【タイ進出動向】電源開発、アユタヤで過去最大のIPP事業を始動 他

経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”をトピックで紹介

アユタヤで過去最大のIPP事業を始動 2号機も年内に営業運転開始へ
電源開発

営業運転を開始したウタイガス火力発電所。手前が1号機、右奥が建設中の2号機。(Jパワー提供)

営業運転を開始したウタイガス火力発電所。手前が1号機、右奥が建設中の2号機。(Jパワー提供)

 

日本最大の卸電気事業者「電源開発」(Jパワー、東京都)がアユタヤ県ウタイ郡で建設を進めていたガス火力発電所「ウタイガス火力発電所」の1号機が1日、営業運転を開始した。出力は80万kW。併設する2号機の建設も予定通り進んでおり、年末には稼動を始める見通しだ。出力は合わせて160万kWに達し、Jパワーがタイで進めてきた過去の発電事業の中でもサラブリー県の「ノンセン・プロジェクト」と並ぶ最大規模の独立発電事業となる。

Jパワーは2007年に実施されたウタイガス火力発電所新規IPP(独立発電事業者)入札で、同事業を落札。タイの現地事業会社GulfJPUT社を通じて開発を進めてきた。同社への出資比率は90%。12年に総額約12億4,700万米ドル相当のプロジェクトファイナンス契約を締結。同年末から工事を実施してきた。発電方式はコンバインドサイクルのガス発電方式。発電した電力は電力購入契約に基づき、全量をタイ発電公団(EGAT)が向こう25年間にわたって購入する。

Jパワーが手がけたタイ国内におけるIPP発電事業は、今回のウタイで合計16件目。これにより総出力合計は2035万kW(持分出力約679万kW)と初めて2000万kWの大台を超えた。同社の海外事業展開はすでに半世紀以上。64の国と地域で実績を持つ。このうち、IPP発電事業については14年2月末現在、7つの国と地域で計35のプロジェクトに参画している。

産業の集積が進むタイ市場では電力不足が喫緊の課題として浮上している。地下資源に乏しく発電の主力を火力に頼っているため、燃料の調達、プラントの建設、管理、売電までトータルとしての事業要請が強い。こうしたこともあって、IPPのほか小規模発電事業者(SPP)など外国資本からの参入も盛んで、日本などの電力事業者や総合商社が各地で建設を進めている。


 

6/1 シンガポール拠点をバンコクに移管
日本ライトン

発光ダイオード(LED)や各種モジュール、電源機器などの輸出入販売を手がける日本ライトン(東京都)は1日、これまで東南アジア市場の拠点としてきたシンガポールオフィスを閉鎖し、営業・統括としての全業務をタイ・バンコクに置く現地法人LITE-ON JAPAN (THAILAND) CO., LTD.に移管すると発表した。顧客の中心である日系企業が多いタイで、手厚いサポートを展開していくのが狙い。シンガポールには1997年に進出。タイオフィスはシンガポール法人の子会社として2006年に開設した。


 

6/2 ザ・モールG施設でTポイントサービス開始
Tポイント・ジャパン

買い物に応じてポイントが貯まるTカード事業を展開するTポイント・ジャパン(東京都)は2日、バンコク都心部で高級百貨店を運営するザ・モール・グループとポイントプログラム契約を締結し、Tカードを使ったポイントサービスをタイで開始したことを明らかにした。サイアム・パラゴン、エンポリアム、エムクオーティエの3店舗で、日本で使用しているTカードが使用できる(エムクオーティエの百貨店売場は当分除外)。利用者は旅行客向けTポイント専用カウンターでカードとレシートを提示してポイントを得る。使用する場合は同カウンターで事前にクーポン券の発券を受ける。


 

6/3 自動車部品向け線材製造拠点を開設
神戸製鋼所

大手鉄鋼メーカーの神戸製作所(神戸市)は3日、タイの鉄筋用棒鋼製造販売業ミルコンスチール社との間で、主に自動車部品向け線材の圧延及び販売を目的とする合弁会社を設立することで合意したと発表した。ミルコン社が昨年買収したタイの線材単圧メーカーに神鋼が資本参加する。自動車メーカーが現地での部品調達を加速させていることに対応した措置。線材を加工しやすいように処理する二次加工拠点は持っていたが、合弁出資により線材の調達から二次加工までの一貫したサプライチェーンの確立が実現する。高品質でタイムリーな製品の供給が可能となる。

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