よさこいアンバサダー」が発信 日タイを繋ぐYOSAKOIの和

日本から遠く離れたオーストラリアで「よさこい踊り」と出逢い、魅了されて早9年。自身の踊りを追求しながら、泰日工業大学やタイ国日本人会の同好会で指導を続ける久保幸子さんが、よさこいを通して伝えたいことは。

4歳からバレエを始め、高校でジャズダンス、大学で日本舞踊に注力。呼吸をするように踊ることが日常だったという久保さんは、日本舞踊を中心とした舞踊団「若竹」の一員として、日本全国を巡業。引退後も教室を主宰するなど、その人生は常にダンスと共にありました。

「よさこい踊り(以下よさこい)」を始めたのは2010年、還暦を控えた頃。定年を迎えたご主人と移り住んだオーストラリアで、日本から派遣された高知のよさこい団体に遭遇し、スカウトされたのだとか。

「代表の方に私が日本舞踊経験者だと伝えると、『現地でよさこいの指導者になってほしい』とお話を頂いて。未経験だったものの、日本舞踊と基本の所作は共通。私にとって新たな挑戦でした」。

本物を教えるために、まずは本場を知らなければと、高知で毎年8月に開かれる「よさこい祭り」へ。全国各地から約200チームが集結し、切れ目なく続く数キロ・数万人の大行列。一糸乱れぬ一体感と沸き上がる熱気、各チームが放つ個性に飽きる瞬間がなかったと、当時を回想します。5年のオーストラリア生活は、チーム立ち上げやイベント開催、オリジナル曲の制作など、よさこいに傾倒。

そして2015年11月、タイでさらなる“よさこいの和”を広げていくのでした。


青空のもと、ルンピニ公園で練習に励む久保さんと泰日工業大学の学生たち

学生たちに、本場の熱気と日本の文化を感じてほしい
よさこいのルールは、「パーン」と響く木製楽器「鳴子」を両手に持ち、曲の一部に「よさこい鳴子踊り」の歌詞を入れること。そして、「鳴子を鳴らし、前進しながら踊ること」。この3つを組み込んでいれば、他はアレンジ自在。伝統的なよさこい節からロック調、サンバ調まで、型にはまらない多彩さが醍醐味の一つです。

来タイ直後から、日本人会の「民舞・日舞・よさこい同好会」でその魅力を伝えてきた久保さんは2017年、高知県からの指名を受け、「よさこいアンバサダー」に就任。それを機に、指導者不在だった泰日工業大学のよさこいチーム「泰日よさこい連」でも指導をスタート。映像だけを頼りに踊っていた学生たちは、本格的な指導者の登場に大喜び。久保さんは、基本の細かい所作から一つひとつ伝授。週1回の指導を続け、踊れる曲は倍増し、個々のレベルも確実に上がっていると嬉しそう。学生たちと同じステージに立つと、その若さと力強いエネルギーに触発され、自分の限界を超えたパフォーマンスができるのだそう。

そんな久保さんが今考えるのは、後継者の育成。自身がいなくなっても、よさこいがタイにしっかりと根を張れる環境を作りたいのだと―――。「教え子たちの中から、自分のチームを作りたいと思うメンバーが出てくることが第一歩ですね。さまざまなチームが独自のスタイルを競い合う。それが、よさこいの面白さですし、自分たちでどんどん、タイならではの“オリジナル”を築いていってほしい」。

そうした想いから月数回、学生たちとルンピニ公園でワークショップを実施。まず、「この踊りはなんだ?」と興味を持ってもらうことが始まりだと久保さんは言います。同時に、学生たちに本場を体感してほしいと、日本への帯同を計画中。「ただ踊るだけでなく、よさこいを通して日本文化に触れてほしい。そうすることで、日本とタイの関係はもっと深まるはず」。

小柄な体を弾ませながら、笑顔で舞う久保さん。踊ることが大好きという気持ちが輝きとなり、見る者を引きつけます。


PROFILE
久保幸子
Sachiko Kubo

1951年、長崎生まれ。幼少期よりバレエを始め、ジャズダンス、日本舞踊も習得。舞踊団「若竹」3期生、舞島流師範。2010年、オーストラリア・ゴールドコースト在住時によさこいに魅了され、現地でチームを立ち上げ。15年にタイに移住し、翌年チーム「よさこいBKK良処」を開設。泰日工業大学や日本人会同好会で指導者としても活動。趣味は読書・旅行。


よさこいBKK良処(よいしょ)
毎週火曜・木曜に日本人会別館で練習してます!

「よさこいを通して、タイと日本の文化交流・懸け橋に」を掲げるよさこいチーム。イベント出演や海外遠征など、精力的に活動中。詳細は下記までお問い合わせを。
[問い合わせ]
Address:日本人会別館(フジスーパー3号店裏)
Hours:火木13:00〜14:00
Email:jpdmai@gmail.com(久保)
Facebook:https://www.facebook.com/BkkYosakoi/


編集部より
新曲に向けて、最近ヒップホップを習い始めた久保さん。早いテンポ、体の動かし方の違いに四苦八苦していると言いながらも、その表情は充実感でいっぱい。輝く秘訣を教えてもらった気がしました(山形)


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