肌で感じた前国王の偉大さ
日本人として抱く感謝の念


前国王崩御から1年。タイに住まわせてもらっている身として、また日タイ両国の関係に携わる者の
一人として深い哀悼の意を表し、「喪に服す」ことを続けてきた
という島田さん。当時の様子と今後の日本人会について、その想いを尋ねました。

 

在タイ者7万人(在留登録者数)、旅行者や出張者を含めると年間140万の日本人がタイを訪れていることをご存知でしょうか。そんなタイに関わる日本人の“暮らし”をサポートするのが「タイ国日本人会」です。大正2年(1913年)に創立され、会員数は7000人以上。その規模は世界最大とも言われ、島田さんは昨年4月から会長を務めています。

「日本とタイの関わりは600年以上前から始まり、文化、経済、政治……どの面から見ても強固な関係を築いてきました。だからこそ、前国王が崩御した際はついにこの日が来たか……と思ったのと同時に、在タイ日本人にとって、今後のタイでの生活、仕事にどのような影響があるのかを深く考えました」   そう、ゆっくりと当時を振り返ります。

その知らせの直後、関係者らとともに大使館に集まり、タイ国内の現状と今後、そして日本人としてどのように過ごすべきかを確認し合ったのだそう。タイに住まわせてもらっている日本人としてタイ国民の気持ちを察し、慎んで行動しなければいけない、と。そうして、前国王を悼み、悲壮感が漂う中、黒服に身を包む日々が始まりました。

日本人として考えること
日本人会としてできること

前国王崩御により、改めて感じたのが国民からの絶大なる敬愛を受けた国王だったという島田さん。崩御翌日、入院されていた病院から王宮まで遺体が運ばれる際には、その姿をひと目見ようと、道を埋め尽くすほどのタイ人が集まりました。

「昭和天皇崩御の日本も経験していますが、“タイの父”と呼ばれる前国王崩御の悲嘆は、私の想像を超えていました。これほどまでに国民に愛される行いを前国王は続けてきたのだと、身を持って教えられました」。今年10月に入ってから、街なかで見かけられるようになったマリーゴールドもそのひとつ。月日が経っても、敬愛の念が薄れることは一切なく、その存在の大きさを実感しているのだそう。

そんな島田さんが常々心に留めているのが、タイへの感謝の気持ちです。世界を見渡しても類を見ないほど親日国であるタイは今年、日本と修好130周年を迎えました。「安心して働ける、レストラン・スーパーなど日本食に恵まれている、気軽に出歩けるなど、住んでいるとタイの環境が当たり前のように思ってしまうかもしれませんが、このように暮らすことができるのもタイ国、タイ人社会のおかげです。まずそれに対して感謝の気持ちを持つべき」と、語気を強めます。その頭にあるのは、「在タイ日本人をサポートしながら、日タイ交流の場をこれまで以上に提供し、その絆を深めていきたい」という想いでした。せっかくタイで暮らしているのに、日本人同士でしか交流を持たないのはもったいないと感じているのです。

「例えば、日本人会と長年友好関係にあるOJSAT(タイ国元日本留学生協会)との新たな共同企画として、タイでも浸透しつつある日本酒をテーマにした交流会、日本の伝統文化を伝える行事、観光ガイドに載らないタイの名所旧跡の紹介等を考えています。また、大勢のタイ人が参加するラムウォン盆踊り大会(昨年、国王崩御により開催延期)も、大きな交流の場にしていきたい」と島田さん。

今後もさまざまな交流を通して、150年、200年……と、日タイの“いい関係”は続き、そして深まっていくのでしょう。

盆踊り大会をはじめ、チャリティーバザー、成人の日集いなど日本人会主催のイベントは多岐に渡る


PROFILE
島田 厚 Atsushi Shimada
タイ国日本人会第51代会長。1955年、東京生まれ。90年に前職の駐在員として初来タイ。以降、日本とタイを行き来し、2013年10月から4度目のタイ生活がスタート(足掛け15年)。16年4月から現職に就任。「NPD(NIPPON PARKING DEVELOPMENT(THAILAND) CO., LTD」の取締役・副社長のほか複数企業のアドバイザーを務める。趣味はゴルフ。

 


ラムウォン盆踊り大会

ナショナルスタジアムで12月16日(土)に開催

かき氷や綿菓子といった昔ながらの出店やくじ引きなどイベントが盛りだくさん。日本から阿波踊りチームが参加し、タイ舞踊とのコラボレーションも。
[問い合わせ]
タイ国日本人会
Website: www.jat.or.th


編集部より
過去の形式にとらわれず、多彩な取り組みを行っている島田会長。今後、チェンマイ、プーケット、チョンブリ・ラヨーンと各地で独立する日本人会と連携を図っていくと言い、日本人会がどんどんオープンに、外に向けて広がっていることを実感しています(M)

取材・文 山形 美郷


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