【亜州ビジネス編集部】
新型コロナウイルスの感染拡大が各地で続く中、中国政府が堅持する「ゼロコロナ」政策が社会に混乱を引き起こしている。
香港メディアの東網によると、ロックダウン(都市封鎖)が行われている上海市では、一部の団地で住民約30人が参加する抗議デモが発生。ネットの投稿映像によると、メガフォンを持った男性が「出勤させろ」「食事がしたい」「自由をよこせ」などと叫ぶと、全員が同じ文言を叫んだ。
中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」のコミュニティ「超話(スーパー・トピック)」内には、ロックダウンに伴い助けを求める上海市民の専用ページが開設された。「妻子が隔離施設に入れられたが、食べ物も薬もない」「PCR検査で陽性となり、連日発熱が続いているが、治療が受けられない」などの訴えが多数寄せられている。
さらに微博の投稿によると、上海市浦東新区に住む人工透析が必要な男性(77)が、26日にPCR検査で陽性とされたため、病院2カ所に治療を断られ、隔離先の病院で55時間待機した後、28日に心臓の衰弱で死亡した。これに対し、「行き過ぎた防疫対策で、また死亡事件が起きた」などのコメントが相次いでいる。
上海市衛生健康委員会の発表によると、同市の30日の新規有症感染者は355人、無症状感染者は5298人だった。