Special Interview 国際交流基金xLSEアカデミー

日本の「文化」発信や対話などを通じて世界各国との交流を深める「国際交流基金」(JF)と、有資格日本語教師養成専門校の「LSEアカデミー」(LSE)。共に「日本語の普及」という切り口で国際交流の促進を図る同志として、JFの早川日本語上級専門家と、LSEの鈴木代表、澤山講師、髙田講師の4人が今後の日本語教育について熱く語った。


漫画やアニメ、J-POPで日本語の学習希望者は増加

早川:

当基金は国際交流を目的に「文化芸術交流」「日本語教育」「日本研究・知的交流」の3つの事業を行っています。

特にバンコクでは日本語教育に力を入れており、主に日本語教師向けの研修や教材提供、公的機関との連携などにより、学習者と教育者の双方を支援しているところです。
貴校は日本語教師の養成の際に、当基金が発刊した日本語教材『まるごと 日本のことばと文化』(まるごと)シリーズを活用頂いているということで、本当にありがたく感じています。

鈴木:

ありがとうございます。

従来の学習者は、文法などを体系的に学べる基本書を使ってきました。

確かに日本語を習得する上では今でも効果的なのですが、現在、漫画やアニメ、J-POPなどの影響で日本語を“気軽に”学習したい方がタイでも増えてきています。

『まるごと』はそのような方に最適なツールであると考えています。

ショッピングなどの実際の現場で使える日本語がイラスト付きで紹介されていますから、楽しく学習できるんです。

同時に日本のカルチャーに触れることもできるため、学習者の学ぶ意欲も上がっているように感じます。

澤山:

一昔前は日本の大学や企業に入るために日本語を学んでいる方ばかりでした。

「将来のため」と明確な目標があると頑張れますが、「日本に興味が出てきた」くらいの段階の場合は、学習を続けるためには相当な忍耐力が必要だと思います。

頑張って「ひらがな」を覚えても、次は「カタカナ」がありますし、さらにその先には「漢字」が待ち構えています。

途中で挫折する気持ちも痛いほどわかります。

ところが、『まるごと』を使うと、学習者の勉強への意欲がまるで違うんです。

内容が実践的なので、話せる内容が日々広がるのを実感しているように感じます。

髙田:

教える立場から見ても、最近は「『まるごと』を使って教えてみたい」という日本語教師が多く、弊校では『まるごと』を使った日本語の教え方講座を実施しています。

鈴木:

日本語学習の入口として『まるごと』は優れた教材だと思います。

これをうまく活用すれば、日本語の学習者も増えるのではないでしょうか。

在留資格緩和で在日外国人増活躍の場は日本国内でも拡大

早川:

ありがとうございます。

この『まるごと』には「相互理解」というコンセプトがあります。

この考え方は日本で増え続ける外国人と、それを受け入れる日本人にも必要なものです。

昨年4月には日本在留資格「特定技能」が新設されました。

外国人の日本での受け入れを強化するもので、建設や造船、外食などの業界で外国人が働けるようになりました。

これにより、在日外国人は急激に増えることが予想され、彼らの日本語習得に『まるごと』が役に立てばと考えています。

鈴木:

そのためにも、『まるごと』をうまく活用できる教師を輩出する必要があります。

今後は在日外国人が増えますから、日本国内における日本語教師の需要はさらに高まるでしょう。

日本語教師の方には、慣れない環境で暮らしている在日外国人と日本人との橋渡しの役割を担ってもらいたいですね。

早川:

外国人とのトラブルの大半がコミュニケーション不足で起こりますから、日本語教師の存在はますます重要になるでしょう。

例えば、海外で仕事をしていると、自分自身が外国人になります。

仕事や生活で困ることもありますが、その度に現地の方々が私の助けになってくれるんです。

在日外国人にもそのような支援が必要で、日本語教師は言葉を教えるだけではなく、外国人と受け入れ側を結ぶ存在になりうると期待しています。

日本語教師の魅力とは?タイ在住者はぜひ関心を

鈴木:

日本語教師が増えることで、日本の国際化が進むとも言えそうです。

そのためにも弊校としては、もっともっと日本語教師の魅力を在タイ日本人の皆さまに伝えていきたいですね。

実際に、澤山先生と髙田先生は教師という仕事のどのような部分に惹かれましたか?。

澤山:

私はもともと専業主婦だったのですが、夫の海外赴任を機に勉強を始めて、日本語教師となりました。

子育て中に社会復帰するのは簡単ではないのですが、日本語教師なら可能です。

また、仕事では生徒が難しい日本語を理解したときの嬉しそうな顔を見ると大きなやりがいを感じます。

日本語教育が人生に彩りを与えてくれました。

髙田:

私はこれまで、プライベートレッスンや日本国内のクラス授業で教えてきました。

学習者は上達すると、自律的に学び始めます。

それを実感できた時に、この仕事を選んで良かったと感じます。

現在、学習者の目的が多様化しているので、教師側も柔軟に対応しなければなりませんが、その創意工夫の過程も面白いですね。

澤山:

そしてこの仕事の良いところは、これまで歩んできた人生が仕事に活かせる点です。

例えば、タイに住んでいる方なら外国人の立場で「言葉が通じないストレス」に共感し、学習者の悩みに寄り添うことができます。

鈴木:

澤山先生が言うように、海外在住経験を持った方は共感力が高いと思います。

その共感力を日本語教育に活かして頂きたいという気持ちで、弊校では海外在住者向けの日本語教師養成講座を開設しております。

在タイ日本人でこの仕事に興味を持った方がいれば、資格取得に向けチャレンジして頂きたいですね。


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