中国の低迷、タイに飛び火

「天安門事件」以来、GDP成長率が低水準

急成長を続けてきた中国経済に、陰りが見え始めている。世界2位のGDP(国内総生産)を誇る経済大国・中国だが、中国国家統計局は1月21日、2018年のGDP成長率が前年同期を0.4ポイント下回る6.6%になったと発表。米中間の貿易摩擦や、それに伴う中国人民元の下落、国内の公的債務の増加などが主な要因として挙げられている。

この発表を受け、国際通貨基金(IMF)は19年の世界成長率見通しを3.7%(18年8月時点)から3.5%に引き下げることを決定。中国の景気減速が世界経済に及ぼす潜在的な影響と、市場全体の成長鈍化が懸念されている状況だ。

これは中国を最大の貿易相手国とするタイにとっても、対岸の火事ではいられない事態だ。タイ地元メディアによると、国内の全GDPに占める貿易の割合は約7割にも上る。いわばタイ経済の屋台骨を支える輸出業において、中国は2位のアメリカを大きく引き離し、全体の11.9%に当たる総額9,960億バーツ(約3兆円)を計上している。このまま中国経済の冷え込みが深刻化すれば、タイにとっても大きな打撃となることは言うまでもないだろう。

また、タイを訪れる外国人旅行者の3人に1人が中国人という現状から、明るい兆しが見えつつある観光業への影響も懸念される。タイ政府は現在まで、中国など21カ国を対象にビザの無料化延長を行うなど、観光客誘致に取り組んできた。しかし、こうした状況が続けば、プーケットの転覆事故の余波どころでは済まされるはずがない。タイ観光・スポーツ省のウィラサック大臣は、中国人向けのダブルエントリービザの発行や、ビザ無料化の延長といったさらなる起爆剤を政府に求めると言及。同様に、コンドミニアムを購入する外国人の7割が投資目的の中国人富裕層という不動産業界にも、負の連鎖が迫っているという。

大国の下で揺れ動くタイ経済。政府による長期的な舵取りに、期待せざるを得ない。

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