熊本地震、その時タイは

伝えられること。タイでも多くの人や企業が応援している

 

熊本県や大分県では活発な地震活動が続いている。震度7の激しい揺れを観測する地震が起きた今月14日。「その後も余震が続く」と報道されていた16日未明にはマグニチュード7・3のさらなる本震が発生し、熊本県益城町と西原村で震度7の揺れを観測した。いまもなお、地震は続き、安否不明者の捜索と復旧作業中ではあるが、遠く離れたタイについての情報を綴ることをお許しいただきたい。
在京タイ王国大使館によると、地震発生当時、熊本周辺に在留中のタイ人は127人。内訳は熊本市16人、大分県別府市87人、同県湯布院町24人だった。同大使館はすぐにバスをチャーター。タイ航空とも協力して、帰国便の手配をしたという。
また16日、プミポン国王は日本の天皇陛下に対し哀悼の意をお伝えになり、プラユット暫定首相も安倍晋三首相へ「早期の復旧・復興を祈っている。タイはいつでも援助する」とお見舞いを伝えた。
22日現在、タイでは公の募金活動の情報は少ないが、草の根的な支援活動ははじまっている。例えば、タイのタンマガーイ寺院は「日本には別院が10ヵ所以上あり、避難所として開いている」と発表。エカマイにある「Spec Bar」という飲食店では“#Sing For Friends”と題したミニコンサートを開き、集まった売上を日本の熊本県とエクアドルへ寄付する。
さらに、多くの個人や企業がフェイスブックやツイッター上に「Pray for Kumamoto」を合言葉に激励・応援のコメントを寄せ、傷ついた“くまモン”をタイ人が描いたキャラクターが癒やすイラストが多く投稿されている。LINEでは“Support Kumamoto”のタイトルで、支援スタンプが30バーツで販売され、売上は日本の赤十字社に渡される。そのほか、直接的に義援金を送りたければ、サイアム商業銀行(SCB)でも受け付けている。
熊本地震は、現在もなお予断を許さない状況にあり、帰宅できず避難所暮らしや車中泊を余儀なくされている人は10万人以上に及んでいるという。
2011年の東日本大震災。当時、地震後の被災地を訪れたが、現場を目の当たりし、天を仰ぐしかできなかった。現在も捜索・復旧が続く熊本地震。着実に支援の輪は世界に広がっている。

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