スラム街がなくなる日

政府が掲げる、貧困者支援と住宅供給の柱とは

5年ぶりに民政移管を果たし、プラユット政権が発足して早1年。

うち3分の1は非常事態宣言に係るが、これまでに経済は言わずもがな、障害者手当の増額や低所得層を支援する福祉カードの導入といった社会政策にも着手。

中でもアジア新興国としてさらなる国力増強を目指すタイのダークサイドであり、格差社会の象徴ともいうべきスラム問題には官民の垣根を超えた対策が講じられている。

プラユット首相は今月3日、都内ディンデーン区で行われた貧困層向け公営住宅の着工式に参加した。

これは社会開発・人間安全保障局が指揮を執り、2024年までに2万292世帯が入居可能な格安アパートを建設する事業計画の第2弾。

バンコク最大級のスラムを有する同地区では1960年代に国の主導で低層密集型の住宅建設が始まり、現在は6500世帯が居住。

2000年以降、再開発案が浮上するもその度に住民の猛反対に合い頓挫し、ようやく18年に第1弾にこぎ着けた背景がある。

今回は再来年までに総戸数1247の高層アパートを2棟建設し、既存住民を対象に月1,300B程の家賃で提供。

同省ではこの地区をモデルケースとして、全国的なスラムの再開発に本腰を入れたい構えだ。

そもそもバンコクには現在、ディンデーン地区をはじめ638ものスラムが存在し、14万世帯57万人が生活している。

これは都の人口のおよそ1割を占めるというから、格差問題の根深さが伺える。

こうした地域に住む人々の6割以上は1世帯あたり月収2万Bにも満たない賃金で生計を立て、子を養い、貧困の連鎖を断ち切れずにいる。

当然ながらそこには住環境の他、教育やインフラ整備といった課題が山積。

兎角、犯罪率の高いクロントゥーイ地区では港の機能を縮小し、今後10年のうちに住宅や公園、商業施設に国際会議場まで擁する“スマートシティ”を目指すというが、立退き問題やコミュニティの再編といった摩擦も相まって、一筋縄では進まない。

しかしこれも、首相の言葉を借りれば「格差是正の大事な一歩」。

この先を見守りたい。

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