【タイ】3月の物価上昇率5.7%に加速、年間予測を引き上げ

【亜州ビジネス編集部】

商務省が5日発表した2022年3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で5.7%だった。

前月(5.3%)から加速し、08年9月以来、13年6カ月ぶりの高水準を記録。世界的な原油価格の上昇を受け、車両用燃料(31.4%)の上昇率が4カ月ぶりに30%を超えた。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数も上昇が加速し、12年4月以来、9年11カ月ぶりの高さとなる2.0%だった。同省は年間のCPI予測を4.0〜5.0%に上方修正した。

品目別では、車両用燃料が大きく伸びがことで運輸・通信(11.3%)が2桁の上昇。また、政府の価格抑制策が終わった電気(39.9%)の急伸が続いている。指数の構成比が高い食品(4.6%)は前月(4.5%)から加速。生産コスト高や暑さによる生産性の悪化で卵(14.2%)の上げ幅が拡大し、生鮮野菜(10.0%)と共に指数を押し上げる要因となった。ほか、油脂(17.1%)の大幅上昇が続いており、調理済み食品(6.2%)はここ数年にない伸びとなった。

今回の結果を受け、同省は22年のCPI上昇率予測を4.0〜5.0%とし、これまでの0.7〜2.4%から引き上げた。燃料高で当面は指数の上昇が続く見通し。生産・輸送コストが徐々に価格に反映されることから、消費財の値上がりが顕著になるとみている。国内の天候不順やロシアのウクライナ侵攻も不安定要因となると指摘した。21年の上昇率は1.2%だった。


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