【中国】中国車メーカー、半導体開発への参入相次ぐ

【亜州ビジネス編集部】

国内自動車メーカーが相次いで車載半導体の開発に参入している。

電気自動車(EV)と「レベル5」の自動運転車では、電子デバイスがコスト全体の50%を占めるとみられるだけに、膨大な利益への期待感が膨らんでいる。DRAMエクスチェンジが10月28日報じた。

北京汽車(BAICモーター)は今年5月、英イマジネーション・テクノロジーズ、翠微股フン(603123)との合弁で「北京核芯達科技有限公司」を設立する契約を結んだ。自動運転と言語処理の半導体の研究開発(R&D)に特化し、開発が順調に進めば北京汽車やその他の国内自動車企業への実装を目指す。

イマジネーション・テクノロジーズは画像処理と半導体IP(知的財産)で、米クアルコム、英アームに次ぐ世界3位。翠微は百貨店大手だ。

吉利汽車HD(175)と英アームは10月、合弁会社「湖北芯擎科技有限公司」を武漢に設置した。自動運転、マイクロコントローラー(MCU)、スマートコックピットなどの分野の半導体について、長期にわたるR&Dと量産の計画を定めた。量産成功の際は、吉利汽車に優先供給されることは間違いない。

国内自動車メーカーと外資半導体企業との提携で、先行したのは上海汽車集団(600104)と独インフィニオンだ。両社は2018年、パワー半導体の1種、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)のR&Dに特化した合弁企業を立ち上げている。

半導体分野への展開に最も成功している中国車メーカーは、現時点で比亜迪(BYD:1211/HK)だ。同社は自社でIGBTと設計、生産し、他の自動車メーカーの指標となっている。BYDは10月、中国電子信息産業集団有限公司(CEC)傘下の深セン華大北斗科技有限公司に6.9%を出資し、3位株主となった。華大北斗は衛星測位用半導体のメーカーで、BYDは同社のGNSS(全世界測位システム)技術を評価して出資を決めたとみられる。

自動車業界では新興の新エネルギー車(NEV)メーカー、蔚来汽車(NIO/NYSE)も自動運転用半導体の自社開発に着手した。巨額の投資とシリコンバレーでの人材ヘッドハンティングが伝えられている。

中国企業として初めて自社開発した自動運転車用人工知能(AI)チップを重慶長安汽車(200625/SZ)に実装したAIベンチャー、北京地平線機器人技術研発有限公司(ホライゾン・ロボティクス)は9月、高功率AIチップの新世代製品「征程3」を発売した。

阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング)傘下の平頭哥半導体は昨年7月、「レベル4」自動運転向けに「玄鉄910」を発表した。


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