【中国】電力不足で緊張感、広東省で供給制限

【亜州ビジネス編集部】

気温が急上昇する5月を迎え、製造業が中国で最も盛んな広東省で電力不足が目立っている。

5月中旬に入り、電力供給制限が一段と強化された。

範囲が広がると同時に、計画停電の時間も各地で延びている。仏山衆塑聯網絡科技有限公司傘下の衆塑聯(www.fsupa.com)などが18日に報告した。

現地の電力管理当局は、広州市番禺区、仏山市、恵州市、東莞市で電力の供給制限を予告している。

例年は7〜8月に導入される供給制限が数カ月も前倒しされたことで、電力需給ひっ迫の問題が深刻化している事実が裏付けられた。

仏山市など一部のエリアでは、5月入り2度も電力供給制限が通知されている。16日以降、毎週土曜の電了消費制限を実施。向こう3カ月にわたって、広州市、仏山市、恵州市、東莞市、珠海市、中山市、潮州市で導入される見通しだ。

発電業界団体の中国電力企業聯合会(中電聯)は先ごろ、今年通年の中国電力事情を予測。対前年の電力需要に関し、年前半は高く、後半は安定化するとの見通しを示した。ただ、夏季の高温傾向が鮮明化した場合は、年間の電力消費は例年よりも伸びが加速し、8%に達す可能性があると指摘している。

2021年の中国電力需給について、全国的には均衡が保たれるとの見方。ただ、華中、南方では電力ピーク値が一段と上昇すると分析した。具体的には、内モンゴル自治区西部、湖南省、湖北省、広東省、雲南省、広西チワン族自治区でも時間帯によっては電力不足が生じると予想している。

記録的な少雨で水力発電が特に低迷した。広東省の水力発電量は、前年同期比で4月が39.4%減の9億2000万キロワット時(kWh)、1〜4月累計で27.4%減の36億4000万kWhで推移している。

こうしたなか、製造業の集積する仏山市では、複数のPVC(ポリ塩化ビニル)メーカーが減産を余儀なくされた。エリアに応じて輪番で電力供給が制約されるため。あるPVC工場は、先週金曜に稼働を1日休止した。別のメーカーは、電力供給制限を受けない夜間に生産をシフトしたという。


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