【タイ進出動向】アデランス、タイをハブに全世界へ輸出 他

経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”をトピックで紹介。今週は、アデランス、タイをハブに全世界へ輸出のニュース他2本。

タイをハブに全世界へ輸出。新工場で一貫生産
アデランス

ラオス「サワンナケート工場」で開かれた開所記念式典の様子(同社発表資料から)

ラオス「サワンナケート工場」で開かれた開所記念式典の様子(同社発表資料から)

 

かつらなど毛髪関連事業を手掛けるアデランス(東京都)は、タイ隣国ラオス中部サワンナケートに自社工場を設立。タイ最大の港湾施設レムチャバン港等を経由して日本や北米、欧州など海外諸国に輸出する一貫生産・流通体制を年内にも確立する。タイでの約30年に渡る生産実績を踏まえ、タイ人の熟練スタッフがラオスに指導員として赴任、人材育成も図る。
新工場は、サワンナケートに開発されたサワン・セノ経済特区(SEZ)内に置いた。床面積は約6800㎡。ここで、かつらのベースの製作から毛植え、仕上げまでの全生産工程を一貫して行うほか、オーダーメイド製品の生産も取り扱う。完成品についてはタイを物流のハブとして世界に輸出する。同様の一貫工場は2002年のフィリピンに次いで2ヵ所目。集約することで、製品の品質向上や生産スケジュール体制の厳格化、生産性上昇などを見込む。毛織物産業を伝統に持つラオス人の手先が器用な点も考慮された。関係者によると、投資総額は約500万ドル。
同社は1986年にタイに進出。東北部ブリーラムの工場で生産を続けてきたが、需要が増したことから2012年にラオスの首都ビエンチャンにある提携工場で委託生産を開始した。今回、さらに生産規模を拡張する必要があると判断。アセアン経済共同体(AEC)の発足で注目を集めるラオスでの一貫生産に踏み切った。ラオスは、タイなどの近隣諸国に比べて、労働賃金が一般工場労働者で半分以下。日系も含め未だ進出工場が少なく、優秀な人材が確保できるため高い生産性が見込めると踏んだ。水資源が豊富で電力不足に陥る可能性が低いことも選択の大きな判断基準となった。順次、生産体制を拡大し、17年末までにはビエンチャン工場も含めた総労働人員を3000人規模とする方針だ。


 

9/9 バンコクに現地法人を設立
パシフィックビジネスコンサルティング

ITコンサルティング企業のパシフィックビジネスコンサルティング(東京都)は9日、バンコクに現地法人を設立し、10月から業務を開始すると発表した。自動車、一般製造業、医療、食品加工業など日系企業向けに、マイクロソフト社製の基幹業務システム「マイクロソフト ダイナミクスNAV/AX」の導入及び保守サービスを提供する。資本金は200万バーツ。事務所をサトーン地区に置く。同社は2001年から同基幹業務システムの導入サポート事業を開始、日系企業の海外進出を支援してきた。海外の現地法人は上海、香港に次いで3ヵ所目。


 

9/10 “とんかつ和幸”がタイ初進出
和幸商事

日本国内に252店舗を展開するとんかつ専門店「とんかつ和幸」は10日、タイ初進出となる伊勢丹バンコク店のお披露目会を開催した。冒頭、和幸商事の社長で現地運営会社Toho Jigyo(Thailand)の代表を兼務する日比生泰宏氏は、「何度となく訪れたタイの方々に、和幸のとんかつを食べてもらいたいと思った」と出店の理由を語った。また、すでにバンコクには多くのとんかつ店がしのぎを削る激戦区であることについては、「我々のクオリティは、十分に戦える」と自信を覗かせた。とんかつ和幸は、創業50年以上のとんかつ専門店。「ご飯・キャベツ・味噌汁のお替わり自由」をはじめた店としても有名。

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