【タイ進出動向】積水化学工業、耐熱配管向け樹脂工場が本格稼働 他

経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”をトピックで紹介。今週は、積水化学工業、耐熱配管向け樹脂工場が本格稼働のニュース他3本。

耐熱配管向け樹脂工場が本格稼働。生産からコンパウンドまでの一貫生産
積水化学工業

【タイ進出動向】積水化学工業、耐熱配管向け樹脂工場が本格稼働 他

積水化学工業(東京都)は、タイ東部ラヨーン県マープタプットのヘマラートイースタン工業団地内で建設を進めてきた塩素化塩化ビニル(CPVC)の樹脂工場とCPVCコンパウンド工場の本格稼働が、このほど始まったことを明らかにした。CPVC樹脂は塩素を付加した特殊な塩化ビニル(PVC)樹脂で、耐熱性・耐久性が必要とされる給湯向け・屋外向けの配管材などの原料として使用される。タイを含む東南アジアやインド、中東などでは建築需要が引き続き旺盛で、工場や住宅などで使用される配管用のパイプを従来の金属製からCPVC製に切り替える動きが広がっている。同社では今後も需要が堅調に推移していくとみて量産体制を採ることにした。
CPVC樹脂に管材等の成形加工に必要な添加剤を加え混練したものがCPVCコンパウンドとなる。一般的なコンパウンド生産ではスズや鉛の化合物が安定剤として使用される。しかし、これらの化合物は取り扱いによっては環境や人体への悪影響が懸念されており、積水グループではスズや鉛を含まないCPVCコンパウンドの研究開発を進めてきた。その結果、品質と量産において十分な体制が構築ができたとして、CPVC樹脂からコンパウンドまでの一貫生産体制をタイの工場で取ることにした。
CPVC樹脂の生産は、積水化学が51%、米ルーブリゾールの子会社が49%出資して設立したS&Lスペシャルティ・ポリマーズ社が担当する。当初の生産能力は年3万トンだが、2016年中に4万トン、将来的には6万トンまで増強可能とする。一方、コンパウンドの生産販売はグループ会社のセキスイ・スペシャルティ・ケミカルズ(タイランド)社が担う。年間の生産能力は2.4万トン。同社ではコンパウンド製品に「Durastream」の新ブランド名を付して、広く市場への浸透を図りたい考えだ。


 

7/13 アルミ製品ライン資金に
日本伸管

アルミ材料の調達・加工等の日本伸管(埼玉県)は13日、海外進出に意欲を持つ中堅・中小企業向け支援のための投資クレジットライン制度を活用し、三菱UFJリースのタイ法人BMULとの間で総額約201万3,000米ドル(約2億5,000万円)のファイナンスリース契約を締結した。同社のタイ法人Nihon Shinkan (Thailand) Co., Ltd.が日系OA機器メーカーなどに向けて製造・販売するアルミ製品事業に必要な設備資金に充てる。BMULが国際協力銀行と民間金融機関との間で締結した貸付契約に基づく強調融資。国際協力銀行の融資分は約136万9,000ドル。


 

7/14 チャオプラヤー川西岸に大型コンド建設
三菱地所レジデンス

三菱地所レジデンス(東京都)は14日までに、住宅販売を手掛けるタイ大手不動産会社AP社と共同で、チャオプラヤー川西岸のトンブリー地区に大規模なコンドミニアム(分譲型マンション)を建設すると発表した。物件名は仮称「Life Pinklao」で、バンコク都バーンプラット区チャランサニットウォンの約8000㎡の敷地に建てる。スタジオタイプから2ベッドルームまで(26~58㎡)総戸数は773戸。来年1月に着工し、18年1月に完成の予定。三菱地所とAP社による共同開発は今回で7件目。大半の物件で販売が完了している。これにより累積供給戸数は6000戸を超える。同地区は地下鉄MRTの延伸が予定されているエリアで、今後の商業開発などが見込まれている。


 

7/15 タイ子会社がヤンゴンに支店開設
住友電設

住友電気工業グループの住友電設(大阪市)は15日までに、タイ連結子会社のタイセムコンがミャンマー・ヤンゴンのサクラタワー内に支店を開設し、営業を開始したと発表した。同社は2011年にもカンボジア支店を置いており、タイをハブとした「タイ・プラスワン」の一貫とみられる。当面はヤンゴン近郊のティラワ経済特区(SEZ)に進出する日系企業向けに工場設備等の営業を行っていく。当初はタイからの出張対応とするが、将来的には日本人駐在員を常駐させる予定。支店のあるサクラタワーには多くの日系企業が入居する。タイセムコンは1985年に設立。

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