SINGHA

シンハー・ブランドを世界レベルに
副社長 ジュティナン・ピロムパックディー

《プロフィール》
1957年生まれ。米国ボストン大学経済学部卒。1982年入社、元上院議員。現在は、タイ空手連盟会長、タイ・パラリンピック委員会会長などを歴任。米国留学時代から空手を習い始め、87、89年のSEAゲームではタイ国空手チームのコーチを務める。空手松濤館流のタイ支部設立者でもある。


 

シンハーは、アジアンビール代表として
グローバルプレーヤーを目指します

—2013年は、創業80周年ということですが。
ご存知かもしれませんが、80周年を記念し、英サッカー・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドやチェルシーを招致して親善試合を行いました。多くのファンから、「毎年呼んでほしい」という声を頂いていますが、あれだけのビッグクラブを呼ぶのは至難の業です。来年は難しいでしょう。ただし、タイでは数字の上で12周期を大切にしています。ひょっとしたら84周年記念の際に、また実現するかもしれませんね。

—名実ともに、タイNo.1ビールメーカーですね。
実はタイのビール市場の成長は頭打ちになっているのです。理由の一つが、酒類広告への規制やコンビニ・スーパーといった店舗における販売時間の規制などです。今年の夏は猛暑と言われ、清涼飲料の需要が見込まれましたが、1月〜7月のビール市場は前年比1%減と縮小しました。ただ、当社はこうした需要減を見越して戦略が打てたこともあり、前年比3%増の売上を達成し、ここ2〜3ヵ月間のマーケットシェアは74%まで躍進しました。年平均では70%を占めています。

—カールズバーグとの提携は順調ですか?
今回の提携は、カールズバーグの流通ネットワークを通じて、当社の商品をグローバル市場で販売・拡大するのが狙いです。現在は、シンハー、リオ、2002年に提携したアサヒに加え、カールズバーグの4ブランドを生産・販売していますが、ミドルからローエンド向けのリオビールがマーケットの約5割を占めています。これは、タイの消費者が価格にプライオリティを置いているからです。

—足元の業績は好調というわけですね。
半期の売上は約1200億バーツと順調に推移しています。今年はスポーツドリンクの「サンウォ」、ミネラルウォーターの「パーラー」といったノンアルコール飲料を次々に開発・発売しました。いまタイでは健康志向が高まりつつあり、こうした身体に良いことがトレンドになっています。

—事業の柱であるアルコールからノンアルコールへ戦略をシフトさせたということでしょうか?
ノンアルコールは、はじまったばかりですが、将来的には売上全体の35%程度まで高めるつもりです。販売マーケットについては国内のみに限定しています。

—商品が増えたことで、設備投資も進めていると聞きました。
カビンブリーに国内第4工場を新設しています。これは、国内向けのみならず、2015年に発効する予定のASEAN経済共同体(AEC)を見越しての投資です。AECが発足すれば、加盟国10ヵ国の約6億人がマーケットになります。競争激化を予想して備えているわけです。

スポーツ選手を応援するのは
創業時からの伝統

—シンハーを語る上で、マーケティング戦略は外せません。
当社は2010年からマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーの両社と広告宣伝契約を結んでいますが、予想以上の効果で業績に寄与しています。試合ごとの売上数も好調で、PR効果も期待以上です。当社の特色として、創業当初からスポーツや文化へのサポートに力を注いできました。

—プロ・アマ問わずサポートしている印象があります。
先日のバドミントン世界選手権で、最年少優勝をしたメイ選手(ラッシャノック・インタノン)もそうですが、ほかにもテコンドーのオリンピック選手、プロゴルファーなど、タイ人選手が世界で活躍できるよう応援しています。ちなみに、日本でも有名なムエタイのブアカーオ選手は、10月に仙台で試合をする予定です。
海外に関しては、ビジネスマーケティングの要素が強いですね。サッカーもそうですが、米国メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースもサポートしています。日本のJリーグも検討したことがありますが、実現していません。世界中の人々にシンハーを知ってもらうにはスポーツ・スポンサーが効果的です。

—世界のビール市場を狙っているわけですね。
我々の目標は、シンハー・ブランドをインターナショナルレベルに上げることです。ビール市場でいえば、アジアンビールのトップ3入りすることです。ただ、ここに日本のビールは入りません。あくまで、シンハーはタイガー(シンガポール)、サン・ミゲル(フィリピン)、青島(中国)を含めた4ブランドのなかでの競合を描いています。

—シンハーは現在、何番目に位置づけていますか?
難しい質問ですね。生産量ではタイガーとサン・ミゲルに劣っているかもしれません。これはすでにタイガーが中国、ベトナム、ミャンマーに工場を持ち、サン・ミゲルはスペインに生産拠点を持っているからです。現在、当社の海外生産は英国向けにドイツで生産しているのみです。ただ、シンハーは日本のアサヒビールやカールズバーグと提携することで、世界49ヵ国に輸出しています。そのうち15拠点を最重要拠点に選定し、スポーツ以外にもさまざまな活動を応援することで、PRを図っています。将来的には、OEMで生産量を増やすこともありえます。

—飲料以外のビジネス展開はいかがですか?
レストラン(飲食)、不動産事業をはじめていますが、まだまだ本格的な事業とはいえません。ペッブリー通りにある旧在タイ日本大使館跡地を譲り受け、大型複合施設を建設予定です。施設にはショッピングセンター、オフィスのほかに、コンサートやスポーツなどイベント用のエリアも作りたいですね。他にも、チェンライに土地を購入し、エコツーリズムの観光スポットの建設も考えています。

—日本にはシンハービールのファンがたくさんいます。
うれしいですね。ただ、現実的には日本の酒税は高く、現地生産に乗り出しても、いまの状態では採算が合いません。今後グローバル展開を進めるなかで可能となる時期もくるかもしれません。

ブンロード・ブルワリー (Boon Rawd Brewery Co., Ltd.)
プラヤ・ピロムバグディが創業した「ブンロード・ブルワリー」は、1933年タイで初めてビール醸造所を開業した、最も古いビール会社。現在、シンハー、リオ、タイビールなどを生産・販売する。なかでもシンハーは、獅子を語源とし、キャッチコピーは「ビア・シン、ビア・タイ(獅子のビール、タイのビール)」で親しまれている。年間生産量は約10億リットル。1994年には、ドイツの Hartmannsdorf 社と Mittweida 社を買収し、ヨーロッパでの製造・販売も行っている。日本国内へも輸出し、主にタイ料理店で飲むことができる。

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