年ほど前に合宿を兼ねて来たことがあります。トレーナーがタイ人なのでその人に付いてきたんですが、当時は辛いものもパクチーも……とにかくタイ料理全般が苦手で、食に関して苦労しました。タイに来たのに口にするのはジャンクフードばっかり(笑)。けど、ここ最近はタイ料理に目覚めて、今回は前回と違う楽しみがありますね。タイ料理をしっかりと楽しみたいと思います。

— SBを始めたきっかけは?

 4人姉妹の末っ子なんですが、口でも体でもお姉ちゃんたちに勝てなくて。どうにかして倒す方法はないかと考えていた時に、家の近くにSBの道場ができたんです。空手教室もあったんですけど、そこは型だけだったんです。私はとにかく当てたかった(笑)。小学6年生の時に入会しました。

恐怖心はなかった?

 はい。体験レッスンの時に、ジムの先生に「何でもいいから殴りに来ていいよ」と言われて向かっていったんですが、全部当たらなかったんです。それが悔しいんだけど楽しくて、どうにかして当てたいと強く思うようになりました。そこから練習をして少しずつかするようになって、当たるようになって……どんどんのめり込んでいきましたね。

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気さくな人柄で話しやすいRENA選手。取材中は終始笑顔

2年前からMMAに進出

 2015年に拠点を大阪から東京に移し、現在のジムに移籍した直後にRIZINからMMA(総合格闘技)のお話を頂いたのですが、当初は本当にやることになるとは思っていませんでした。でも年末の大舞台に対する周りの期待も大きいし、ここは一回だけ挑戦してみよう! と出場を決めました。ただ、寝技はあるしグローブも素手に近くSBとは似て非なるものなので、とにかく慣れるのに苦労しました。でも本番に勝てたことで、今に至っています。

未知の世界に足を踏み込む怖さはなかった?

  とにかく楽しんでいます。昔は落ち込むこともあったんですが、ここ数年、精神的にも安定してきたのかいい時も悪い時も楽しもうと思えるようになりました。緊張することもほぼないです。今年でデビュー10周年なんですが、やっぱりいろいろな場を経験してきたからでしょうね。それこそ、デビューして1年ほどの時に出場した埼玉スーパーアリーナでの試合は、会場も大きくて「自分がこのリングに立つのか」なんて緊張しちゃった時もあるんですよ。案の定、試合も負けました(笑)。ただ、それが大きな転機になったのか、自分らしくやろうと考えるようになったんです。それまでは、SB(格闘技)の硬派で真面目なイメージでいなきゃいけないっていう自分がいたんです。けど、それは自分らしくないと気づいて。入場曲をノリのいい曲に変えたり、振る舞いも素の自分を出すようになって、そこから変わりましたね。

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鍛えぬかれた身体から繰り出されるキックは破壊力抜群

入場する時も楽しそうです

  入場する時って、「世界の中心に自分がいる」と思うくらい、お客さんの視線が集まる瞬間なんですよね。他には味わえない気持ちよさがあるし、楽しもうと心から思っています。どうせリングに上がった時に試合のスイッチが入るので、集中しなきゃと思うことはありません。メインのジャッジが、リングサイドにいるジャッジ3人それぞれに「OK?」と聞くんですが、それを境に自分の中ではパッとスイッチが入ります。

ツヨかわと言われていますが

  もともとネイルやメイクなど美容に興味があったんです。それに、SBをやっている女性って強そうっていうイメージで見られるじゃないですか。女性らしく見られるためにも、なおさら意識しますね。

 コスチュームにしても、女性らしさは意識します。デビュー当時からBEAMSがスポンサーとして作っているんですが、デザインは私発信で提案させてもらっています。オシャレな人が選ぶブランドですから恐れ多い気持ちが大きいんですが、私生活でもBEAMSを着こなせる女性になりたいなと思っています。

プライベートの自分は?

  完全に怠け者です(笑)。家の中でゆっくりしてます。ただ、どこかに行きたいと思ったら即行動します。中途半端なのが嫌なんですよね。試合の後は1週間休みがあるんですよ。タイミングを見て、宮古島に行きたいと思ってます。毎年行ってるんですよ。何があるわけではないんですが、大好きな場所です。

 

「目の前に道はなかったから、自分で作ってきました」

 

自分自身のスタイルは?

  相手のスタイルや得意技を考えて、自分の戦い方を変えますね。特に、相手の得意技を研究して、それに対して自分はどうしようということを考えます。これまでに多くの試合をしているので、頭の中にはいろんなデータ(パターン)が蓄積されています。「相手がこうしてきたら自分はこうしよう」と試合前に何回もシュミレーションしているので、実際の試合で驚くことはほぼありません。自分のシュミレーション以上のことが起きてパニックになるだけで、シュミレーションをしていれば負けることはないと思います。

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今、戦いたい相手は?

 特にいないです。相手というよりも、自分の中の課題を一つひとつクリアしていくだけだと思っています。これまで女子格闘技の世界は競技人口も少なく、私の前に進むべき道はありませんでした。自分で切り拓いていくしかなかった。悩んで悩んで、自分が信じる方向に進むしかないと思ってやってきました。今は後輩が出来て、その子たちのためにも、出来る限りの道を作ってあげたいなと思っています。「ここまで私がやったんだから、後はよろしく」って(笑)。

人生計画があるのだとか

  そうなんですよ! 聞いてくれますか?(笑)16歳でデビューして、23歳で引退・結婚、26歳で出産って考えていたんですが……気づけば今26歳です。まぁ思うようにはいかないですが(笑)、今はSBとして、総合格闘家として自分が納得できるまでやりたいなと思っています。恋人は……募集中です(笑)。

「ケガ」した時に強いと聞きました

  そうですね。ケガした時は、いつも以上に考えるようになるんですよね。「ケガした分、他の技でカバーしよう」と、戦い方の幅が広がるんですよね。ネガティブになるんじゃなくて、今できることをやると頭を切り替えています。それに、「ケガしているからって舐めるなよ」っていう気持ちが湧き上がってくるんです(笑)。有り難いことに、これまで選手生命に関わるような大きなケガはしてきてないんです。ちょっとした骨折くらいで助かっています。この間、体脂肪や自分の身体機能を細かく測定する機会があったんですけど、驚いたのが、体脂肪を含めて私の身体って日本人女性の平均値みたいで。医師の方からは「普通の人が2030%しか使えていない身体機能を最大限に使えているんだろう」って言われました。それを聞いて、今年の6月から、人生初のウエイトトレーニングを始めました。今まで1回もしたことがなかったんですが、身体機能を高めたらもっと強くなれるだろうと思ってます。

目指すべき場所は?

  個人的に、今年が勝負の年だなと思っています。年末に行われるRIZINの決勝トーナメント出場権をかけた予選が10月にあるんですが、まずはそこをクリアして、RIZINで優勝したい。勝ちにいきます。

今度ぜひ日本で観戦させてください!

  ありがとうございました!

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◎おまけ

RENA選手と編集部M。取材の最後にリング上で記念写真をお願いしたら、チョークスリーパーをかけてくれた(もちろん痛みはなし)。初めてのチョークスリーパーがRENA選手一生の自慢です。

 取材・文 山形 美郷

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