タイ・バンコクのインターナショナルスクール事情
【2023〜2024年最新版】

バンコク都内には150を超える「インターナショナルスクール(インター校)」があります。カリキュラムや教育方針、校風、学費などは学校によってさまざまなので、「インターってどんな学校?」「(学校の数が多すぎて)どうやって選べばいいの?」「日本人でも入学できるの?」など学校選びに悩む人も多いのでは。今回はインター校を選ぶ基準やポイントなどを解説します。お子さんを通わせたいと考えているパパママはぜひ参考にしてみてください。

タイは日本人が勉強を学びやすい環境

タイは子どもに優しい環境であり、比較的子育てがしやすい国です。インター校でも日本語の授業を設けている学校や、英語が苦手な家族や生徒のために日本人スタッフが常駐している学校があるため、日本人でも安心して通えます。


インターナショナルスクールとは?

©Pixabay

インターナショナルスクールとは主にその国に在住する外国人の子どもたちや母国語が英語ではない現地の子どもたちが英語を学ぶための学校です。教員は外国人で、授業のほとんどが英語です。バンコク都内には幼少期から英語を学べるインター幼稚園、幼稚園から小・中・高一貫のインター校など、さまざまな学校があります。


気になるギモンQ & A!

タイではじめてインター校に通うとなると何をすればいいのかわからないことも多いはず。気になる疑問は事前に解決しておくと安心です。

Q

いつ頃から学校探しを始めればいいの?

A
タイへの赴任や渡航日が決まったら、なるべく早い段階で情報収集をはじめることが大切。遅くとも半年前には始めるのが良いでしょう。 また、入学時には日本で在籍していた学校の成績証明書や通知表などの提出が必要となるため、前もって準備しておく必要があります(詳細は各校へ問い合わせください)。

Q

どうやって学校を探したらいいの?

A
「学校の特色と子どもの特徴に合った学校」を探してみましょう。バンコク都内だけでも150を超えるインター校があるため、ある程度の目的や基準、条件などを絞っておかないとその分時間や労力がかかってしまいます。日本からも学校のサイトを通じて問い合わせてみましょう。
学校の探し方 ※一例
  • 在住者向けの学校情報まとめサイトをチェックする
  • 実際に通っている人の口コミや評判を聞く
  • 気になる学校に直接問い合わせる

Q

インター校の新学期はいつから始まるの?

A
新学期は8月から始まるのが一般的で、2学期制(8〜12月/1〜6月)と3学期制(8〜12月/1〜4月初旬/4〜6月)があります。

Q

英語力がないと入学できないの?

A
英語力が必須ということはありません。ただし、名門校への入学やある程度の年齢(小学校高学年、中学生や高校生)になると、高い英語力が求められる可能性があります(学校によっては入学試験《英語の筆記テストや面接など》が行われることも)。また、保護者は日本人スタッフや日本人教員が在籍していない学校では英語で対応することになるため、少なからず英語力があると安心です。

Q

インタースクールへ通うメリット・デメリットは?

A
まずはインター校に通うことで「英語力」を身につけることができるということ。日本人以外の友人が増え、様々な価値観や多様性を受け入れられて国際感覚を養うことができます。また、将来英語圏への留学を希望する場合、有利になるでしょう。 一方で、インター校の授業は基本的に英語で行われるため、日本語や漢字の読み書きのフォローなど、日本の教育に合わせた勉強が必要になるケースも。また、「インタースクールは学費が高め」という点も少なからず念頭に置いておく必要があります。


学校選びのポイント・基準

海外で通う学校を選ぶといってもどのように比較し、選べば良いか分かりません。次に挙げているポイントや基準を参考に家庭や子どもに合った学校を探しましょう。


カリキュラム

導入されているカリキュラムはアメリカ式、イギリス式(詳細は下図)の学校が多く、国際バカロレア(IB)、シンガポール式、オーストラリア式など色々な教育システムの学校が揃います。

アメリカ式

アメリカ式は日本と同じ小学校6年間、中学校3年間、高校3年間で構成され、大学進学のための受験準備が中心のカリキュラム。卒業証明書が世界各国の大学進学に必要な教育を修了した証明となり、大学の進学を希望する生徒のみSAT(全米共通の学力評価試験)による試験を受けます。

イギリス式

イギリス式はIGCSE(国際中等普通教育証明書)やIB(国際バカロレア)などの単位取得を目的としたカリキュラム。幼稚部、初等部、中高等部、大学進学準備教育過程など、2〜3年で学習段階が区切られ(Key Stage)、必修科目と学習内容が定められているのが特徴。


インター校学年分け対比表

年齢 日本 アメリカ式 イギリス式
3-4 幼稚園 Nursery Nursery
4-5 幼稚園 Pre-K Reception
5-6 幼稚園 Kindergarten Year 1
6-7 小学1年 Grade 1 Year 2
7-8 小学2年 Grade 2 Year 3
8-9 小学3年 Grade 3 Year 4
9-10 小学4年 Grade 4 Year 5
10-11 小学5年 Grade 5 Year 6
11-12 小学6年 Grade 6 Year 7
12-13 中学1年 Grade 7 Year 8
13-14 中学2年 Grade 8 Year 9
14-15 中学3年 Grade 9 Year 10
15-16 高校1年 Grade 10 Year 11
16-17 高校2年 Grade 11 Year 12
17-18 高校3年 Grade 12 Year 13

