東京が動く、オリンピックが始まる

COREDO日本橋で開催中の「超ふつうじゃない2020展」会場に展示されている巨大なオブジェ
第1回

東京が動く、オリンピックが始まる

写真・文/吉田一紀

1964年の秋、自衛隊のブルーインパルスが東京の空を飛び、五輪の輪を描いていた。まだ幼かった僕は、オリンピックが何なのかよくわからなかったが、自衛隊機が青空にそのシンボリックなマークを作り出す光景を、ぽっかり口を開けて見ていた記憶がある。

 あれから半世紀ほど経つことになる2020年。東京に再びオリンピックがやってくることになった。デザイン構想が二転三転した新国立競技場も、その全貌が見えてきた。僕の事務所が新国立競技場から歩いて数分のロケーションということもあり、 その工事の進捗を見ながら、オリンピック開催までの日程がリアルに近づく様を毎日のように体感している。

 先だって、チケットの販売が行われたが、その抽選では多くの人たちが一喜一憂した。そしてこの7月には東京はもちろんのこと、全国各地で開催一年前イベントも行なわれた。「Tokyo 2020 1 Year to Go!」。来年の7月24日、本当に東京オリンピックは始まるのだ。この東京という街に世界中から観客が訪れ、スポーツの祭典が繰り広げられる。再びあのブルーインパルスが飛ぶのかどうかはわからないが、とにかく東京はまた大きく動き出している。

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