歌って踊って、人と出会おう
親子の輪を繋ぐ女性ユニット


駐在員の若年化が進む今、急速に増えている子育て中の母親たち。
「小さい子どもを抱え、日々奮闘するお母さんたちが笑顔になる“場”を創りたい」。
そんな想いから活動を始めた2人にインタビューしました。

 

弾ける子どもたちの笑い声、テンポの良い音楽。親と子が一緒になって、ダンスやアクティビティを楽しむ――。そんなエンタテインメントを提供している、女性2人のパフォーマンスユニット「FUN FUN FACTORY」。メンバーは、小原亜裕子さんと近藤舞さん。旦那さんに帯同し、タイで出産と育児を経験してきたお母さんたちです。

今でこそ活動的な2人ですが、来タイ当初は家にこもりがちだったそう。「根が人見知りで、グループに積極的に入っていけなくて……。みんなどうやって友だちを作っているんだろう、と不思議でした」(近藤さん)。キャリアを中断して帯同を決めたのは自分の意志だけれど、海外での生活はことさらに社会との繋がりを見つけにくく、自分の居場所や価値をも見失ってしまう。そんな気持ちに苛まれることも多かったと言います。

「親友が帰国し、外に出なくなった時期がありました。これではいけない、もっといろんな人と会おう、と思ったんです」と決意した小原さんは、楽器デモンストレーターとして働いた経験を生かし、幼稚園でのコンサートや、自宅でのプレイグループを精力的に開き始めます。「子どもと出かけられる場所が少ない」というお母さんたちの声を聞いていた近藤さんも、リトミックインストラクターの資格を取得し、定期的に英語のリトミッククラスを開催。それぞれの場所で、活動が始まりました。

子育てが導いてくれた縁が
活動の場に広がって

2016年、同時期に妊娠・出産を経験した2人を、日本人会の育児サークル「すくすく会」が繋ぎます。産前は「出産準備教室」でお互いを励まし合い、産後は「大きくなったね!」と声をかけ合える。親戚もいないタイで、家族以外に子どもの成長を見届けてくれる場所に、とても勇気づけられたとか。

助けられた分、「すくすく会」に恩返しがしたいと、ボランティアを志願した場で出会った2人。「自分も周りのお母さんも、みんなが楽しくて充実した子育ての“場”を創りたい」という気持ちを確かめ合ったのを機に、意気投合。歌や踊りが人の心を明るくすることを知っている彼女たちは、音楽を小原さん、歌とダンスを近藤さんが担い、2人のトークでステージを創るユニット活動にたどりつきました。

舞台は、日本人会のイベントや日系幼稚園。歌にダンス、クイズなどを織り交ぜたアクティビティは子どもたちの心をつかみ、今ではお父さんも参加できる週末のファミリーコンサートも開催。公演のオファーもあるといいます。

そして、活動は次のステージに。海外で育児をするお母さんたちが頼りにするSNSやブログなどのインターネット情報は、便利な反面ネガティブな内容も多く、時には不安を招くことも多いと感じていた2人。産後、子どもを預けるまで情報集めに必死だった自分たちの経験を振り返り、お互いの顔が見えて親も子も一緒に楽しめる、健全な情報交換の“場”が作れないかと企画を進めています。

「目指すのは、参加型の育児イベント。子育てに関するいろんな習い事や企業が集まる、みんなにとってメリットがある“場”を提供したいと考えています」。

現在、協力者やスポンサーを募集中。子育ての現場からあがった声が、タイで頑張るお母さんたちの笑顔を咲かせるひとつの力になろうとしています。

日系幼稚園で開かれたコンサートの様子。赤と黄色のツナギが彼女たちのトレードマーク


PROFILE
小原 亜裕子 Ayuko Ohara
1981年生まれ。静岡県出身。ヤマハミュージックのエレクトーンデモンストレーターとして8年間勤務し、14年来タイ。15年に第二子をバンコクで出産。18年2月に第三子を出産予定。子どもたちとお父さんが遊ぶ姿を見ながら、音作りをしている時間がお気に入り。

 


PROFILE
近藤 舞 Mai Kondo
1986年生まれ。千葉県出身。パフォーマーを志し、アメリカ留学を経て某テーマパークの舞台制作に4年間携わる。12年来タイ、15年第一子をバンコクにて出産。リフレッシュ方法は子どもと一緒に全力で踊ること。「自然と笑顔になり、負の感情も吹き飛びます!」

 


FUN FUN FACTORY

親子のためのエンタテインメントを
提供するイベントユニット

育児イベントの企画、運営にご興味のある個人、
企業の方を募集しています。
[問い合わせ]
E-Mail:funfunfactory.bkk@gmail.com


編集部より
海外で出産・育児を経た立場から、共感する部分が非常に多かった今回の取材。お母さんたちが自由で楽しいタイ生活を送れることを、心から願います

 


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