【中国】“萌え経済“急成長、カワイイ市場拡大

【亜州ビジネス編集部】

漫画やアニメ、ゲームを対象とした「二次元」作品や、可愛らしさを全面に押し出した“萌え”系キャラクターを使った商品などを扱う新興経済が中国でも急成長している。中国政府系メディアが3月31日付で伝えた。

近年では“萌え”キャラクターも様々な分野で登場している。北京市の故宮博物院でも、“萌え”系のキャラクターグッズを相次ぎ発売するまでに至った。しかし、業界の発展は、知的財産(IP)侵害問題を解決する必要があるだろう。“萌え経済”の発達とともに、海賊版や類似商品の横行も問題視された。

潮流玩具(潮玩)と呼ばれるアート性やデザイン性に富んだ玩具の売れ行きも伸びている。市場規模は2015年の約63億人民元(約1061億3400万円)から、20年の約300億人民元まで急拡大した。年平均成長率は30%を超え、世界トップの水準にある。中国の「潮玩」関連企業の登録も、過去数年にわたって年々増加してきた。潮玩関連の法人登録は、16年の100社超から19年の約115社、20年の245社に急増している。

専門家によると、「かわいさ」や「萌え」を押し出したキャラクター商品は、過去に若者が消費の中心を占めていたものの、近年では全年齢層へ消費対象が拡大している。社会の「二次元文化」理解も進み、新たな消費領域を下支えしてきた。インターネットの発達も消費者の需要や購買力の引き上げに貢献し、萌え経済の発展の動力になったという。

アニメや漫画、ゲームなどは中国のZ世代(1995〜2009年生まれ)のユーザーが主要となっているが、二次元文化はより広範だ。2020年の中国の二次元ユーザー規模は約3億7000万人に達し、21年には4億人まで膨らむ見込みという。今後は人気の高い作品や商品の海外展開も実現しそうだ。


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