民主分裂?新党結成も

ダンマリを続ける知事。噂が一人歩き、
デモ指導者のステープ元副首相まで巻き込み、荒れる民主党

民主党内でのスクムパン知事おろしが激しさを増し、思わぬ噂まで出始めた。同党のウィラート氏が、事実上のタイ最高権力機関・国家平和秩序維持評議会(NCPO)に対し、幹部でもあるスクムパン知事の罷免の是非を問う党議開催を願い出たことから端を発した内乱劇。ウィラート氏が「民主党員100人中98人から賛同を得ている」と鼻息荒く打倒を目指すも、渦中の知事は、ダンマリを決め込んでいた。そんな中、インターネット上で、知事に近い消息筋の情報として、同党に影響力を持つステープ元副首相が知事を担ぎ上げ、新党を結成するとの情報が掲載され、波紋を呼んでいる。
ご存知の通り、同元副首相といえば、2013年〜14年5月にかけて、タクシン元首相派インラック政権倒閣を目指し、首都封鎖デモを指揮した張本人。ネット上には、スクムパン知事が新党党首に就任し、メンバーには、同元副首相を筆頭に民主党の幹部経験者ら7〜10人が賛同と書かれている。これに対し、同党のオンアート副党首は「それはありえない。ステープ氏はもう政治の世界には戻らないと言っている」と否定。知事打倒の急先鋒のウィラート氏も「その噂は、知事の後援者らが勝手に作ったデマだ」と強く批判した。
噂が立つには理由がある。1期目を終えた同知事が、党内から「実績がないため、再選は難しいだろう」と言われた際、同知事を後押ししたのが同元副首相だったからだ。結果、史上最高の125万票という
得票数で再選したことは周知の事実。ただ、同元副首相の後援者のエーカナット氏は「先日も会ったが、そんなことは一言も話していない。彼(同元副首相)は、今は自ら設立した財団の活動に専念すると言っている」と否定する通り、同元副首相は、軍事クーデターで政権崩壊後は、出家(現在は還俗)し、政治活動を引退している。
真偽は不明だが、都知事顧問のワサン氏は「そんな話は聞いたことがない。噂については、知事から答える必要はないと言われている」と慎重な姿勢。そして、現在も知事はダンマリを続けている。

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