幼稚園から授業料が無償に

無償の授業料12年が、幼稚園〜中学校にスライドか。賛否両論巻き起こる新憲法案

 

3月29日、新憲法案が公開され、話題となったのが「教育項目」。注目を集めた内容とは、無償の授業料の12年間を、これまでの小学校〜高校から幼稚園〜中学校にスライドしようとするもの。
新憲法起草委員会のミーチャイ会長によれば、「子どもが最も成長する時期は2〜5歳までで、その時期の教育が大切。これまで富裕層には可能だったが、貧困層には無理だった」と説明。さらに高校生を対象とした学生ローンや奨学金が多く存在することも挙げ、児童教育の重要性を強調した。
これに呼応するように、チュラロンコーン大学教育学部ソムポン教授は、教育関連に拠出した助成金の内訳に触れ、割合別では小学校39%、中学・高校21%、大学12%、幼稚園8%、職業訓練校3%だと明かし、幼稚園が軽視されている実情を明かす。「その時期は最も脳の発育に向いている時期だが助成金が少ない。今後、税収が増えていくので、そのときに高校も無償にすればいい」と持論を展開。首相府のサンセーン広報は「タイ初の試み。小学校から教育を開始するのでは遅過ぎる」と擁護した。
当然、賛否両論が起きないわけがない。名門高校として知られるトリアムウドム・スックサー校のプリッツ氏はFB上で「幼稚園は高校より大切なのだろうか? 幼稚園に入学しなくても、両親が子どもに勉強を教えることはできる」と新憲法案に真っ向から反論し、“我々の無料の高校を返せ!”と書かれた看板を持った学生らの写真を投稿した。
ちなみにタイでは、ほぼ2人に1人が中学卒業後、専門学校に入り、卒業後はそのまま就職する。そして教育費が無料にもかかわらず、実際には進学しない者も多い。それは勉学が嫌いというわけではなく、貧困を理由に働かなくてならないからだ。就労できる年齢となれば、わざわざ有償の高校に進学という優先順位が落ちるのは明らかだろう。さらに進学率は低くなるという見方もある。
いずれにせよ、8月に行われる新憲法案の世論調査がポイントになる。投票用紙には、賛否以外に意見も記述することができるという。識者や政治家が何を言おうが、当事者は親であり、子どもたち。彼らの声に耳を傾けた後でも、ジャッジは遅くない。

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