インバウンドとオリンピック効果

レストランも外国人客の団体で貸切状態
第18回

インバウンドとオリンピック効果

写真・文/吉田一紀

バンコクにいると外国人慣れするというか、自分も外国人の一人であるのを忘れて、その国際色豊かな街で何気なく過ごしている。タイ語に混ざっていろいろな言語が飛び交うのを耳にしても、それをなんとなく流してしまう感じだ。
 今、東京はインバウンドムードの真っただ中だ。とにかく街中で外国人観光客を多く見かけるようになった。ただバンコクの様子に比べるとまだまだその数は少なくて、「あ、外国人がPASMOを使ってる」なんて思ってしまう。自分だって、バンコクで外国人としてラビットカードを使っているのに、東京に帰ってくるとやっぱり“島国の人”に戻ってしまうようだ。
 先日、赤坂の街を歩いていたら、歩道に面した店先を開け放ったビアバーで、大勢の外国人観光客が楽しそうに飲んでいる光景を見かけた。なんだかまるでバンコクの光景のようだった。東京オリンピックが近づくにつれ、きっとこんな光景が当たり前になってくるのだろう。オリンピックというイベントは、東洋の東の果てに住む僕たちを世界に近づけてくれる。おもてなしもいいとは思うが、そんなに気張らずに外国からのお客とコミットできたら素敵だと思う。東京オリンピックは、東京がより成熟したヒップな街になるチャンスなのだ。

この記事をSNSでシェア!

一番上へ戻る