面白いから“楽しい”笑いへ タイ住みます芸人・1期生

タイの人気テレビ番組や大ヒット映画「Brother of the Year」への出演など、
来タイ3年目にして、その知名度は急上昇。日本での芸風を封印した
芸人・あっぱれコイズミさんが、タイで追求する“最高の笑い”とは。

「誰か、アジアで芸人やりませんか?」。吉本興業に所属する全芸人に、そんなメールが届いたのは2014年10月のこと。それは、「アジア住みますプロジェクト」立ち上げメンバー募集の知らせでした。

「自分の力を試したいと応募しましたが、知名度の高いメンバーが揃っていたので、合格を知った時は自分でも驚きました。理由は『体が丈夫そうだから』って(笑)」。8回にも及ぶオーディションを経て、その権利を勝ち取ったコイズミさん。翌年4月から、タイ生活が始まりました。

けれど、来タイ当初の仕事はゼロ。期待とのギャップに、ショックを隠し切れなかったと振り返ります。「仕事もない、友だちもいない、タイ語も話せないで…正直に言うと、最初はタイが嫌いでした」と苦笑い。収入もなく、貯金は減る一方。節約のため、ペッブリー通りに近いトンローの住まいと事務所があるナナの間を歩いて往復。公園の水を空のペットボトルに注ぎ、13Bのカップラーメンをすする日々。「帰りたい」という想いがふつふつと湧いてきた時、近所に住むタイ人に救われたと言います。「移住から2カ月目、いつもの如く歩いていたら、『お前、何人だ?』って声をかけられたんです。日本人だと答えると、『こんな不便な場所に日本人なんか来ない』と笑いながら、一緒にご飯を食べようと誘ってくれて。その優しさに救われて、もう少しタイで頑張ろうと前向きな気持ちになれました」。

「サワディー花月」では、同じタイ住みます芸人・はなずみさん(中央)とTの極みさん(左)との共演も

タイ語は日々練習。
もっと大きな舞台で公演を

タイの笑いと日本の笑いは違う―――手探りでネタを試し続けながら、そう実感した1年目。タイ人に向けたネタ1本に絞ろうと、ゼロから挑んだ2年目。その積み重ねが、3年目で実を結び始めます。

「日本だったら特異な設定やキャラクター、シュールなネタなどひねった内容でも伝わるのですが、タイでは“わかりやすさ”が重要だと、タイ人と接するなかで気づきました。そして、タイの笑いは面白いではなく、“楽しい”から生まれるのではと思い、細かな面白さよりも、万人に共通する“楽しさ”に行き着いたんです」。

コイズミさんは、日本で一切やってこなかった、いわゆる“ベタ”でわかりやすい芸風に転換。コミカルな見た目、体を張ったリアクション芸、ものまねなど新しい挑戦を続けるうちに、コイズミさんの元には仕事のオファーが増えていきました。

そうしてテレビやCMなどで露出が高まる一方、重きを置くのはやはり“生のライブ”です。毎月開催となった「サワディー花月」で、お客さんの反応を楽しみながら、自分の笑いがタイの人たちに合っているのかを肌で確かめています。

「ステージはすべてタイ語なので、毎回緊張の連続です。イントネーションの違いだけで意味が変わりますし、少しのズレで話が噛み合わなくなる。一度、大きな失敗をして以来、タイ語を話すのが怖くてトークネタを避けてきたんですが、最近やっと復活できました」と、安堵の表情を浮かべます。今の課題は、イベントの集客。日本の芸人が、タイで人を集めるためのPR方法を模索中なのだそう。

「タイ人が目の前で笑ってくれる瞬間がうれしくもあり、実は悔しくもあるんです。このネタを大きな舞台で、もっと大勢の人たちに見てもらって、笑ってほしいって…。その実力をつけて、地方での『サワディー花月』公演も実現させたいです」。

前例のない道に、試練は尽きもの。コイズミさんは、体当たりで突き進みます。


PROFILE
あっぱれコイズミ
Appare Koizumi
1979年生まれ、神奈川県出身。東京NSC4期生。芸歴20年。2015年、「アジア住みますプロジェクト」のメンバー1期生として来タイし、テレビやイベントなどに多数出演。大のプロレス好きであり、プロレスイベントのリングアナウンスも務める。趣味は、ゲームとムエタイ。癒やしはネコカフェ。象使いライセンスを所有。ブログやTwitterで随時、情報更新中。


