徴兵制に廃止論

反軍政で各党共闘? 若年層からの支持に期待

2014年2月の選挙が憲法裁判所によって、無効と判断されたことで、実質8年ぶりとなるタイ総選挙が、いよいよ3月24日に実施される。選挙戦が本格化する中、各党間で政策論争が起こっている。

中でも大きな議題となっているのが、「徴兵制の廃止」と「軍事費の削減」だ。当然、現政権を握る軍政は反対意向だが、反軍政と軍閥ではない早期民政移管を求める政治家中心の政党が制度の廃止と予算削減を訴えている。最も強気なのが、半軍政の急先鋒であるタクシン派の「タイ貢献党」のスダラット首相候補だ。2月18日、メディア向けのインタビューで同氏は、「2018年のタイ軍事予算2,200億バーツは多すぎる。タイ貢献党が政権を獲得した暁には、国防費を10%削減すると共に、現行の徴兵制を廃止する」と公約を発表。続けて、民主党系の若手活動家らで構成し、半軍政を掲げる「新未来党」のタナトーン党首も「タイの軍人は約33万人いるが、イギリスは19万人、ドイツは17万人ほどだ。タイには軍人が多すぎる」と、高齢化が進む中、国防費を30%削減し、その分を社会福祉費に充てるべきだとした。さらに、「民主党」のアピシット党首は「国防費は削ってもいいと思う。私が政権を担った2010年時には国防費を削ったことがある」と実績を掲げ、削減を名言したそうだ。

ただし、残念なのが現軍政への忖度なのか、3人とも徴兵制の廃止と軍事費の削減は、「あくまで他の政策に予算を充てる必要性があるためで、現軍政に反対しているわけではない」と少々、歯切れの悪いコメントが残念だ。

現在、徴兵制度を持つ先進国は少なく、アメリカ、日本、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、オーストラリアなどにはない。ちなみに、タイでは男性のみに徴兵制度(兵役)が義務付けられ、入隊は「クジ引き」で決められる。中には、恐ろしすぎて、抽選会場で意識を失う姿もニュースで報じられることから、廃止論は若者から大きな支持を集めそうだ。

関連記事

  1. タイの英字新聞「バンコク・ポスト」は5日、新政府の閣僚7人を集め、「ROADMAP TO SUCCESS : UP CLOSE WITH THAILAND’S NEW MINISTERS」と題したフォーラムを開催した。テーマが示す通り、タイ経済の成長に向けた方針を各大臣が発表。主要産業である輸出のテコ入れから低所得者向けの政策まで、幅広い分野で議論が今後進みそうだ。  先陣を切ったのは、ウッタマ財務大臣。「タイ経済は輸出に大きく依存している」と重要性を強調した上で、米中貿易戦争がタイの輸出低迷に繋がっていると指摘した。  そこで、ジュリン商務大臣はASEAN10カ国に日、中、韓、豪、インド、ニュージーランドを含めたASEANプラス6との自由貿易協定(FTA)の締結を進める。世界のGDPの3割を占めるこの16カ国との貿易を促進し、輸出額を回復させたい考えだ。5年間の軍政時代にFTAが解除された欧州についても、民政移管後を機に協定が復活するとの期待を示した。  スリヤ工業大臣は米中貿易戦争のメリットに注目する。同氏は経済が冷え込む中国の代わりに、投資マネーをタイにシフトさせるべきと主張。特に自動車業界と東部経済回廊(EEC)への投資支援策には力を注ぐという。  ソンティラットエネルギー大臣はタイを「東南アジアの電力センター」とする構想を披露。タイで大量に生産されているパーム油の活用などにより、電力コストを下げたいと話した。  他にも「医療用大麻の合法化」(アヌティン保険大臣)、「医療観光の促進、地方都市へのインバウンド需要喚起、eスポーツの国際大会開催支援、ビニール袋の削減」(ピパット観光・スポーツ大臣)、「『GRAB』の合法化や交通系ICカードの一元化、PM2.5対策、運賃値下げ」(サックサヤーム運輸大臣)、「主要農作物における最低・最高価格の設定」(ジュリン商務大臣)などの政策が挙がった。  いよいよ本格的に動き出した新政府。国民から真に支持を得て、長期政権となれるか。プラユット内閣の真価が問われる。

