【タイローカル10大ニュース・2015】

「バンコク爆弾テロ」「ロヒンギャ族の人身売買」ーー。重大ニュースが、紙面をにぎわせた2015年。WiSE編集部が選ぶ今年の10大ニュースを発表!

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①バンコク爆弾テロ事件

8月17、18日、バンコク都心の観光名所「エラワン廟」とチャオプラヤー川のサトーン船着場の水路の2ヵ所で爆弾が爆発。邦人1人を含む約150人が死傷する連続爆弾テロ事件が発生した。警察は、組織的な犯行と断定し、実行犯のうち2人を逮捕。国外へ逃亡したとされる首謀者の行方を追っている。にもかかわらず、事件から2ヵ月後には、捜査終結宣言を発表した。


 

②ウイグル族を強制送還

7月、タイ暫定政権は、ソンクラー県の国境で中国籍のウイグル族341人を中国やトルコへ強制送還した。すると、7月9日、タイ政府の対応に抗議するトルコ人のデモ隊がトルコ・イスタンブールにあるタイ大使館を取り囲んだ。米外務省のジョン・カービー報道官は「難民が望むところに行く権利は国際法律上、誰でも知っていること。しかし、タイは難民を中国に追い返した。これは認められない」とタイ政府を非難。トルコ政府もタイを批判する声明を出した。一方、中国は「タイは正しい。なかには難民ではなく、テロリストもいた。送り返すのが当然。タイへの非難はおかしい」と擁護した。


 

③苦難のロヒンギャ族

5月1日、タイ南部ソンクラー県サダオ市にあるカオケオ山で、バングラデシュやミャンマーからきたロヒンギャ族難民男女26人の遺体が発見された。警察によると、遺体は人身売買の被害者とみられ、周辺には、被害者らが収容されていた形跡のある建物39棟を発見。他にも、アンダマン海のタイ南部サトゥーン県沖では、同族を乗せた難民船が見つかったが、タイ政府は水や食料の供給はするものの救助や上陸はさせなかった。


 

④Bike for Mom & Bike for Dad

8月16日、シリキット王妃の誕生日を祝う自転車イベント「Bike for Mom」が開催。ワチラーロンコーン皇太子を先頭に約14万6000人が参加し、ギネス認定された。また、同イベントが好評だったため、12月11日には、プミポン国王の誕生を祝して「Bike for Dad」がタイ国内外で行われ、約100万人が参加する国民的イベントとなった。


 

⑤シーゲームで金メダル獲得トップ

6月5日〜16日にシンガポールで開催されたスポーツ大会 「第28回東南アジア競技大会(シーゲーム2015)」で、タイは金メダル獲得数95個で堂々のトップ。メダル獲得総数は247個で2位となった。同大会は、東南アジア諸国連合(ASEAN)10ヵ国と東ティモールが参加し、2年に一度開かれるスポーツの祭典。メダル獲得総数トップは開催国のシンガポール(259個)。


 

⑥サッカー女子W杯に初出場

6月6日〜7月5日、カナダで開催されたサッカー女子ワールドカップ(W杯)に、 タイが男女を通じ初の出場を果たし、グループリーグでは歴史的な初勝利。1勝2敗でグループ3位となったタイだったが、得失点の差で惜しくも決勝トーナメント進出を果たすことはできなかった。


 

⑦4日がかりの携帯4G入札

12月15日から行われていた、携帯電話の第4世代(4G)サービス向け電波の入札が19日、4日間に及ぶ長丁場の末、終了した。落札したのは携帯キャリア大手のトゥルー・コーポレーションと新規参入となるジャスミン・インターナショナル。11月に行われた1回目の入札では、30時間に及ぶ記録的な入札となったが、今回はそれ以上だった。前回落札した、最大手のアドバンスド・インフォ・サービス(AIS)は、来年1月から4Gサービスを提供すると発表している。


 

⑧タイで最も有名な僧侶死去

タイで最も有名な僧侶のルアンポークン・パリスットー氏が5月16日、多臓器不全のため、死去した。92歳。同僧は生前、集めた寄付金で病院や学校を建設。プミポン国王に1億バーツを「国のために」と献上するなど、「ダーンクントットの神様」と呼ばれていた。


 

⑨EUがタイ産水産物にNO

6日、タイ警察のサーニット中将は「過激派組織のイスラム国(IS)と関わりがあると思われる3人のシリア人男性を拘束し、バンコク都内ルンピニ署で取り調べをした」と発表した。取り調べには、在タイロシア大使も加わったという。拘束された3人は、スクンビット周辺で歌手として働く 、アブデュン・アーシス・アールック氏(44)、タイ人女性と結婚し、自営業のナーファウ・ハッサン氏(34)、ムヤッド・ハヤティ氏(29)で、アブデュン氏はビザが切れていたことが判明しただけで、ほか2人はISとの関係性は薄いとし、釈放された。また、東北部チャイヤプーム県でも、地元警察がシリア人男性のハーコフ・カスサービアン氏(57)を拘束するも、ISとの関係性はないとし、釈放されている。一方、ロシアからのISについての情報が公開されたことについて警察は「機密書類を公開した人物を探している。見つかれば処罰されるだろう」と話した。(7、8日=タイラット)


 

⑩有名俳優がデング熱で足切断

有名俳優のポー・ティッサディーさんが、デング熱による合併症で足を切断。これまでデング熱が原因で、これほど病状が悪化することはなかったため、タイ全土に大きな衝撃を与えた。11月2日に入院したポーさんは、大量出血による血液不足から左足が壊死状態となり、さらなる感染拡大を防ぐために切断。11月26日に意識を取り戻し、現在では快方に向かっているという。


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