アーティストの飛躍を後押し 芸術を愛する画廊オーナー

独創的で自由な構図。型にハマらないダイナミックさ。そんなタイ人
アーティストの芸術的センスに魅了され、「Akko Art Gallery」を
開いた鈴木敦子さん。アーティストを支えるその想いを尋ねました。

才能があっても、世に認知されるのはほんのひと握り。けれど逆に、誰かの目に留まれば大きなチャンスが訪れます――。

スクンビット通りに画廊を構えて今年で28年目の「Akko Art Gallery (以下アコギャラリー)」は、老舗として存続する数少ない画廊のひとつ。その経営者・敦子さん(以下アコさん)は、食事や生活のサポート、作品発表の場の提供など、多くのアーティストたちを支えて来ました。

「タイ人の作品を初めて見た時、本当に驚いたね。みんな、基礎や形がなく、描き方も荒い。けれど、自由そのもの。日本の型にハマった絵にはない、予想外の動きを見せる作品が新鮮で本当におもしろくて。もっといろんな人に知ってほしいと思ったの」と回想します。

そう話すアコさんは、中学・高校は美術部に所属し、油彩を描いていたのだそう。イギリス人の旦那さんとの結婚を機に、1968年にタイに移住。タイで主婦と子育てに専念していたある日、旦那さんが治療のためイギリスに一時帰国。二人の娘を養うことになったアコさんは思案しながら、“画廊”という答えを導き出します。

「生活費に加えて学費も必要だったから、一般的な仕事じゃ賄えない。それなら自分の店をやろうと決めたの」。アコさんの背中を押したのは、中学生だった娘さん。「お母さん、自分の好きなことをやったら道が拓けるんじゃない?」。その言葉に勇気をもらい、1990年12月、6枚の作品からアコギャラリーは始まりました。

本物”のアートが秘める
パワーを知ってほしい

「今でも、画廊をやっていける確信なんてないのよ」。そう笑うアコさんは、いくつものギャラリーがオープンしては消えていく姿を見て来たのだそう。「だって経営は厳しいもの(笑)。けれど、お店を始めれば誰かは来てくれるものなのね。絵を買いたい、売りたいという人が当初からいてくれたおかげで助かりました」。

そんなギャラリーの転機のひとつは、タイで10本の指に入るトップアーティスト・ソンブーンさんとの出逢い。アコギャラリー初めての展覧会も彼女がトップバッター。タイの首相・副首相を招いてカンボジア大使館(タイ)で大々的に行われました。

その後も何十人ものアーティストと出逢い、その作品を紹介し、サポートを続けています。後押しするのは、才能はもちろん、熱心で芸術を愛している人、長く続けられる人。「現実的に、すべてのアーティストを支援できるわけではないので、そこは苦しいところ。タイにはアーティストがたくさんいるけど、あえて見ないようにしている時もあるの(笑)。見ると、みんなを何とかしたくなっちゃうから」。そんなアコさんをアーティストたちは慕い、イベント時は自分の作品がなくとも手伝いに駆けつけるなど、深い絆が築かれています。最近では、日本在住アーティストをタイで紹介するなど、繋がりは拡大中。

気づけば、オープン30周年はすぐそこ。アーティストたちと過ごす時間が、刺激的でおもしろいと表情を緩ませるアコさんですが、一方で危惧するのは、世界的なアートへの関心の低下。高いお金を払って絵を買わなくとも、プリントや絵はがき、写真でいいという人が増えているのが現状です。「それは、“本物”に比べるとパワーも味気もないもの。本物を味わう豊かさを、もっと知ってほしいし、伝えていかなきゃいけない」と口にします。芸術を愛し、アーティストを愛するアコさん。その想いが尽きることは、決してないのです。


アコギャラリーに作品が並ぶ、阿部恭子さんのBTSラッピングは2018年6月29日まで!


PROFILE
鈴木 デイビス 敦子
Atsuko Davies Suzuki
1943年、静岡生まれ。東京写真短期大学卒。オリオンプレスに4年勤務した後バンコクへ。現在の旦那さんと結婚し、娘二人を授かる。1990年に「Akko Art Gallery」をオープン。展覧会も行う商業画廊として、タイ人アーティストをはじめ、さまざまな作品を取り扱う。

 


Akko Art Gallery

画家・阿部恭子氏のBTSラッピングアート原画を展示中!

現在、元気で明るい阿部恭子氏の作品を展示販売中。その他にも、多くの作家の作品を特別値引きで販売しています。お気軽にお越しください。

[問い合わせ]
Address:スクンビット・ソイ49と51の間
Telephone:081-866-4306(日本語)
営業時間:10:00〜18:00(日曜休み)
Facebook:Akko Art Gallery


編集部より
知らない人はいないんじゃないかというくらい、タイ人アーティストに精通するアコさん。30周年に向けて「今からBACCを押さえないと」と、アクリル画家・阿部恭子さんと画策中。2年後が今から楽しみでなりません(山形)

取材・文 山形 美郷


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