    新閣僚7人が描く成長戦略

  2. 世界が熱狂する新しい競技、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)。コンピューターゲームやビデオゲームなどで対戦し、勝敗を決める種目だ。競技人口は世界に1億3000万人とも言われ、メジャースポーツのテニスやゴルフを凌ぐ規模との見方もある。一方、「運動」や「健康」などスポーツとはかけ離れたイメージが根強いことから、同競技はスポーツとして認められないとみる向きもある。  そんな中、タイ政府はeスポーツを正式な「スポーツ」として受け入れる姿勢だ。タイ観光・スポーツ大臣のピパット氏は7月25日、同競技の普及を後押しする方針を表明。今後、国際大会の開催を目指すという。  そもそも、政府は2017年7月27日に同競技をスポーツカテゴリーとして認定し、タイeスポーツ連盟(TESF)の設立を承認するなど、同競技に対して肯定的な態度を取り続けている。というのも、同競技が大きな経済効果を生むと期待されているためだ。  市場調査会社の「Newzoo社」によると、2019年の市場規模は約308億バーツ。驚くべきなのはその成長率で、昨年に比べ26.7%増加しているという。同競技が成長すれば、競技者に加え、デザイナーやイベント運営者など幅広い雇用が生まれる他、観戦者の増加による観光業活性化にも繋がる。  タイの市場規模も世界第19位、東南アジアではインドネシアに次ぐ2位の大きさを誇るという。毎年10月に開かれる「タイランドゲームショー」の来場者が年々増加し、世界的な大会で活躍するタイ人プロゲーマーも近年台頭していることからも人気ぶりが伺える。  同ゲームショーの運営を行うタルンマネージングダイレクターは「タイにはゲームに興味のある人が多くいる。政府の支援や現状のITインフラなどがあれば、東南アジアにおけるeスポーツのリーダーになれる」と展望を語る。  オリンピック種目になる可能性も秘める同種目。政府の施策次第では、世界のゲーマー達が集まる“eスポーツの聖地”となり、大きな産業に発展する可能性もあろう。

    eスポーツ大国へ邁進

  3. エルニーニョ現象の猛威

  4. 総選挙から約4カ月。プラユット内閣が16日、ワチラロンコン国王の前での宣誓式を経て発足した。振り返れば、「バンコクシャットダウン」と題した2014年の反政府デモに始まり、その後、実施された総選挙は憲法裁判所の判断で無効に。泥沼化する中、同年5月にクーデターが発生し、当時の陸軍司令官だったプラユット氏が暫定首相に就任した。軍事政権からの民政移管は、実に5年ぶり。クーデター後から続いた軍事政権の最高機関「国家平和秩序評議会(NCPO)」も解散したが、首相をはじめ多くの閣僚は留任し、良いか悪いかはさておき、暫定政権を引き継ぐ形での船出となった。

    5年ぶり民政移管

  5. EECの投資熱が急騰

  6. GDP成長率、見通し引き下げ

  7. 中国の“巨大なうねり”

  8. タイと米中貿易戦争

  9. プラユット政権発足へ

おすすめ記事

  1. バンコクのお土産特集 タイのお土産特集
  2. バンコクのカフェ特集 バンコクのカフェ特集
  3. イオン桜まつり 週刊ワイズ独占インタビュー「青木隆治」
  4. イオン桜まつり 週刊ワイズ独占インタビュー
  5. 成功のカギは初めの一歩にあり!ここで差がつく!塾選び

