アマタ・コーポレーション

タイ最大の工業団地開発・運営会社
AMATA CEO ウイクロム・クロマディット

《プロフィール》
1956年生まれ。カーンチャナブリー県出身。台湾大学機械工学科卒業後に帰国、75年に貿易商社を設立、89年アマタ・コーポレーション設立。自身の半生を描いた小説「Be better man」がベストセラーとなり、テレビドラマ化される。


 

AEC発足による
最大の効果は“人材流動”

—反政府デモの長期化で、外資系企業の投資が先送りなど影響もでていると聞きます
昨年(2013年)を振り返ると、年初に期待した業績結果を残すことはできませんでした。当初、13年はAEC(ASEAN経済共同体)への発足(15年)に向けて、さらなる外資系企業の投資が進み、なかでも日系企業のタイ進出が増えると期待を抱いていましたが、予想を下回る結果となり非常に残念でした。ただ、長引くデモによる影響は、投資家に対してマイナスイメージを抱かせていますが、すべてがストップするほどではありません。現状は軽微な影響に留まっています。

—業績への影響は何が原因?
最も大きな要因は洪水です。弊社が運営するアマタナコン工業団地は2011年の大洪水での被害を免れ、洪水リスクが低いとされていました。ところが、13年10月、台風による大雨などで洪水被害が拡大し、団地内の主要道路や工場敷地が一部冠水しました。報道では、団地内の200ヵ所の工場が冠水と流されましたが、実際は2ヵ所の工場だけです。
確かに道路は、25〜30センチ程度の冠水被害を出しましたが、ほとんどの工場で被害はなく、操業を停止した工場も従業員の通勤や物流への支障を考えた上でのリスクヘッジでした。

—2011年とは違ったというわけですね
今回の洪水は、11年の年間降雨量に対し、2013年10月の2週間で降った雨が50%も多かったことが原因です。予期せぬ集中豪雨により、事前の水害対策を上回ってしまいました。すでに、防水壁の設置やポンプ増設などの新たな対策を打っています。長期的には、排水システム整備や道路のかさ上げなども進めていきます。

—アマタナコン工業団地の約6割が日系企業だと聞きます
弊社が目指すのは単なる工業団地ではありません。団地を一個の都市と考え、敷地内ですべてがまかなえるパーフェクト・シティーです。バンコク(約50キロ)、スワンナプーム国際空港(約40キロ)、レムチャバン港(約50キロ)など物流拠点としての立地条件は抜群です。当然、企業の安定的な生産活動を補うため、発電所、水処理、天然ガス供給といったエネルギーインフラから、防水壁や排水ポンプの設置など、災害対策も整備しています。

海外にも工業団地を建設していると聞きます
ベトナム(人口9000万人)とミャンマー(同6000万人)に進出しています。タイに比べ賃金が安い両国は、新たな生産拠点として注目されていますし、太平洋側のベトナムから物資を調達して、タイの生産工場で造り、インド洋側のミャンマーから中東諸国へ輸出することも想定できます。

—AEC発足(2015年)を見据えているということですね
順調に行けば、来年に発足する予定です。なかでも期待されるのが労働力の流入です。タイはミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナムといった近隣諸国に比べ賃金は高く、多くの人が仕事を求め流入してくることが予想されます。
現在、タイの人口は約6500万人ですが、近隣諸国の人口を足すと約2億人となり、タイの労働力不足は解消されると思います。また、医学、工学、理学といった高等教育(大学)を受けた人材の流入が増加し、優柔な人材を確保することができれば、会社全体の生産性も上がるでしょう。
さらに期待されるのが、経営者(投資家)や研究者といったハイレベルな人材です。東アジアの自由貿易協定「ASEAN+6」が「ASEAN+9」へと拡大し、多くの規制が緩和されました。今後は、製造業にとどまらず研究機関や会計監査といったハイレベルな専門企業も増えます。

 

首都機能を移転し、
世界に誇るエコタウンを推進

—これまで外資系企業はASEANでビジネスを展開する上で、ヘッドクォーターをシンガポールに設置していました
シンガポールは、早くから政府主導型による徹底的な外資導入政策を進めてきました。例えば、外資企業の誘致のために産業インフラといったハード面の整備はもちろん、ソフト面として税制面での優遇施策を力強く推進することで、外国資本が入りやすい環境を整えてきたという歴史があります。
タイでも、AECを見据えて、法律規制の緩和や税金面での優遇策を打ち出し、企業誘致を図っています。最近では、シンガポール以上にタイにヘッドクォーターを設置した企業の方が、業績拡大が著しいという結果もあり、またタイ証券取引所の株式売買代金がシンガポールの証券取引所を抜く市場までに成長しています。

—AEC発足を前に、タイの交通インフラの脆弱さが課題と言われています
ASEAN域内では、タイの道路インフラ網は最も発達しています。首都バンコクは230年という長い歴史を誇り、政府関連機関が集約され、都市計画に沿った社会資本整備が進められている都市です。一方で、ご存知の通り、バンコクは世界的な渋滞都市でもあります。通常、大都市の道路網は面積に占める割合が25%以上あるべきですが、バンコクは11%です。将来的には、政府機関を郊外へ分散させ、渋滞を緩和させることが必要ですね。今後は、南北回廊と東西回廊を高速道路網でつなげる整備が進んでいきます。

—日本でも首都機能移転計画があります
ミャンマーは、旧首都のヤンゴンを港湾都市として再整備し、ヤンゴンから北に400キロ弱のネピドーに首都機能を移しました。タイもミャンマーを真似するべきです。大都市バンコクを再整備するにはあまりにも時間とコストがかかります。政府関連施設や教育機関といった首都機能だけでも移転すれば、人口の30〜40%が移住することになるでしょう。
首都機能を集約した、緑溢れるクリーンなエコタウンとして世界に誇れる都市環境を整えるべきです。

—タイの将来性を感じますね
おかげ様で、弊社の工業団地には300社を超える日本企業が進出しています。今後も日系企業とのパートナーシップを結び、互いに学び、そして成長していきたいですね。

 

アマタ・コーポレーション(Amata Corporation: 略称AMATA)
タイの工業団地開発会社。1989年に設立、97年SET(タイ証券取引所)に上場。タイにおいて、工業団地開発・運営の最大手。国内ではアマタナコン工業団地、アマタシティ工業団地を開発・運営。

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