【マレーシア】製造業の業況回復、見通しも楽観圏に=FMM調査

【亜州ビジネス編集部】

マレーシア製造業者連盟(FMM)とマレーシア経済研究所(MIER)は1日、最新の製造業景況感調査の結果を発表した。経営実績を示す事業活動指数は2021年下半期に107となり、前回(21年上半期)の65から42ポイント上昇。新型コロナウイルス対策の規制が緩和され、また世界経済回復で需要が増える中、好不調の分水嶺である100を上回った。先行きも「楽観圏」に回復している。

事業活動指数の構成項目をみると、国内販売は94(前回56)、輸出は96(同71)に上昇した。国内販売がそれまでの半年に比べて増えたと答えた企業は28%で、上半期の13%から割合が2倍以上に増えた。輸出を手がける企業では、それまでの半年に比べて輸出が増えたと答えた企業が29%に上り、上半期の20%に比べ割合が増した。

生産高指数は105(前回61)に上昇。それまでの半年に比べて生産を増やしたと答えた企業は36%で、上半期に比べ割合が倍増した。一方で生産コストも上昇。指数は174となり、調査が始まった12年上半期以降で最高となった。

設備投資指数は105(前回78)に上昇。21年下半期に設備投資を増やしたと答えた企業は25%で、上半期の14%から割合が増えた。

先行き見通しが改善

向こう半年の事業先行きに関する指数は122で、前回の60から大きく改善。国内販売や輸出、生産、設備投資など全ての個別項目で「楽観」と「悲観」の分水嶺である100を上回った。一方、生産コスト指数は179と100を大きく超え、企業はさらなるコスト高を見込んでいる。

先行き見通しを楽観視する一方、懸念も多い。回答企業の63%が労働者不足、59%がサプライチェーン停滞、50%が新型コロナ再流行を懸念事項に挙げた。また49%が輸送費高騰、43%が高インフレを心配している。一方、銀行融資返済の期限を延長する措置が3月に終わることについて、企業の71%は「影響ない」と答えている。


亜州ビジネスASEAN
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