カテゴリーと月別アーカイブ

無料メルマガ購読

週間WiSEの更新を通知する無料メルマガです。購読ボタンを押した後に届く仮登録メールにて最終登録を行って下さい。

WiSE 週間ランキング

  1. タイで人気のリクルートウェブサイト「JobThai」は、上半期の累計登録者が同期前年比で11%上昇。現在サイト利用者は1000万人以上で、登録者は前年同期より25%増え、90万人となった。  同社によると、2019年上半期で最も求職したのは25〜34歳で全体の58.7%を占めた。業種別ランキングでは「飲食業」がトップ。入国ビザの緩和により、観光スポットなどの飲食店が増えたことが要因とみられる。2位には政府政策の東部経済回廊により「自動車産業」がランクイン。3位以降は「サービス業」、「建築業」、「小売業」と続く。  同社セーンドゥアンCOOは、「求人数は政府の経済政策に大きく関係している。現在の労働者は将来のタイ経済発展の重要な力だ」と話している。  一方、アメリカ系リクルート会社「マンパワーグループ」が行った人材技術の開発研究によると、ITの発展によりデジタル・ロボット化が進んでいるとした。今後はこれらをコントロールできる技術者の存在が欠かせなく近い将来、IT技術者の需要が確実に伸びると予想される。また、今ある企業がITエンジニアを5倍に増やすことで、製造業などの分野で機械化が進み、労働者数は大幅に減ると予測している。  時代によって求められる能力は変化する。これに対応できる人材になることが、生きていく上で重要になっていくだろう。
  2. 濃厚な甘みが特徴の「丸和ポーク」を使用しています。厚切り肉を丁寧に処理し、最新のフライヤー「ドクターフライ」で揚げるためサクサクでジューシーな仕上がりです。油分の吸収を抑えているので、カロリーを気にしている方もお召し上がりいただけます。ぜひ「丸和ポーク」をお試しください。
  3. 軽く炙ったササミ肉を、酢飯にのせた人気の親子丼。甘口醤油ダレと卵黄の組み合わせは最高。鶏の旨みが凝縮したスープで口を潤したら、一気にかき込んでしまいます。
  4. 有名タイ料理店のオーナーが経営するヌードル専門店「スリー・ホイールス・トム・ヤム・ヌードル」。店先に飾られた昔ながらの三輪自転車が目印です。店内はモダンで落ち着いた雰囲気。ゆったりとローカルフードを楽しみたい方にぴったりです。看板メニューは、スパイシーなトムヤムスープに麺や卵、豚肉などが入った「クイティアオ・トムヤム・カイヤーンマトゥム」。魚やタイ風豚肉ソーセージの「ムーヨー」などの具材を追加でトッピングできます。
  5. タイの英字新聞「バンコク・ポスト」は5日、新政府の閣僚7人を集め、「ROADMAP TO SUCCESS : UP CLOSE WITH THAILAND’S NEW MINISTERS」と題したフォーラムを開催した。テーマが示す通り、タイ経済の成長に向けた方針を各大臣が発表。主要産業である輸出のテコ入れから低所得者向けの政策まで、幅広い分野で議論が今後進みそうだ。  先陣を切ったのは、ウッタマ財務大臣。「タイ経済は輸出に大きく依存している」と重要性を強調した上で、米中貿易戦争がタイの輸出低迷に繋がっていると指摘した。  そこで、ジュリン商務大臣はASEAN10カ国に日、中、韓、豪、インド、ニュージーランドを含めたASEANプラス6との自由貿易協定(FTA)の締結を進める。世界のGDPの3割を占めるこの16カ国との貿易を促進し、輸出額を回復させたい考えだ。5年間の軍政時代にFTAが解除された欧州についても、民政移管後を機に協定が復活するとの期待を示した。  スリヤ工業大臣は米中貿易戦争のメリットに注目する。同氏は経済が冷え込む中国の代わりに、投資マネーをタイにシフトさせるべきと主張。特に自動車業界と東部経済回廊(EEC)への投資支援策には力を注ぐという。  ソンティラットエネルギー大臣はタイを「東南アジアの電力センター」とする構想を披露。タイで大量に生産されているパーム油の活用などにより、電力コストを下げたいと話した。  他にも「医療用大麻の合法化」(アヌティン保険大臣)、「医療観光の促進、地方都市へのインバウンド需要喚起、eスポーツの国際大会開催支援、ビニール袋の削減」(ピパット観光・スポーツ大臣)、「『GRAB』の合法化や交通系ICカードの一元化、PM2.5対策、運賃値下げ」(サックサヤーム運輸大臣)、「主要農作物における最低・最高価格の設定」(ジュリン商務大臣)などの政策が挙がった。  いよいよ本格的に動き出した新政府。国民から真に支持を得て、長期政権となれるか。プラユット内閣の真価が問われる。
  6. 7月28日、AKB48のメンバー6人が バンコク都内でファンミーティング※を行った。 近年バンコクを訪れる機会が急増し、 現地ファンの心を今まで以上に惹きつける 彼女たち。そのイベント現場を直撃した。
  7. 「ハングリー・ゴースト・フェスティ バル」は、中華街の8月の風物詩。古来より中華系の人々の間では、旧暦の7月に地獄に通じる門が開き死者の魂が地上に還ると信じられてきたのだとか。このため、弔ってくれる子孫や縁者がいない「ハングリー・ゴースト」たちの魂を慰める風習が生まれました。 「ハングリー・ゴースト」は、悪戯をすると考えられ、食べ物を供えたり、死後の世界で使えるようにと紙幣を燃やすなどして供養します。また、この時期には結婚や引っ越し、不用な外出を控えるといった独特な習わしもあるそうです。

今月人気の記事

PAGE TOP