5G導入、官民に温度差

産業高度化急ぐ政府に、資金難の通信3社は重い腰

タイのさらなる発展を目指す政策「タイランド4.0」を進める上で不可欠なのが、IoTやAIなどの情報技術による産業の高度化。この実現には大容量データを高速で送受信する第5世代(5G)サービスが必要だが、5G導入を巡って官民の姿勢が分かれている。

政府が5G推進派なのは言わずもがな。人件費の高騰でこれまで経済成長を支えてきた輸出産業の競争力が低下。成長が鈍化するいわゆる「中進国の罠」にはまるのを回避しようとぶち上げたのが、「タイランド4.0」だった。政府はいち早く5Gを導入し、最先端技術の恩恵に預かりたいところだろう。

一方、5Gを実際に運用する通信キャリア大手3社の腰は重い。理由は資金難。5G向けの周波数を落札するのにかかる資金は1,000億バーツ、さらに落札後は設備投資に1,000億バーツが重くのしかかる。

3社にこの負担を背負う余裕はなさそうだ。3社は既に4G向け周波数の落札によって計1,618億バーツの納付義務を負っているが、3社はこれを「期限までに払えない」と、所管官庁の「国家放送通信委員会(NBTC)」に泣きつき、「国家平和秩序評議会(NCPO)」へ支払いの延期を求める事態に発展。しまいには首相の超法規的権限の行使を認めた「暫定憲法44条」により、各社の完済期限を5年延ばすなどの支援策を設けるに至った。

ただ、時事通信によると、この支援策は条件付きで、3社に5G向け周波数の1つである700メガ帯の応札義務が課される見通し。この条件が足かせとなり、トゥルー・ムーブのティルッジ副委員長が「支援は嬉しいが、入札に参加するかは条件を精査してから」と話すなど、3社は慎重な姿勢を崩さない。

5G向け周波数の入札会は700メガ帯が8〜9月、2.5ギガ帯が9〜12月に開かれる予定。政府は3社に対し、入札金納付の延長支援を受け入れる場合は5月10日までに申請するよう求めた。この呼びかけに3社はどう動くか。3社の決断はタイ経済の行く末を大きく左右すると言っても過言ではない。

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