警察の賄賂名簿公開

軍政の断行? 掲げたのは腐敗官僚洗浄と人身売買撲滅

 

内務省地方行政局は7日、タイ王国国内治安維持部隊(ISOC)の協力のもと、未成年者の人身売買や売春関与の疑いがあるとして、バンコク都内の風俗店「ナタリー」を強制捜査し、経営者5人と従業員121人を拘束した。同局によると、拘束した従業員の中には、未成年者15人と外国国籍の女性83人が含まれ、そのうち労働許可証を持たない者や、保有する労働許可証の業種が違うなどの理由で改めて逮捕したという。
ただし、今回の事件。表向きは、よくある風俗店の抜き打ち摘発で、未成年者及び外国人の不法就労に絡む人身売買撲滅への取り組みに見える。ところが、同局の真の狙いは「軍政による警察組織の浄化ではないか?」と思えるふしが垣間見える。
先ず、この捜査には警察官が一人も加わっておらず、何より同局は現場で発見された賄賂名簿を見せしめとして、インターネットで公表するという荒業に出たのだ。名簿には、ご丁寧にも警察官や入国管理局職員のほか、バンコク首都圏庁の役人らの名前と賄賂(6000〜7万6000バーツ)の金額がこと細かに明記され、まさにパンドラの箱を開けたがごとくの大摘発劇に発展した。
芋づる式に逮捕者や粛清人事が行われたのは言うまでないが、国家警察庁長官のチャッカティップ大将は「組織内の取り締まり強化を通達した。この事件で警察組織すべてのイメージが悪くなるものでもない」と苦し紛れなコメント。早々に摘発店を管轄するホワイクワン署の署長、次長、刑事課長、捜査取締課長の幹部4人を更迭する異動を発令させると、同店のオーナー及びマネージャーを14の罪状で逮捕するなど、迅速対応で収束を図った。
ただ、報道では摘発店のオーナーがタイ風俗業界の首領(ドン)と呼ばれ、警察組織幹部との癒着といった黒い噂も残るという。拘束・逮捕された外国国籍の女性の多くはミャンマー人だった。今回の件とは関係ないが、同国といえば少数民族「ロヒンギャ」に絡む人身売買問題が記憶に新しい(本誌既報)。本来は法を遵守する行政(警察)が人身売買を黙認、または犯罪行為を見逃していたとなれば、腐敗の根は深そうだ。

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