サワディー花月
次回は10/26(金)20:00〜
RCAのよしもとスタジオにて開催!
あっぱれコイズミ、はなずみ、Tの極みの「タイ住みます芸人」による、全編タイ語のステージ。2016年8月から開始し、次回で10回目。毎月開催、1回90分、入場料100B。約50人と限られた会場では、臨場感溢れる芸を間近で見られるチャンスです! 場所・詳細は下記Facebookでご確認を。
[問い合わせ]
Adress: RCA・よしもとスタジオ
Facebook: sumimasuasia – thailand


編集部より
タイのコメディアン「ノーン・チャチャチャ」に似ていると言われ、ものまねを始めたというコイズミさん。ゼロから“タイの笑い”を構築するその姿に、さらなる活躍を期待せずにはいられません!(山形)

取材・文 山形 美郷


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  4. 家族や仲間が集まって、“乾杯”をする機会が増えるこの時期。 タイのお酒を嗜む方も多いのでは。 ビール以外のお酒と言うと、「メコン」「センソン」「ホン・トーン」といったウイスキーが挙げられがちですが、実はこれらは米やサトウキビの糖蜜を原料に作られるため、ダークラムに分類されます。 また、国内最大のアルコール飲料メーカーであるタイ・ビバレッジが製造する「メリディアン」や、「リージェンシー」といったブランデーも人気。 いずれもブドウやパイナップルといった果実の芳醇な香りを特徴とし、すっきりとした飲み口が喜ばれています。
  5. 地下鉄、外苑前駅の構内を歩いていると、よく聞きなれた外国語が耳に入ってきた。タイ語のアナウンスである。「乗車券代をデポジットするにはICカードを差し込んでください」というように聞こえる。もしかしてと思い、券売機を見てみると今までに見たことのない画面に変わっていた。  一部のJRの券売機などではかなり以前から英語による案内はあったが、ついにタイ語による画面が登場した。しかも音声ガイダンスまでタイ語なのである。タイ人訪日客の数が伸びているとは聞くが、こういった場面でタイ語が標準装備されるのはとてもいいことだと思う。もちろんタイ語だけではなく、中国語や韓国語をはじめ数カ国語に対応していた。  タイでATMを操作したことがある方ならわかるはずだが、そこに日本語表記があることでかなり安心できる。外国にいて言葉がわからない、その国の文字を読めないというのは、決定的な不安材料である。ラングエッジバリアを少なくすることで、日本の魅力もぐんと増すことだろう。“おもてなし”がとやかく言われる昨今だが、2020東京大会開催に向け、真のホスピタリティが芽生えてきている。
  6. タイ人の消費意欲は衰え知らずだ。タイ商工会議所大学は12月11〜20日にかけて、年末年始における支出計画をタイ人にヒアリングする消費動向調査を実施。その結果、支出予定総額は1,378億Bに上り、2006年の調査開始以来、最高額となった。
  7. 020年1月1日。新しくなった国立競技場で、最初のスポーツイベントが行われた。天皇杯の決勝である。今年はヴィッセル神戸と鹿島アントラーズによるタイトルマッチだったのだが、どの選手も新しい“国立”での試合に少し興奮しているようでもあった。勝敗の方は、神戸に軍配が上がった。  さて、そんな元日の東京は天気にも恵まれ、初詣にもぴったり。サッカーを見終えてから初詣に向かった。今年は横浜の住まいから少し足をのばして、調布の深大寺を訪れてみた。以前から気になっていた寺である。すでに有名な観光スポットでもあり、やはり大勢の参拝客がお参りに来ていて小ぶりの参道は人であふれていた。通りに沿って何件かが並ぶ土産屋や蕎麦屋も大忙しといった様子で、元日らしい活気に満ちていた。  このような東京郊外の寺にもやはり東京2020大会の予兆はあり、外国人観光客がかなり目立ってきた。随所に外国語表記の案内が置かれ、スマートフォンでQRコードを読み取れば、数カ国語によるガイド映像を観ることもできる。オリンピック開催を控え、お寺もしっかりと準備をしているようだ。

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