どうなるタイCPTPP

世論の「待った」が政府を動かしたが、その行方は…

タイの「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)」への加盟を巡る攻防戦が今、新たな局面に差し掛かっている。

事の発端は非常事態宣言下の4月28日、ソムキット副首相がCPTPPへの加盟方針を再表明したことに遡る。

同副首相は前軍事政権下の2018年より一貫して強い参加意欲を示しているが、当初より国内産業への影響を懸念する関連機関などから猛反発に合い、交渉を見送ってきた背景がある。

しかし今回、コロナ禍の混乱に紛れ水面下で閣議決定を目論んでいた政府に対し、「コロナの収束を優先すべき」「抗議デモもできない状況下にひどい行い」といった批判がSNS上に急浮上。

またこれに輪をかけるように、タイ船荷主評議会のカンヤパック会長が早期加盟を支持する声明を発表したことから再び抗議の声が殺到し、さらなる反発を招いた格好だ。

政府は10日、こうした状況から与党12名、野党37名の総勢49名から成るCPTPP検討委員会の新設を発表。

30日の調査期間を設け、有識者らを交え加盟後の影響について改めて協議するという柔軟な姿勢を見せた。

政府が加盟を急ぐ理由の一つに、すでに仲間入りを果たしたASEAN各国との競争力の劣後が挙げられる。

中でも前述のカンヤパック会長は、すでに53カ国と自由貿易協定を結ぶベトナムを引き合いに、競争力向上と早期加盟のメリットを提議。

また、国際通商交渉局のオーラモン局長も既存国の成長モデルと照らしつつ、早期加盟で0.12%増、現状なら0.25%減と、タイGDPを予測する。

一方、副首相の再表明に先駆けTwitter上に「#NoCPTPP」と意思表明し、オンラインデモを行ったのが自由貿易協定研究集団「FTA Watch」だ。

同団体はCPTPP加盟は即ち「植物品種保護国際同盟(UPOV)」への参加を意味すると説き、農業への打撃を示唆。

国民の感心を集め、トレンド1位を獲得した。

いずれにせよ、決定は最短で来月中旬。

国民の声がどこまで届くのか、行方を見守りたい。

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