校風・教育方針

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学校全体の雰囲気は明るく、先生や窓口スタッフの人柄など、日本人が通いやすい学校かどうかチェックしましょう。また、「勉強重視」「スポーツに力を入れている」「勉強も運動もバランス良くのびのびと学べる」など学校ごとで教育方針が異なります。


授業料・諸費用

バンコクにあるインター校の学費は年々高騰しています。入学金のほか、年間の授業料は10万バーツ程度から、なかには100万バーツ近くかかる学校も。その他、送迎代(スクールバス代)や制服代、教材費、毎日のランチ代などが必要です。特に名門校や設備等が充実している学校は学費が高くなる傾向があります。

※詳細は各校へ問い合わせください


学校の規模

©St. Andrews International School Sukhumvit 107

バンコクには2,000人以上の生徒が在籍するインター校がある一方で、100〜500人程度の生徒しか在籍しない学校もあります。
「色んな国籍の生徒が通う学校に通わせたい」「設備が充実している学校に通わせたい」「日本人生徒の割合」など、家族や子どもの考えに合わせて適した学校を選びましょう。


学校のロケーション(通学時間・通学方法)

©Pixabay

バンコクは渋滞がひどく、朝夕の通勤ラッシュ時や雨季の時期などは通常の2〜3倍時間がかかることもあります。郊外の学校へ通うのであれば、「渋滞を避けるため、朝の登校時間が早い」「帰宅時間が読めない」「バスの乗車時間が長い」など子どもへの負担も大きくなります。そのため、学校のロケーション選びや通学時間も重要です。

通学方法
  • スクールバスで通学する
  • 親が送り迎えする
  • 学校が提携しているバス会社に申し込みをする
  • (自宅から近ければ)徒歩や電車(BTS・MRT)を使って通学する

あわせてこちらもチェック!

  1. 長期休みの過ごし方
    タイのインター校は春休み、夏休み、冬休みのほか1週間〜10日間程度の中期休みがあります。夏休みのような長期休みは日本へ一時帰国したり、学校のサマースクールやサマーキャンプへ参加させたりする家庭も多いそう。
    また、日本へ一時帰国している期間だけ「日本の学校へ体験入学させる」というケースもあります。長期休みを利用して日本の学校に通わせたいと考えている場合は、一時帰国する2〜3カ月前に自治体や学校に問い合わせをしてみましょう。
    ※学校によっては受け入れ不可の場合もあります
  2. 卒業前に日本へ帰国することになったら?
    タイから日本へ帰国する場合、帰国生はタイのインター校から日本の学校への編入が可能です(ただし、帰国生の受け入れが可能な学校に限られる)。
    また、卒業前のタイミングで帰国となった場合、タイのEDビザ(教育ビザ)を延長し、卒業するまでタイに滞在するという方法もあります。


入学前に確認しておきたいポイント

入学希望日は学校側に伝えておく!

学校によっては生徒の国籍の偏りをなくすために、定員数(定員枠)を設けていることがあります(例:日本人は1学年5名までなど)。
そのため、新学期がはじまるギリギリに申込みするとウェイティング(空きが出るまで待つ)になってしまう可能性も。入学したいのに入れないということにならないためにも、入学希望日に入れるかどうか確認することをおすすめします。


入学に必要な書類の準備

学校へ入学するためには入学申込書や書類の提出が必要です。
日本で用意する書類もあるので早め早めに行動しましょう。

入学に必要な書類 ※一例
  • 入学申込書(入学する本人の個人情報、保護者情報、学歴などを記入)
  • パスポートのコピー(本人、保護者)
  • ノンイミグラントEDビザ(子ども)、ノンイミグラントOビザ(保護者)
    ※EDビザ、Oビザは日本の在タイ王国大使館での申請が必要です
  • 英文の成績証明書(日本で通っていた学校のもの)
  • 英文の在学証明書(日本で通っていた学校のもの)

日本人教師や日本人スタッフの有無

学校によっては教師や窓口スタッフに日本人が在籍していないことがあります。その場合、英語もしくはタイ語でのやり取りになるため、少しでも不安がある方は日本人スタッフが在籍していることを確認しましょう。


国語(日本語)授業の有無

どの学校でも第二外国語としてタイ語が必修科目として組まれています。そのため、英語とタイ語は自然と身についてきますが、母語である日本語を勉強する時間が減ってしまいます。国語の授業が組まれている学校もありますが、そうでない場合はひらがなやカタカナ、漢字の読み書きなどを家庭学習や塾で習うことが必要です。


英語サポート(ESL)の有無

ほとんどのインター校では英語が得意でない生徒への英語のサポート制度「ESL」が設けられています。ただし、ESL制度がある学校でもサポートが受けられる年齢(学年)が決まっているというケースもあるそうなので事前に確認しましょう。


学校見学や体験入学は参加するべし!

通いたい学校が決まったら、学校見学や体験(トライアル)授業に参加してみましょう。子ども自身が楽しいと思えるような環境を見極めることが大切です。タイへ渡航することが難しい場合はオンライン見学が可能かどうか確認してみてください。


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